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第45話「解決」

「はぁ…はぁ…待って麻友!」


生徒会室から飛び出て、会長は麻友を追いかけた。

そこに普通に歩いていた麻友は後ろを振り返り。


「か、会長!?」


「私、貴女に話したいことがあって」


「私は話することなんてありません。失礼します」


スタスタと早歩きで急ごうとする麻友。

それを見て会長も早歩きになる。


「今日は違うのよ、たまたま林檎さんが…」


「私のことは放っておいてください」


「放ってはおけないわ。麻友のこと好きだから」


パシンッ。

廊下中に乾いた音が響いた。

そう、麻友が会長の頬に叩いたのだ。


「ま…ゆ…?」


「いい加減、その好きって言葉何度も使うのよくないと思いますよ」


そういい残し、麻友は会長を置いて歩いて行った。

残された会長はというと。

林檎さんの言葉を思いだしていた。

追いかけなさいという言葉を。


「待って!」


階段を下りてる麻友にそう呼びかけ、会長も下りる。

早歩きになって下りてるため、足がもつれる。

何段目を下りているだろうか、いい加減足の感覚が分からなくなっていった。

麻友が階段を下りかけたその時。

会長は足のバランスを崩してしまい、階段から落ちてしまった。

そして、麻友に覆いかぶさる。


「いっ……」


麻友は自分が下敷きになってるのと気づき、上に覆いかぶさってる会長を見た。


「大丈夫ですか!? 会長」


「え、ええ、何とか大丈夫よ…それより麻友こそ大丈夫?」


「私は大丈夫ですけど、それより早く保健室に…」


麻友は未だ横になってる会長を抱きかかえた。


「いいわよ、これくらい一人で歩けるわ」


「ダメです! 会長はいつでも一人で抱え込んでみんなのために動いてますけど、たまには頼ってもいいんじゃないですか」


「それは麻友に頼ってもいいってこと…?」


そう言われ、麻友はあれこれ考え始めた。

確かにそうなる。


「それはですね、その…前から思ってたんですけど、会長って私のことからかってません?」


「からかう? いつ私がそんなことを」


「覚えてないんですね。会長の別荘に迷子になった時、本番ができるといいって言ってたじゃないですか」


「本番? なんの本番?」


「え、えっとそれは…とにかく、保健室着きましたよ」


会話してて夢中になってるといつの間にか麻友と抱きかかえられた会長は保健室に到着した。

ガラガラと開け、中に入る。


「どうやら先生はいないみたいですね。会長、ここに横になっててください。今、先生呼んできますから」


会長を空いてるベットに横にならせると、麻友は出ていこうとした。

すると、手を握られる。


「会長…?」


チュッ。


「そういえばそんなこと言ってたわね。本番、ちゃんとできたかしら」


顔を真っ赤に染め、麻友はあたふたと後ろへ下がっていく。

会長は麻友にキスをしたのだ、優しく。


「……どうしてだろう、こんなに胸がドキドキするのは……」


「麻友、何か言ったかしら……?」


「な、何でもないです…! まったく会長はキス魔なんですか? 別荘の時だって色々とキスしてましたし」


「もしかしてヤキモチ妬いてる?」


「え、私が? ヤキモチ?」


これがヤキモチというのであろうか。

さっき会長とキスをした時とても胸の鼓動が高鳴った。

ドキドキした。嬉しかった。嬉しかった?

しかも、会長が別の人とキスをしてるのを考えると、何故かイライラするような気がしてくる。


「恋をすると誰でもヤキモチを妬くものなのよ」


「でもまだ私は会長のこと好きと断定したわけじゃないですから」


「麻友も言ったわね?」


「何をですか?」


「好き、って言葉」


「あ」


「うふふ」


二人仲良くなったのか、保健室で微笑む麻友と会長の姿があった。

麻友はなんとか会長に対して一つ閉ざしてた心を打ち解けた。

恋の意味をこれからだんだん二人は学んでいくであろう。



からかってる部分は別荘編の第38話となります。

読み返してみると、会長いたずらばかりしてましたね、麻友に。

と、まぁ、今回は前回のすれ違い?も何とか解決したようです。


それでは。

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