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第11話「行事練習」

行事の説明を聞いて、その翌日。

 今日は金曜日。

 一日、いつも通り勉強して過ごすのかと思ったが、そうではなかった。

 生徒たちが全員外で、行事の予行練習をするのだ。

 本番は、明日。

 急な話だが、私の学校は、勉強に力を入れてるのであまり運動する時間を入れられないらしい。

 なので、今日は一日、予行練習だ。


「それでは、皆さん。練習する時間は今日一日しかありません、できるだけ鍛えて、明日全力で戦ってください。それが我が校の望みです」


 朝礼台の上で、メガホンを使いながら、校長先生は挨拶をした。

 生徒もだが、先生たちも、負けてはいられないと熱くなってるのが分かる。


「では、準備運動を始めます。前に体育係の人が並びますので、その指示に従い、体操を行ってください」


 生徒たちは指示通りに行う。

 私も、クラスの体育係の指示に従った。

 やっぱり、運動するのが久しぶりなためか、今日の私は張り切っていた。

 久しぶりといっても、体育の授業はあるが、他の授業と比べ時間が短いのだ。


「よし! 久しぶりに体をいっぱい動かすぞ」


 こんなにワクワクするのは久しぶり。

 勉強することもいいが、こうして、体を動かすのは健康の源といってもいいであろう。

 力が湧いてきた。

 そして、何とか準備運動が終わり、一息つこうとすると、私の周りにた子たちがざわざわし出した。


「今日は頑張りましょうね」


 後ろからそう言われたので、振り返ってみると、会長がいた。

 恐らく、周りにいた子たちは、会長が近づいてきたので騒いでいたのだろう。

 人気者なのに、私のクラスのところに来てくれるなんて、何だか悪い気がした。

 何というか、他の子より、特別みたいな感じで。


「はい。それより、こんな所にいて大丈夫なんですか? もうすぐで始まりますよ」


 今日の練習は、2年生が高持女子高、1年と3年生が敵役という純光女学院となってる。

 最初、聞いたとき、数のバランスが悪く、2年生がすぐに負けてしまうのではないかと心配していたのだが、大丈夫らしい。

 何か策があるのだろうか。

 私には分からないことばかりであった。


「大丈夫よ。さぁ、始まるわ」


 会長の一言で始まったかのように、パーンと始まりの音が鳴った。

 すると、同時に、1年、3年が2年生に奇襲をかけるかのように、ぶつかっていった。

 わーという騒ぎ声の中、私たちは、動かず立ち止まっている。


「会長、今の立場分かってますよね?」


 きりっと、やる気の目になる。

 私は、部長の尻尾を取るつもりでいた。


「ええ、分かってるわ」


「なら、行きますよ!」


 会長から自分の立場を分かってることを聞いた私は、動き出した。

 と、同時に、会長も動き出す。


「は、速い!?」


 走り出した会長の後を追っていた。

 その後ろ姿はとても美しく、黒い長い髪が、さらさらと舞い上がっていた。

 うっとりと見とれてしまうほどだが、見とれてる暇はない!

 私は全身の力を降り出して、走った。


「くっ……」


 たまに、他の敵から、横から来て尻尾を取られそうになるが、私は避ける。

 そして、ただ、ひたすら会長を追い続けていた。


「はぁはぁ、こ、こんなにも速いだなんて……」


 息が切れかかっていた。

 まだ始まってから数分しか経ってないが、会長に少しでも近づこうと、走っていたので限界のようだ。

 でも、私は負けない!

 絶対に、会長の尻尾を取るんだと、気持ちを燃えさせた。


「麻友、ただひたすら走っても駄目よ! たまに休ませて、相手の油断ができたら、そこを狙い全力で走るの」


 私の方に振り向いて、走りながら、会長はアドバイスを教えてくれた。

 全力で走って教える力があるとは、すごく驚いた。


「な、なるほど……はぁ、はぁ」


 会長のいうとおり、私は走るのを止め、少し休憩した。

 すると、前にいた会長も走るのを止めて、休憩していた。

 今なら、少し距離を縮められるかもしれないと思ったが、体力に限界がきていたので、走るのは無理そうだ。


「て、敵はいないと」


 周りを見渡し、確認した。

 ちょうど、グラウンドの端にいたので、敵らしい人物は見当たらない。

 みんなグラウンドの中央にいるのだ。

 安心をし、息を落ち着かせてると、何か変な気配を感じた。

 

「捕まえたわ!」


 いきなりそう後ろから聞こえたので、敵かと思い、素早く振り返った。

 と、そこにいたのは、夕陽と優芽であり。


「な、何だ、夕陽か」


 あまりびっくりするようなことをしないで欲しいと言いたかったが、今は、言い合ってる力はないので堪えた。

 そして、心の底から安心する。


「ふふ、びっくりしたでしょ。油断をしてるのが悪いのよ」


「もう。ごめんね、麻友」


 夕陽は嬉しそうに微笑み、優芽は謝ってきた。


「ううん、大丈夫だよ。それより、尻尾は?」


 夕陽と優芽は正面を向いているので、後ろに尻尾があるのか確認できない。

 たぶん、大丈夫だろうと思うが、念のため。


「あるに決まってるじゃない。こう見えても私は逃げるより、話し合いで勝つ方法を知ってるのよ」


 話し合いで勝つ方法があるなら、是非、教えてもらいたいところだ。

 でも、それは夕陽限定なのだろう。


「へぇ」


「ふっ、今、教えて欲しいと思ったわね。いいわ、教えてあげましょう」


 人の話を聞いていないな。

 夕陽は一人で勝手に話し始めようとしていた。


「いや、いいから。それより、私、そろそろ行くね」


 二人と話していて、体力が回復してきたので、私は離れようとする。

 まだ完璧に回復したわけではなく、本当はもう少し話していたかったが、会長がたまに、ちらっと見てくるので待たせてるわけにはいかない。

 


「あ、うん。負けないでね、麻友」


「分かってるって」


 優芽に背中を押され、私は、また会長に向けて走り出した。

 同時に、会長も走り出す。


「今度こそ絶対に!」


 体操着の上が汗で肌に張り付き、嫌な感触であるが、今はどうでもいい。

 ただ、会長だけを見つめ、地面を蹴り走る。


(会長の後ろ姿、真っ直ぐと姿勢のいい体勢、走って髪が揺れる一瞬。すごく、綺麗)


 私はこの時、会長がみんなに好かれて憧れる理由を知った。

 会長はとても優しく、どんな人でも真剣に聞いてくれて、最後まで付き合い一緒に頑張ってくれる。

 その良さと容姿がみんなに憧れる理由であった。


「会長!」


 大きな声で今度は私が叫んだ。

 会長は、走りながら、振り向く。


「私、今日、会長と走れてすごい嬉しいです! きっと忘れられない大切な日になります!」


 そう、とても、忘れられない大切な日になる。

 みんなが憧れる会長の良さを、今日、初めて知ったから。


「私もよ! 麻友、明日は頑張りましょうね!」


 クスと微笑み、会長はそう答えてくれた。

 

「はい! では、まだまだ全力でいきますよ!」


「かかってきなさい、私は負けないわ!」


 こうして、私は、休憩を挿みながら会長を追いかけ続けた。

 これも、明日のために、とてもいい練習となり会長にとても感謝した。

 そして、明日筋肉痛にならなければいいと、願ってる私がいる。

 

 





もう少し走ってる姿を書きたかったですが、ちょっと、描写が難しく無理でした。

まだまだ文章力が足りないなと思う日々です。

でも、頑張っていきたいと思います。

次回からは、本番となります。純光女学院の二人も出して、頑張ります!

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