第19話「帰り道」
お久しぶりです。
久しぶりの更新です。
相変わらず、短くつまらなくてすみません。
翌日、何故かピリピリと熱い火花が私に向けられているのは気のせいであろうか。
左からは林檎が、右からは会長からの熱い視線が送られてきている。
ここは生徒会室、普段と変わらない場所―――そういいたいが、そうはさせてくれないらしい。
「麻友、ここ、間違っているわよ」
「あ、ほんとだ。すぐに直します」
会長から頼まれた資料を書いていたのだが、どうやら間違っていたみたいだ。
すぐに直す作業に入る。
「麻友、これ終わったらどこか遊びに行こう」
「え、あぁ、うん、これ終わったらね」
二人の視線が絡む中、私は軽く溜息をついた。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
とりあえず、二人から離れて、一息つきたい。
「あなたも大変ね、ほら、紅茶入れてきてあげたわよ」
目の前に紅茶が入ったティーカップを置かれた。
飲み物を出してくれたのは、何と、夕陽だ。
こんなにも珍しいことがあるのだろうか。
「ゆ、夕陽が、紅茶を――」
「何よ、私が紅茶を出したらいけないことがあるわけ?」
「いえ、めっそうもありません。ありがとう、夕陽」
「ふん、今回だけよ」
そういうと、夕陽は元いた窓際のほうに去っていった。
ありがたみを感じながら、出された紅茶のカップへ手を出す。
すると、私より先に、手が伸ばされそのカップは宙へと浮いた。
「麻友、はい、どうぞ」
先に手を取ったのは林檎だった。
まるで、あ~んするかのように、口元へ近づけ飲ませようとしている。
「いや、自分で飲めるから」
「そんなこといわずに、はい」
どうも身が引いてしまう。
だけど、喉が渇いてるし、ここは素直に飲むしかない。
仕方なく、私は宙へと浮いている紅茶のカップに口づけた。
「ふぅ」
何とか飲むことに成功し、安堵の溜息をつく。
だが、その横では未だ熱い視線が送られてきていた。
「か、会長」
「何、麻友」
「あの、その、私、用事があるのでもう帰ってもいいですか?」
本当は用事なんかない。
でも、このままいても、辛いだけなので帰ることに決めたのだ。
「そう、なら、いいわよ」
「ありがとうございます。じゃあ、夕陽、優芽バイバイ」
窓際にいる二人にも挨拶して、私は生徒会室を出ようとした。
すると、後ろから手を握られ、私の行動は止まった。
「一緒に帰ろう」
「え、でも、用事があるし」
「途中まで」
「う……」
林檎に声をかけられ、麻友は帰ろうとしたところを止められてしまった。
「分かった」
どうしても逃げられないので、結局帰ることにした。
会長は何だか寂しげな視線を送っていた。
下校途中、私は気まずいまま帰っていた。
「麻友」
声をかけられ、返事をする。
「何?」
「麻友は好きな人とかいる?」
いきなりの質問であたふたする私。
「えっ、え、分からないよ」
「そっか、ならいいや」
どういうことだろう?
私には林檎が言いたいことが分からない。
何を聞きたかったのか。
「麻友、一番の近く、いや、私の傍にいてね」
「う、うん、分かった」
とりあえず返事をしていく。
「じゃあ、ここでお別れ。バイバイ」
林檎は手を振り、私の前から離れて行った。
とりあえず、林檎の家が学校から直ぐだったことに感謝しよう。
近くだったため、すぐに会話は終わり、帰っていった。
それより、好きな人がいるとか聞いてきたけど、あれは何だったんだろう。
そういえば、何処かお店に寄るようなことを言ってたけど、それはいいのか。
まぁ、そんなことより、無事学校が終わり、私はホッとして家に帰った。