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第32話「到着と獣娘」

飛行機から降りると、会長の自家用機はすぐさま飛び去って行った。

ウロウロとする全校生徒たち。

目の前にはとてつもなく大きい、まるで、お城みたいな別荘がある。

そこに、会長は一人先に、入って行った。

そして、振り返り、全校生徒の前で言った。


「ようこそ、高持家の別荘へ。これから生徒たち全員が目的の地下にある宝くじをゲットできるかどうか、挑戦のスタートが始まるわ。これからいろんな試練が出てくると思う、けど、その結果はあなた次第よ。頑張ればもしかしたら一億円の宝くじがゲットできるかもしれない、諦めたらそこで終わりかもしれない。でも、私は、ゲットできても出来なくてもいいと思うの、大切なのはあなたが頑張るその気持ちだから」


そういい終わると、別荘の扉が開いた。

会長は歓迎のムードで、手を開き、腕を伸ばした。


「きゃーーー」


「いよいよ始まるのね」


「生徒会長さん、大好き。私、頑張るわ」


生徒たちの歓声が響いた。

その生徒たちの後ろでは、生徒会役員、麻友たちがいた。


「す、すごい。みんなやる気だ」


「麻友、こんなことで驚いてる暇ないわよ。地下に行って試練が待ってるんだから、そこで、驚かないと」


やる気満々の林檎に言われ、麻友は、落ち着きを取り戻す。


「そうだよね、頑張らないと」


「んふ、地下で驚くこと教えてほしい?」


「いや、聞いてないから」


ちょいと突っ込みを入れる麻友。


「何でも地下には昔から高持家と関わりのある妖怪の少女がいるらしいのよ」


「それほんとなの! 林檎」


麻友と林檎の間から、夕陽は顔を出した。

夕陽の後ろでは、優芽が困惑している。


「ええ、そういう噂を聞いたことがあるわ。まあ、事実かどうか分からないけどね」


妖怪の少女、一体どんな人物なのだろう。

妖怪だから、怖い存在なのかもしれない。

いや、もしかしたら、アニメや漫画でお馴染みの可愛い子かもしれない。

ニヤニヤと夕陽は嬉しそうな表情をしている。

そこに麻友は問い詰めた。


「夕陽、何を考えているの」


「いや、何でもないわ。クスッ」


「そんなことより早く行くわよ。宝くじが待ってるんだから!」


やけに張り切ってる林檎。

最初から張り切る人は、最後になって疲労を感じる人が多いのだ。

まあ、林檎のことだ、体力には自信があるだろう。

何でもスパイなのだから。





「ウオーーーーーン!」

今は夜。

どこからか犬か狼の遠吠えが聞こえてくる。


「コーーーーン!」


満月の夜、獣の遠吠えは止むことはない。

そのモノの遠吠えは高まるばかりだ。

たまに疲れたのか、声が小さくなる時がある。

小刻みに聞いてると、そのモノの鳴き声は徐々に止んでいった。

すると、どこからか、一人の少女が、ある人物に怒鳴っていた。


「ちょっとどうなってるのよ! 私、何で、こんな」


その少女は、黄色いツインテールの髪型で、ふんわりしている。

とても身体を乱しているようだ。


「…あなたが高持家の」


黄色いツインテールの少女と会話しているのは会長だ。

会長の目の前には、人間?

いや、頭には獣らしい耳とお尻にはフサっとした尻尾が垂れている。

とても可愛らしい。

これは間違いない、獣娘だ。


「でも、どうやってこんな姿に」


「この別荘には夜の満月の日、高持家と昔から関わりのある娘は獣娘になるって言われていたわ。もしかしたら、麗華さんは昔、高持家と関わりがあったのかも」


「ぬぅー、分からないわ。昔のことなんて覚えてないし」


むきぃーと麗華は、プンプンしている。

混乱しているのだろう。

でも、獣の耳と尻尾は可愛らしく見える。

実は麗華も高持家の別荘に来ていたのだ。


「それより、この姿、戻るんでしょうね? まさか、ずっと一日っていうことも…」


「大丈夫よ、戻れるわ」


「よかったわ、それなら、安心して…いや、安心もできないわね」


一人でぶつぶつと麗華は喋っている間、会長は割り込んできた。


「ただし、条件があるの」


「条件?」


「ええ、誰かにキスしてもらわないと、元の人間の姿に戻れないのよ」


「えっ? えー!? ちょっ、まって、それって」


麗華は慌てた。

無理もない、いきなり、獣娘になって、それから、簡単に元の人間の姿に戻れるかと安心してた中、誰かにキスしてもらわないと戻れないことが発覚したんだから。

会長はというと、落ち着いて応答している。


「き、き、キスって…私、どうすれば」


「落ち着いて、キスといっても、唇と唇を重ねなくてもいいのよ。簡単に頬にキスされるとか」


「あ、それを早く言ってほしかったわ。まあ、頬になら、大丈夫かと」


さっきより少しずつ整理が出来てきて、落ち着いていく麗華。


「じゃあ、ここでね」


「え?」


落ち着いていく中、会長はボソっと言って、あるボタンを押した。

ドンっ、パカッ。

麗華の真下、地面から扉が開いて、獣娘は落ちていった。


「きゃああああ」


悲鳴の中、会長はニコニコしていた。

恐ろしい、何を考えているのだろうか。


「うふふ」


そのまま会長は闇の中へ消えていった。

満月の夜の中、一人の少女が、獣娘化した。



どうもです。

実は私、人外のキャラを作って登場させたいなと思ってました。でも、人外といっても、吸血鬼や死神は既にある作品で使ってるので、何かいいのがないのかなと思ったところ、千歳さんからアドバイスを頂きまして、獣娘、いわゆる人外のキャラを参考にさせていただきました。

ほんとありがとうございます!

新しい獣娘を登場させようかなと思ったのですが、今のところ麻友たちで精一杯キャラを作ってるので、ちょっと新キャラはやめて、既に登場しているキャラで獣娘にしようと思いました。

その結果、麗華が獣娘に、いいかなと思いましたw

これから先どうなっていくのか、分からないですが、少しずつ更新できたらなと思ってます!

それでは。


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