第5話「見てはいけない光景」
ちょっと今回は、R15のようなエロい部分があります。
大丈夫な方は進んでください。
翌日のお昼休み。
私はさつきと一緒に教室でお弁当を食べていた。
食べてる最中、たまに、会長のファンの子が私を見にくることもある。
だけど、私は気にせず食べ続けた。
「相変わらず、麻友もすごい人気だね」
「あはは…一週間前の私とは大違い」
過去のことを振り返っても仕方のないことだが、今でも、この状況に驚くことがある。
でも、後悔はしてない、そう強く思った。
「あ、そういえば、夕陽と優芽ちゃんと一緒なんだよね?」
そう聞くと、さつきは箸を口へと運び、おいしそうな顔をした。
「うん、一緒だよ。それがどうかしたの?」
さつきは何かを言いたげな、嬉しそうな、そんな表情をしていた。
これはあまり関わらない方がいいと思ったが、時は遅く。
「まだ知らないんだ、二人のこと」
「え、まぁ」
ここで話題を変えないとと思った瞬間、一気に聞かされてしまった。
「じゃあ、教えてあげる。あの二人も実は少し有名でね、快感を求め合ってる仲なのよ」
「へ、へぇ」
何て返事をしていいか分からない、あまりこの話題を広げないように、こうするしかできなかった。
「つまり、あの二人は付き合ってるということになるの」
「そうなんだ」
「ん? 驚かないの?」
不思議そうな目でさつきは私を見た。
「え、何が?」
「だから、あの二人が付き合ってるってことに」
どうやら驚かないことにさつきは疑問に思ってるらしい。
それは誰だって同性同士が付き合ってると知ったら、驚くだろう。
でも、今の私は違った。
「驚かないよ、そりゃ、少し前の私だったら驚くかもしれないけど。今はあの時のこともあったから」
「あの時って、会長から手紙を貰ったこと?」
「うん、あの時はラブレターじゃなかったけど、貰った時、気持ちがふわふわしたから。きっと、同性に恋をしてる女の子もこんな感じなんだろうなって思って」
私の言葉を聞いて、さつきは少し前に乗り出してきた。
「それって、麻友も同性に恋をしてるってこと?!」
「違うって、私の時は舞い上がってたのかな? よくわからないけど」
さつきは何だとつまらなさそうな顔をして、元の位置に戻った。
「あはは…」
私が苦笑いをすると、廊下に、見覚えのある二人が歩いていくのが見えた。
ちょうどお弁当も食べ終わったので、私は、さつきに用事があるからと伝え、一人で教室を出た。
(あれは、夕陽と優芽だよね。もうすぐ授業が始まるっていうのに、何処に行くんだろう?)
とりあえず、二人の後を付いていくことにした。
もしかしたら、トイレかもしれないと思ったが、そうではないみたいで。
後を付いていく中、心の中で思った。
どうして、私は二人の後を付いていってるんだろうと。
さっきの、さつきの話を聞いたからだろうか、それとも、これから生徒会の仕事があるかもしれないから?
どっちかは分からない。
でも、今は二人が何処に行くのか知りたかった。
教室から十分くらい後を付いて、たどり着いたのが、図書室であった。
「図書室か、もうすぐ授業が始まるから、移動教室でここを使うのかな?」
そう思った私は、あまり深く悩まずに、自分の教室に戻ることにした。
すると、図書室の中から、変な声が聞こえてきたのだ。
私は気になり、図書室のドアの窓から、そっと覗いてみる。
中では、想像もできないようなことをしてるのは間違いなかった。
「ふふ、これでどうかしら」
「あっ……そ、それは」
荒っぽく吐息を上げ、嬉しそうに微笑む、優芽。
その隣には、夕陽が、悪魔のような微笑みで嬉しそうに何かをしていた。
「今日の優芽はとても気分が良さそう。いつもより、盛んに、興奮してるみたい」
「そ、そんなことないです」
「そうかしら? でも、こうすれば」
「あっ…はぅ…」
顔を真っ赤にし、制服が乱れている。
一方、夕陽は、何一つ乱れていなかった。
「もっと声を出してもいいのよ。ここには誰もいないんだから」
「で、でも、恥ずかしくて…いやっ」
声では嫌と言ってるが、嫌そうには見えない。
むしろ、とても喜んでるみたいだ。
「嫌と口では言ってるけど、体はすごく快感を欲しがってる。そうよね?」
「え、あの、そう、です」
恥ずかしそうにそう言った。
「ふふ、正直で可愛いわ。だから、私はたまらないのよ」
「そんな…あっ…」
「ほら、いつものように言ってみなさい」
優芽も興奮してるが、あまり乱れてない夕陽も何故か興奮してるようだ。
「い、一回だけですよ」
「ええ、構わないわ」
「も、もっと…私をいじめてください…夕陽様…」
そういい終わると、優芽は目をつぶった。
「いい子ね、喜んで」
夕陽は、優芽の体を触っていき、言葉攻めを繰り返していった。
私はこのままいてはダメだと思い、二人に気づかれないように、そっと図書室から離れた。
離れたと同時に、ちょうど良く、授業が始まるチャイムが鳴ったのでいいタイミングだった。