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第27話「仮先生の思い出」

生徒会室前に到着してしまった仮先生。

そこには、生徒会室の扉の前に林檎、麗華、生徒会長がいた。

仮先生は身を乗り出して、言い放った。


「生徒会室に入りたいの、どいてもらえるかしら」


「ダメ、と言ったらどうします? 先生」


一番最初に林檎は問いただした。


「ダメも何も私は入るわ。入ってはいけないという理由はないでしょ」


仮先生は、強気だ。

生徒たちが怖がっていた恐ろしさがある。

すごい迫力だ。


「そうですね、でも、先生、聞きたいことがあります」


おずおずと林檎は前に、生徒会長と麗華は後ろで、見守っていた。


「何かしら?」


「先生はこの生徒会室を潰そうとやってきたのですよね」


突然の発言に、仮先生は、ビクッとした。


「何のことかしら?」


冷や汗をかいているのだろうか、仮先生は目が泳いでいて、混乱していた。

生徒会長は麗華が言った、この前の、生徒会を潰そうと話していたことを思い出した。

そうだ、仮先生は生徒会を潰そうとしていたのだ。


「嘘をついても逃げられませんよ。生徒会室を潰す目的の証拠があるんですから」


ガサゴソと林檎の後ろに置いてあった袋から、ある物を取り出した。

それは…。


「はぁっ!?」


仮先生は、その物を見て、驚いていた。

何を出したのかというと、一冊の本であった。

いや、日記帳と読んでもいいだろう。


「……やはり、あったのね…」


仮先生は青ざめていた。

よほど、嫌であったのだろう。


「これは先生の物ですよね。これがあったから、この生徒会を潰そうとしていた…そうですよね!」


ババン、林檎は言った。

おどおどと仮先生の顔は暗い表情になっていく。


「先生!」


「先生!」


ドタドタドタ。

生徒会室前で会話していた林檎たちであったが、麻友と夕陽と優芽が戻ってきた。


「よく分かったわね、そう、私は生徒会を潰そうと考えていた。この本一冊のためにね。私は元、生徒会役員だったわ。当時は今のように楽しんでいた。でも、嫌なことがあったの」


仮先生はどんどん自分のことを話していく。

それを聞く、高持女子高の生徒会役員たち。


「いじめですね」


一番聞きたくなかったことを言った林檎。

林檎も裏がある時あるが、あまり他人を傷つけたくない優しさもあるのだ。


「ええ、私は書記をしていたの。当時は、毎日一人ずつ生徒会でその日の感想を書く習慣があったのよ。私は感想を書いていたわ、でも、翌日、その本を見てみると悲しいことが書かれてあったの」


「私はとても悔しかったわ。この本の時だけいじめにあうのって」


みんな深刻に聞いていた。

ちょっと理解できない部分もあったので、私は聞いてみた。


「この本の時だけ?」


「この日記帳だけしかいじめがなかったのよ。他では普通にみんな接してくれた。でも、日記帳では悪口が書かれてあったの。もしかしたらこの日記帳、私にだけ呪いをかけられた物かと思ってね、いつか、処分しようと考えていたのよ」


「なるほど、つまり、この日記帳がなければ、幸せな学校生活を暮していた、というわけですよね。だから、嫌な思い出がある生徒会を潰そうと」


「バカらしいでしょ。当時の時に嫌な思い出を消そうと思っていたのに、日記帳以外では普通に楽しい生活を過ごしていたのよ。すっかりこの日記帳のことを忘れていたの」


仮先生は落ち込んでいた。

当時の日記帳を見て落ち込んでいく先生。

でも、林檎は言った。


「先生、この日記帳、私が変えてみせるってのはどうですか?」


突然の意味の分からなさに、仮先生は驚いていた。


「どういうこと!?」


「この日記帳、まだ続きが書けるスペースがあります。だから、この続き、私たちが毎日楽しいことを書いてみせます。ちなみに、先生の嫌なことが書かれてある部分は、私たちが修正して楽しい言葉だらけで、呪いの日記帳ではなく、幸せな日記帳と書いてみせます。どうでしょうか?」


どうも納得がいかないような仮先生。

それもそうだ、ずっとこの日記帳でいじめられていたのだから。

でも、これを気に、変えてみたかったのだろう。

林檎は。


「……でも、当時の傷は癒えないのよ。私の気持ちが分かるのっ!」


仮先生は必至に言った。

林檎は優しく言った。


「先生、辛いことを思い出したら、いつでもいいです。この生徒会に来てください。私たちが幸せの時間をおそそわけします!」


「あなた……っ」


仮先生は涙をグっとこらえていた。

あの時の日記帳の癒えない言葉たち、それを、林檎たちは修正して、しかも、先生本人の傷も癒してくれる生徒会。

こんな優しい生徒会はどこにあるのだろうか。

たぶん、ここしかないかもしれない。他にあったとしても、忘れてしまったり、面倒ぐさがったりしてほとんどじゃないだろうか。

仮先生が泣いて感動している中、私たちは、この現在の生徒会を守ることができたようだ。


「こんな優しい生徒会、当時の私として会いたかったわ…」


何とか生徒会を守ることができた麻友たち。

この生徒会室にはいろんな思い出があるんだなと思った。

私たちは、卒業するまで、思いやりのある時間を過ごしていかないとと痛感した。

お久しぶりです!

一話から読み直してみて、少しだけ修正してみました。

もし、「あ、ここがダメだな」と思うところがあったら教えてください。

修正します。


というわけで、今回は仮先生の終了編ですね。

まとめたわけなのですが、難しかったですw

次は何を書こうか、悩んでますw

では、楽しんでいただけたら幸いです。


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