表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/73

第5話「見てはいけない光景」

ちょっと今回は、R15のようなエロい部分があります。

大丈夫な方は進んでください。


 翌日のお昼休み。

 私はさつきと一緒に教室でお弁当を食べていた。

 食べてる最中、たまに、会長のファンの子が私を見にくることもある。

 だけど、私は気にせず食べ続けた。


「相変わらず、麻友もすごい人気だね」


「あはは…一週間前の私とは大違い」


 過去のことを振り返っても仕方のないことだが、今でも、この状況に驚くことがある。

 でも、後悔はしてない、そう強く思った。


「あ、そういえば、夕陽と優芽ちゃんと一緒なんだよね?」


 そう聞くと、さつきは箸を口へと運び、おいしそうな顔をした。


「うん、一緒だよ。それがどうかしたの?」


 さつきは何かを言いたげな、嬉しそうな、そんな表情をしていた。

 これはあまり関わらない方がいいと思ったが、時は遅く。


「まだ知らないんだ、二人のこと」


「え、まぁ」


 ここで話題を変えないとと思った瞬間、一気に聞かされてしまった。


「じゃあ、教えてあげる。あの二人も実は少し有名でね、快感を求め合ってる仲なのよ」


「へ、へぇ」


 何て返事をしていいか分からない、あまりこの話題を広げないように、こうするしかできなかった。


「つまり、あの二人は付き合ってるということになるの」


「そうなんだ」


「ん? 驚かないの?」


 不思議そうな目でさつきは私を見た。


「え、何が?」


「だから、あの二人が付き合ってるってことに」


 どうやら驚かないことにさつきは疑問に思ってるらしい。

 それは誰だって同性同士が付き合ってると知ったら、驚くだろう。

 でも、今の私は違った。


「驚かないよ、そりゃ、少し前の私だったら驚くかもしれないけど。今はあの時のこともあったから」


「あの時って、会長から手紙を貰ったこと?」


「うん、あの時はラブレターじゃなかったけど、貰った時、気持ちがふわふわしたから。きっと、同性に恋をしてる女の子もこんな感じなんだろうなって思って」


 私の言葉を聞いて、さつきは少し前に乗り出してきた。


「それって、麻友も同性に恋をしてるってこと?!」


「違うって、私の時は舞い上がってたのかな? よくわからないけど」


 さつきは何だとつまらなさそうな顔をして、元の位置に戻った。

 

「あはは…」


 私が苦笑いをすると、廊下に、見覚えのある二人が歩いていくのが見えた。

 ちょうどお弁当も食べ終わったので、私は、さつきに用事があるからと伝え、一人で教室を出た。


(あれは、夕陽と優芽だよね。もうすぐ授業が始まるっていうのに、何処に行くんだろう?)


 とりあえず、二人の後を付いていくことにした。

 もしかしたら、トイレかもしれないと思ったが、そうではないみたいで。

 後を付いていく中、心の中で思った。

 どうして、私は二人の後を付いていってるんだろうと。

 さっきの、さつきの話を聞いたからだろうか、それとも、これから生徒会の仕事があるかもしれないから?

 どっちかは分からない。

 でも、今は二人が何処に行くのか知りたかった。

 教室から十分くらい後を付いて、たどり着いたのが、図書室であった。


「図書室か、もうすぐ授業が始まるから、移動教室でここを使うのかな?」


 そう思った私は、あまり深く悩まずに、自分の教室に戻ることにした。

 すると、図書室の中から、変な声が聞こえてきたのだ。

 私は気になり、図書室のドアの窓から、そっと覗いてみる。

 中では、想像もできないようなことをしてるのは間違いなかった。


「ふふ、これでどうかしら」


「あっ……そ、それは」


 荒っぽく吐息を上げ、嬉しそうに微笑む、優芽。

 その隣には、夕陽が、悪魔のような微笑みで嬉しそうに何かをしていた。


「今日の優芽はとても気分が良さそう。いつもより、盛んに、興奮してるみたい」


「そ、そんなことないです」


「そうかしら? でも、こうすれば」


「あっ…はぅ…」


 顔を真っ赤にし、制服が乱れている。

 一方、夕陽は、何一つ乱れていなかった。


「もっと声を出してもいいのよ。ここには誰もいないんだから」


「で、でも、恥ずかしくて…いやっ」


 声では嫌と言ってるが、嫌そうには見えない。

 むしろ、とても喜んでるみたいだ。


「嫌と口では言ってるけど、体はすごく快感を欲しがってる。そうよね?」


「え、あの、そう、です」


 恥ずかしそうにそう言った。


「ふふ、正直で可愛いわ。だから、私はたまらないのよ」


「そんな…あっ…」


「ほら、いつものように言ってみなさい」


 優芽も興奮してるが、あまり乱れてない夕陽も何故か興奮してるようだ。


「い、一回だけですよ」


「ええ、構わないわ」


「も、もっと…私をいじめてください…夕陽様…」


 そういい終わると、優芽は目をつぶった。


「いい子ね、喜んで」


 夕陽は、優芽の体を触っていき、言葉攻めを繰り返していった。

 私はこのままいてはダメだと思い、二人に気づかれないように、そっと図書室から離れた。

 離れたと同時に、ちょうど良く、授業が始まるチャイムが鳴ったのでいいタイミングだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ