第64話「お知らせ」
「それで結局会長のお父さんを殺めた人って伊織会長のお母さんだったんだね」
麻友はキンキンに冷えたアップルジュースをお店の中で飲んでいた。
そこは女性のお客さんが多く若い人から老婦人まで幅広い世代で人気を得ていた。
「最初は仮先生だったと思ったのにトイレから出てきたのは犯人だったなんて。ねぇ、夕陽はあそこで何を話していたの?」
麻友、優芽、夕陽の横列並びに座り当時のことを振り返る。
「ちょっとした駆け引きよ。ただ私のほうが負けちゃったけど」
「いつも思うけど夕陽は危ないことばかりしてるからこっちの身が持たないよ」
優芽はオレンジジュースを飲みながら夕陽を気にかけた。
「あら、まるでお姫様を守る騎士みたいで素敵でしょ?」
「それにしては無防備すぎるよ。夕陽もちゃんとした人間なんだから武器の1つや2つくらいは用意しないと」
「ふふっ、そういう優芽も今だけ無防備よね」
「もー」
また始まったのかと端にいた麻友はアップルジュースに集中した。
カランカランとお店の入り口の鈴が鳴った。
新たなお客さんが入ってきたか、それとも、お店にいたお客さんが帰ったのだろうとチラッと入口のほうを見てみるとそこには林檎がいた。
林檎は合図を送るように声をかけてくると、麻友の横に座った。
「何か情報を持ってきたの?」
横に座った林檎に麻友は話しかけた。
夕陽と優芽はふざけあってるが麻友と林檎は落ち着いていて話を進める。
「今のところ何もないわね、この前の仮先生の事件が濃厚すぎてこれだと思えるのが見つからないわ」
「何もないのが一番だよ、今まで問題あったのがおかしかったんだから」
傍にいた店員に麻友と同じアップルジュースを頼むと林檎は話に集中した。
「そうね」
つまらなそうに林檎は目の前の窓ガラスを見つめ外の景色を見る。
何か起こらないかなと考えてるが何も起きず時間だけが過ぎていく。
その間、麻友は隣でイチャイチャしてる優芽と夕陽にお店の中ではしゃぐのは止めるように注意していた。
すると、どこからか明るい音楽が聞こえた。
音の大きさからしてこれはスマホの着信音だと分かる。
林檎は自分のスマホが鳴ってると確認できるとすぐさまその場で着信に出た。
「はい?」
電話に出ると、どうやら相手は女性であった。
「もしもし、今お時間のほう大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですけど、あなた誰ですか?」
林檎は自分の事を明かさない電話口の女性に少しイラッとしていた。
「申し遅れました、わたくし、懸賞フリスで投稿させていただいた者なんですが」
「懸賞フリス?」
薄っすらと記憶にあるのか、林檎は頭の中で思い出させようとする。
いくつもの情報を頭の中で交差してるので記憶も追いつかない部分もあるのだ。
「お見事、チップ様の応募が抽選の結果当選となりまして」
チップとは自分で付けたニックネームだが、林檎は少し怪しんでいた。
普通であれば抽選の結果などは電話ではなくメールで送られてくるはずだ。
何故だか今回は電話での回答だ。
もしかしたら詐欺なのではないかと林檎は考える。
だが、懸賞フリスというサイトでチップという名は付けていた。
「ちなみに何が当選したんですか?」
「1等の動遊園地1日無料券でございます」
そんなのを応募したなと思い出してきてるとそのまま女性は会話を続ける。
「詳しい詳細はメールのほうに記載して送らせていただいたのでご確認ください」
「では、失礼いたします」
女性はそう言うと電話を切った。
林檎はもっと情報を知るため送ったというメールを確認する。
するとそこには、動遊園地1日無料、宿泊ホテルも1日無料と書かれてあった。
「面白そうな情報が入ってきたわよ!」
隣にいた麻友たちに声をかける。
「え~、今それどころじゃないって」
麻友は夕陽と優芽のじゃれ合いに巻き込まれとても困っていた。
じゃれ合いに興味がない林檎は電話してる最中に用意されたリンゴジュースを飲んだ。
それはとてもサッパリしていて夏の暑さを忘れさせてくれる味であった。
1話や3話くらいの話を読み返してみたのですが今とノリが違いますね。
昔みたいにノリのいいお話を書きたいですが難しいものです。
そして今までのお話を振り返ってみてあのネタを書いていないことに気づきました。
普通ならすぐにでもありそうなネタなのに今までなかったことが驚きです。
時間はかかるかと思いますが少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは。