表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/74

第31話「飛行機の中」

ゆさゆさ、揺さぶられる。

何だろうと思い、麻友は目を開けた。


「ん?」


「あ、起きたのね。麻友、着いたわよ。会長の別荘に」


「え、ほんと」


思い切って、体を起こす。

そして、バスの窓から外を見た。

そこには何台ものバスが止まっていた。


「って、どこに会長の別荘があるの!」


「あはは、ごめん」


突っ込みを入れる麻友。

そこに、林檎は笑っていた。


「それよりみんな外に出ちゃったよ、早く出よう」


「うん」


林檎の言うとおり、バスの中は誰もいなかった。

寝てる時、みんな、外に出たのだろう。

麻友は林檎の後に付いて行きながら、とある場所に、たどり着いた。


「お待たせ、みんな」


そこには生徒会役員が集まっていた。


「遅いわよ、まったく何してたんだか。麻友がいない内に私は優芽を口説いて…」


「ちょ、ちょっと」


夕陽と優芽は相変わらずラブラブだ。


「それで会長の別荘はどこに?」


バスがたどり着いたのだから、当然、会長の別荘があるはずだ。

もう目の前にあってもおかしくないと思うのだが、周りにあるのは、生徒たちとバスだけ。

もしかしたらここから、何かで移動して到着なのか、そう思った麻友は少しだけ顔を動かすと頬に何か当たった。

それは。


「会長」


「んふふ、あれで行くのよ」


頬に当たったのは会長の指であった。

遊び心で、会長は麻友の頬に指でツンとしたのだ。

油断していた。

それはそうと、ブロロロロロ、と大きいエンジン音が鳴っているのが聞こえる。

バスの音かと思ったが、違うらしい。

とてつもなく大きい音だ。


「か、会長、あれって…」


麻友もそうだが、他の生徒も驚いていた。

それはというと、高持女子高生徒全員が乗れる飛行機であった。

その飛行機は突然大きい音と共に地下から現れた。

飛行機が、徐々に全貌を表す。


「うわあああ、すごい」


「これって本物?」


「これに乗ってどこに行くのかしら」


生徒たちは驚いていた。

無理もない、いきなり、地下から姿を表し、目の前にあるのだから。


「会長、これに乗ってどこに行くか当ててみましょうか?」


夕陽は、飛行機からによる風で髪をなびかせている会長に言った。


「どこに行くのか当たるかしら」


「北海道ね」


「正解」


パチパチパチと会長は拍手した。


「あと、これは余談だけど、会長はアメリカに行こうかと考えていたんじゃないの」


「夕陽さんには何でも分かるのね。ええ、もちろんそうよ。でも、アメリカだと交通費が高いし、言葉との通じ合いもあるから、諦めたの。生徒たちの安全を考えてね」


「今考えてみると、会長の結論が正しいと思うわ。よかったわ、北海道で。うふふ、これで優芽と二人乗りができるわね」


最後、夕陽は小さい声で呟いた。


「二人乗り? 何、それ」


「優芽と一緒に馬に乗って大草原へ…って、何を言わせるのかしら」


バンッ、麻友は夕陽に、背中を押された。


「それより、早く乗ろうよ。私、飛行機乗るの初めてなんだ」


ウキウキと麻友は楽しみにしているようだ。

目の前では、続々と、生徒たちが会長の飛行機に乗っていく。


「そうね、行きましょう」





飛行機の中に入ると既に座っている生徒がいた。

どうやら、飛行機内の座席の順番はどうでもいいらしい。

麻友は生徒会のみんなと一緒になった。

ぶぉおおおおん、それぞれ座席に着くと、飛行機のドアが閉められて少しずつ動き始めた。

出発だ。

座席はというと。

会長にとって嬉しい、麻友の隣であった。


「麻友、飛行機は初めてでしょう?」


「あ、はい、初めてです」


「気分が悪くなったら早めに教えてね。対処するから」


「ありがとうございます」


それからしばらく沈黙が続いた。

会長は何を話したらいいのか分からないのだ。

いつもは生徒会室で、他の役員と一緒に話しながら楽しんでいるが、こうして二人きりの時はきまずくなる。


「麻友。一億円の宝くじが当たったら何がしたいかしら?」


「んー、そうですね。私は、困ってる人たちを助けたいです。だから、そういう困ってる人たちに一億円寄付します」


「偉いのね。私はそういう助けたいと思う優しい気持ち好きよ」


「あ、ありがとうございます///」


麻友は顔を真っ赤にして、下に向いた。

照れたのだろう。

麻友は滅多に褒められることがないのだから。


「むぅ、麻友!」


突然、林檎は、会長と麻友の真ん中に座った。

麻友と会長が座ってる席は、三人用の座椅子だったのだ。


「うわ、いきなり。飛行機が飛んでる時は動いちゃダメだよ」


真ん中に座席を移動した林檎に麻友は注意した。


「じゃあ、トイレ行きたくなったらどうするのよ」


「え、それは、えーと、うーん」


「何をそこまで真剣に考えてるの。飛行機はシートベルト着用を外してもいいようにアナウンサー、もしくは、サインが出たら取ってもいいのよ」


「そうなんだ。知らなかったな」


「えっへん、これが常識」


腰に手を当てて、威張る林檎。

すると、会長が。


「林檎さん、あまりはしゃがないようにね」


「以後、気を付けます」


その後、麻友、林檎、会長の順に座り、いろいろ談話した。

夕陽と優芽も、二人で、楽しそうだ。

夕陽のSの話が聞こえてくるが、麻友は、いつものように過ごした。

それから数時間、麻友たちが乗った飛行機は、とある別荘の前に到着した。

とてつもなく大きい別荘、この地下に、一億円の宝くじが眠ってるとは信じられない。

そんな気持ちを持ちながら、麻友は、飛行機から降りた。



最近では少しずつ書いてます。

でも、昔の高持の雰囲気が、今となると壊れていますね。

難しい。

あと、飛行機の件なのですが、それが常識なのか分からずもしかしたら違ってるかもしれません。

一応、「飛行機 常識」とかでネットで検索して飛行機の常識を調べたのですが、合ってるかどうか…。

とりあえず私が知ってる常識はこれだけです、違ってたらすみません。

教えてくれたら嬉しいです。

それでは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ