第47話「不安」
『お父さんはお前のことが心配で』
『いいか、絶対に麻友も警察官になるんだからな。絶対にだぞ』
『麻友、あの有名な高持生徒会長のこと知ってるか? 実はな、そろそろお前にも結婚相手が欲しいと思って、高持家に紹介してもらおうと頼んでおいたぞ』
頭の中をぐるぐると回る言葉。
そう、この言葉は、昨日の朝父にいわれたのだ。
父が何を考えているのか分からない。
麻友は夕方の生徒会が終わり、気分転換にショッピングモールに来ていた。
いつも学校で勉強して、夕方には生徒会で仕事して終わったら家に帰るの繰り返し。
このままではおかしくなってしまうと思い、一人で来ていた。
「たまには一人で来ても悪くないよね。何もかも忘れて気分転換っと」
周囲を見渡すと、洋服屋さんや、本屋さん、雑貨屋さんなどが転々とあった。
どこから見ようかなと悩む。
「まずは雑貨屋さんからかな。生徒会で結構道具使ってるし…あ」
生徒会のことは忘れようと考えてるのに、ふと、口に出してしまう。
そして、思いだしてしまう。
「…でも、いっか。必要な物だし、夕陽たちに『どうして買ってこなかったのかしら』って怒られちゃうからね」
雑貨屋さんの中に入ると、ボールペンやノート、ファイルなどほとんど生徒会で使うものが揃っていた。
「これを全部買うとなると大変だな。まぁ、必要な物だけ買えばいいか」
「ええと、確か、ホッチキス壊れてたような…夕陽が乱暴に使うからな。あとは、セロハンテープもなかったよね。それから、マジックに…会長がよく使ってるシャープペン」
「会長か……」
今頃、何してるんだろうとふと考える。
さっきまで生徒会の仕事で一緒にいたけど、何も変わらなかった。
「まぁ、いいや、会長は会長で考えてることがあるんだよね」
「このシャープペン買っておこう。きっと、会長喜ぶだろうな」
テンションを上げて会計を済まし、雑貨屋さんを出る。
すると、見慣れた人影を見かけた。
あれは。
「会長…でも、何で?」
どうしてこんなところにいるのかと、ふと疑問に思ってしまう。
しかも、隣を歩いているのは知らない女の子。
誰だろう。
ちょっと後をつけてみよう。
でも、会長に迷惑かかってしまうし、怒られそうな気がする。
麻友には自分へのプライベート、会長には会長自身のプライベートがあるわけだし。
でも。
「少しだけならいいよね」
そう思い、麻友は後をつけることにした。
見つからないようにこっそり後を付けていく。
喋ってる声はあまり聞こえないが、二人はとても楽しそうだ。
『クスクス、ところで例の子なんだけど』
『あぁ、好きな人のこと? もう好きを諦めようと思ってるの』
『そのほうがいいよ。ねぇ、美沙。また私と付き合わない? 私、貴女のことが好きなの』
その言葉が耳に入ってしまった。
会長が好きを諦める?
好きな人に対して。
それはもちろん、自分のことであろうか。
別に諦めてもいい。
自分は会長のことそんなに好きでもない……から…。
あれ…何でだろう…おかしいな…涙が出てくる。
その後、麻友はその場を離れた。
「麻友! 麻友! 帰ってきたならリビングに来なさい。夕食の時間だぞ」
あれから、麻友は家に帰り、自分のベッドに横になっていた。
それを麻友の父親は夕食の時間だからと起こしにきたのだ。
しぶしぶと暗い顔をしたまま、リビングへと向かう。
「お前な、横になってるくらいなら、学校の勉強もいいけど警察官の勉強もしたらどうだ? お父さんは昔、それくらいしたぞ」
「……お父さん」
「ん? どうした?」
「…今、結婚のほうはどうなってるの?」
「あぁ、高持家に頼んでいたやつか。もちろん、いい男を紹介してもらったぞ。興味あるのか?」
「……う、うん、まぁ」
「そうか。今度の日曜日会ってみるか?」
「お願い……」
何をしてるんだろう。
でも、会長はもう私のことを好きじゃない。
あんなに好き言っておいて、今ではもう好きじゃない。
麻友は心がグシャグシャになっていた。
お久しぶりです。
今回は会長の元カノを登場させてみました。
でも、あまり出番はなかったですけど。
頭の回転が回らないせいで、上手く書けなかったですが、更新となります。
次回は、すごい?展開になるかもです。
それでは。