第14話「夕方の生徒会室」
もう夕方で、生徒会室に向かう廊下から、夕日が差し込んでいた。
真っ赤に廊下を照らしてる。
私は少し重い足取りで突き進み、生徒会室の扉を開けた。
「か、会長?」
そっと顔を覗き込んで、いるかいないか、確認をした。
すると、窓際に人影があった。
どうやら、カーテンの裏に隠れて、外を見ているようだ。
窓が開いていて、そこから、風が入り、人影があるカーテンが揺れている。
「あの」
風で声が聞こえないのか、私は少し奥まで入り、呼んだ。
でも、人影はピクリとも動こうとしない。
寝ているのだろうか、そんな、まさか。
私はその人影がある所まで少しずつ近づく。
一歩、また、一歩と。
そして、人影があるカーテンの真後ろに来た時、いきなり、私の視界は真っ暗になった。
「きゃっ」
悲鳴と共に、私は、いきなりカーテンの中に引きずれこまれてしまった。
カーテンが絡まって、視界が定まらない。
すると、優しく、カーテンを誰かがほどいてくれた。
「び、びっくりした」
安心し、横を向くと、そこには会長の姿であった。
面白そうに微笑み、私を見ている。
「か、会長」
「ふふふ、麻友って面白いのね。ちょっといたずらしちゃった」
い、いたずらって、もしかしてさっきカーテンの中に引きずり込んだのは、会長か。
「いたずらって、びっくりしましたよ」
「ごめんなさい、ちょっと、どんな反応をするのか見たくなって」
「あまりからかわないでください」
「今度から気をつけるわ。それで、麻友は私に何の用?」
あ、そうだった。
あまりにも会長と話すのが楽しくなって、つい、忘れてしまうところであった。
あのことを聞かなくては。
「あ、あの、その……」
寝言で私が何て言ってたか聞くだけなのに、何だか、恥ずかしい。
「ん?」
「えっと、きょ、今日のことなんですけど」
「今日? あぁ、今日はお疲れ様。引き分けだったけど、あまり怪我する人がいなくてよかったわ。麻友もね」
そういうこと聞いたんじゃないんだけど。
やっぱり、自分で聞くしかないのか。
「そ、そうじゃなくてですね。さっきの、体育倉庫の中のことで……」
どうしよう、顔が熱くなってきた。
たぶん、私の顔は真っ赤になってるだろうな。
「体育倉庫……あぁ、ごめんなさい、麻友が寝ている間に行ってしまって。ちょうど終わりの閉会式が始まったんだけど、起こすのも悪いかなと思って、起こさなかったの。起こした方がよかったかしら」
「それも違います。私が聞きたいのは、ね、寝ている間に言ってた寝言のことなんですけど……」
ついに言ってしまった、恥ずかしい。
「もしかしてそのことを聞きに来たの?」
「はい……」
「うふふ、麻友ったら可愛いのね」
え、可愛い?
寝言で可愛いことを言ってしまったのだろうか。
うぅ、気になる。
「可愛いってそんな。あの、私、寝言で何て言ってたんですか?」
未だに顔が熱い。
「聞きたい?」
「もちろんです」
会長はニコニコと楽しそうに話す。
「それはね……内緒♪」
指を唇に当てて、そう言った。
「そんな……教えてくださいぃ、会長~」
どうしても聞きたい。
だって、もし、寝言で変なこと言ってたかと思うと、すごい気になるのだ。
「そうね、麻友は明日あいてるかしら?」
「明日ですか? はい、休みなので、何も予定は入っていませんよ」
「そう、なら、明日私の家に遊びにいらっしゃい。その時に教えてあげるわ」
会長の家に遊びに。
まぁ、明日暇だし、それに、寝言の件を聞くためだ、迷うことはない。
「喜んで」
「ふふふ、じゃあ、明日学校に集合で。私が迎えにくるわ」
「分かりました。明日絶対に教えてくださいよ」
「ええ」
約束をし、私は、少しの間窓から外の風景を会長と一緒に眺めていた。
帰る生徒がちらほらいて、今日の行事は無事に終了した。
初めて活動報告に書き込みました。
新しくキャラを考えたりしてるので、できたら、活動報告を
見て頂いたら幸いです。