第36話「キスの前提」 前編
「みんなに話があるのだけれど、いいかしら?」
額の汗をぬぐい、林檎、夕陽、優芽、獣娘の麗華は会長に視線を集中した。
麻友も会長に視線を送る。
「ここから出れる方法本当はあったのよ、今、思い出したわ」
「って、思い出すの遅いわよ、会長」
夕陽が突っ込む。
「ごめんなさないね、それで脱出方法なんだけど」
会長が話始めると、夕陽は驚いた。
「ちょっと待って、麗華さんのその姿なんだけれど…!?」
「あ、そういえば気付かなかった。今まで逃げるのに必死だったから。林檎の言ったとおり、高持家と関わりのある妖怪の少女って麗華さんのことだったの!?」
「え、え」
夕陽、麻友、優芽は混乱していた。
まさか本当に実在して、しかも、それが麗華だったなんて。
「待ちなさいよ、私、自分でも分かってないのよ。高持家と関わりのあるのって」
「え、そうなんですか?」
「ええ、この前、会長と二人きりの時に言われたの。何でも、夜の満月の日、高持家と昔から関わりのある娘は獣娘になるって言われてたらしいわ。でも、私自身、高持家と関わった記憶はないし」
うーんと考える麗華。
そこに麻友は会長に言った。
「会長、朝になれば麗華さんの姿直るんじゃないですか?」
「それが私の記憶が正しければ【ある】ことをしないと直らないのよ」
「あること?」
「ええ、それが…この迷路の脱出方法と関わってるの。それは…」
「それは?」
麻友たちは会長に集中する。
「麗華さんとキスをするの」
「ああ、なんだ、麗華さんとキスか…って、ええー!?」
麻友は驚いた。
驚くことが続くなと思いながら、精神を保つ。
どうもお久しぶりです。
もう百合百合にしたくてキス編を書いてみようかなと思って書いてみました。
高持女子高生徒会、振り返ってみると、夕陽と優芽のキスシーンらしいのはあったと思うのですが、他のメンバーはなかったですよね。
だから、何かモヤモヤして、もう書いちゃえーみたいな感じで、書いてみますw
キスの本編はたぶん次か次の話で書けるかと思いますので、楽しみにしていただけると嬉しいです。
それでは。