表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/73

第30話「バスの中」

生徒会長の別荘に行くことが決まって、半月後、高持女子高の前には大型バスが何台も止まっていた。

これから、生徒会長の別荘に行くのだ。

ブゥンブゥンとバスのエンジンの音が鳴っている。

全校生徒が行くものだから、バスの前にはすごい人数でにぎわっていた。


「生徒会長の別荘すごい楽しみ! ねぇねぇ、三人で絶対一億円見つけようね」


「うん! みんなより早く見つけてやるんだから」


「負けてたまるもんか」


生徒たちは会長の宝くじ=お金が目的で、騒いでいた。

その頃、麻友たちはというと、バスの中にいた。

クラスごとにバスが分かれてるんだから、生徒会役員は、自分のクラスのバスに座ればいいのだが、何故か集まっていた。

一つのバスに集中して、生徒会役員と普通の生徒たちと一緒であった。


「あの生徒会長が私の隣に♪」


「ずるい、私の横がいい」


「ダメダメ、私の横」


生徒会長はすごい人気であった。

生徒たちの座席の奪い合いで、密集している。


「ふっふっー、会長が騒いでる間、麻友は私の横ね」


「え 別にいいけど」


林檎は麻友の横に座った。

とても嬉しそうに微笑んでいる。

そんな中、生徒会長は悔しい感情を持った。

林檎に先を越されたと。

賑やかな車内の中、外を見てみると、もう既にバスは動いていた。

いつもの住宅街から、先へ先へと進むと、車だらけの道路に入る。

高速道路だ。

今、麻友たちのバスは高速道路に入り、生徒会長の別荘がある場所へと向かっていた。


「ちょっと聞きたいんですけど、いいですか?」


生徒会長の後ろにいた、とある生徒が声をかけた。



「ええ、いいわよ」


「生徒会長の別荘に一億円の宝くじがあるって聞いたんですけど、その宝くじがある地下って、攻略するの難しいんでしょうか?」


「ここで簡単に言ってしまえば話は済んでしまうわ。現地に着いてからでも、いいんじゃないかしら。楽しみはとっておくものよ」


その生徒はノリノリであった。

恐らく、探検や探索するのが好きなんだろう。

興味津々だ。


「おっほん! そこの君、詳しく教えてあげましょうか?」


脇から出てきたのは林檎であった。

林檎の隣にいた麻友は、危ないよ、といわんばかりに林檎の腰を支えている。

会長は麻友たちの後ろの席にいて、麻友&林檎のペアはその前、夕陽と優芽はバスの一番前にいた。


「え、是非!」


「り・ん・ごさん」


とても鬼のような恐ろしい表情で、生徒会長は、林檎を見つめる。


「ひぃっ」


殺気を感じ、自分の席に座った林檎。

麻友たちの後ろでは、会長が謝っていた。


「ごめんなさいね、あの子のことは気にしないで。だから、詳しいことは現地でね」


「あ、はい。分かりました」


興味津々であった生徒を生徒会長は落ち着かせた。


「…会長を怒らせると怖いわね」


「もう、あまりはしゃいじゃダメだよ。今、高速道路走ってるんだから」


会長の恐ろしさを感じた林檎。

その横では、別の意味で、恐怖になっている麻友がいた。

ガクガクと震えている。


「どうしたの? 麻友」


「……言ってもいいのかな?」


どうしたのか、麻友の表情は悪そうだった。


「言わなきゃ分からないじゃない」


「…そうだよね、うぅ」


麻友は深呼吸をして一息落ち着いてから、話した。


「車酔い…」


「大丈夫? 薬なら、優芽が持ってたけど」


「え、ほんと。薬、ちょう…だ…い。うぅ」


とても辛そうだ。

大好きな人が辛そうにしているのを見ていられない。

林檎はすぐに前のほうにいる優芽に伝えた。


「優芽! 車酔いの薬持ってるかしら。麻友が辛そうなの」


名前を呼ばれて、後ろを振り向く優芽。


「あ、持ってるよー。今、渡すね。これ、後ろの席に渡してください」


そういって、優芽はすぐ真後ろの席の生徒に、車酔いの薬を渡した。

林檎がいる席と優芽がいる席は離れているのだ。

真ん中の席に座っている生徒もいるため、自分から動いて渡すのは困難だった。


「ありがとー」


前の生徒から薬を受け取った。

水は持っているため、あとは、麻友に渡すだけだった。


「はい、薬。これ飲んで安静にして」


「…うん…ありがとう」


麻友は薬をもらい、ペットボトルに入ってる水で、飲みほした。

昔は粉の薬だったが、最近では、粒の薬になっているため飲むのには苦労しなかった。

それから、数分、麻友はウトウトと眠気に襲われた。


「う、うぅ…」


薬が効いたのか、麻友は寝てしまった。

実は昨日の夜、今期の、別荘に行くことを楽しみにしていたのだ。

早く寝ようとベッドに入ったが、中々、眠れなかった。

だから、安心して、眠気に襲われたのだろう。

すやすやと寝ている中、生徒たちはたわいもない話題で、高速道路を走るバスの中で過ごした。





こんばんは。

最近思うのですが、人外を登場させたいという気持ちが強くありまして、困ってます。

人外といえば、吸血鬼や死神などですが、吸血鬼や死神は私の他の作品で登場させているので獣娘とかどうかなと思ってます。

でも、普通の日常のお話の中に、獣娘を登場させるのはどうかなと悩んでます。

雰囲気壊れちゃいますよね。

あまり作品をバラバラにしたくないので、登場させないでほしいというコメントがありましたら、登場させません。

でも、登場させても大丈夫という方がいらっしゃいましたら、考えてみようかなと思ってます。

まあ、すぐにとは言わないので、私もよく考えたいと思います。

それでは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ