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記念SS・登録者千人記念

YouTube登録者千人記念SSです(`・ω・´)ゞ


千人記念SS




 エゴールとアルとレオ







 深夜の帝剣城。

 子供のアルとレオは騒がしい城内に気づき、目を覚ました。


「なんだろう?」

「珍しいな……」


 若干寝ぼけつつ、明らかに様子が変なため、アルはベッドから出て服を着替えた。

 普段ならこのまま寝ているところだが、どうにも気になったのだ。

 そんなアルにレオも続く。

 二人が部屋を出ると、近衛騎士が忙しそうに走り回っていた。


「いきなり来るなんて聞いてないぞ!?」

「とにかく警備を固めろ!」


 どうやら誰か来たらしい。

 近衛騎士たちが慌てるような誰かが。


「来客みたいだね」

「招いたわけではなさそうだけどな」


 招かれてもいないのに、帝国の中枢ともいえる帝剣城に来られる者はそうはいない。

 よほどの大物ということだ。

 興味が出てきたアルは、レオと共に忙しそうに駆け回っている近衛騎士の目をかいくぐり、城の上層へと向かう。

 深夜なため、そもそも城の警備についている近衛騎士は少ない。

 ただ、そのうち増員されるだろう。

 叩き起こされた近衛騎士たちが加わるからだ。

 見つかれば部屋で寝ていろと言われてしまうため、アルとレオは慎重に進んでいく。

 目的地は城の最上階である玉座の間。

 来客の場合は、まずここに来るはず。

 そんな考えがあっての行動だったが、それは間違っていなかった。

 たしかに来客は玉座の間に向かっていた。

 ただし。

 玉座の間には入っていなかったが。


「どんな人かな?」

「王国か皇国の要人じゃないか? それか」

「それか?」

「SS級冒険者とかだな」

「なかなか聡い子じゃのぉ」


 突然、声が後ろから聞こえてきた。

 アルとレオは目を見開き、後ろを振り向く。

 そこにはドワーフの老人がたっていた。

 ボロボロの服に小汚い杖。とても帝剣城にふさわしい人物には見えなかった。

 ただ、それでも二人は感じ取っていた。

 この老人がただ者ではないということを。

 二人が感じ取ったというよりは、アードラーの血が感じ取ったというべきか。


「怖がらなくてもよい。お主らの父に用があるだけじゃ」


 そう言って老人は二人の頭を軽くなでると、笑みを浮かべながら歩き始めた。

 目指す先は玉座の間。

 本来なら皇帝が待っているため、緊張するはずの場所だが、老人はそういうものとは無縁だった。

 そんな老人にアルは問いかける。


「あなたは……?」

「名乗るほどのものではない。儂が来たせいで、騒がしくしてしまったようじゃな。もう夜も遅い。帰って寝なさい、二人とも」

「気になって眠れません」

「面白い子じゃな。では、まず自分たちから名乗ったらどうじゃ?」

「……アルノルト・レークス・アードラー」

「レオナルト・レークス・アードラーです」

「アルノルトとレオナルトか。双子の皇子がいるとは聞いておったが、思った以上に似ておるのぉ」


 愉快愉快とばかりに老人は笑う。

 そして老人が自分の名を答えようとしたとき。

 近衛騎士が割り込んできた。


「こちらでしたか! 突然いなくなるので、肝を冷やしました! さぁ、こちらへ。陛下がお待ちです!」

「おやおや、タイミングが悪いのぉ。では儂の自己紹介はまた今度じゃな」

「そんな!」

「こういうのはタイミングじゃ。それに気になるなら調べてみるのも一興じゃぞ? ヒントを与えるなら、アルノルト皇子。予想は間違ってはいない、と言っておこうかのぉ」


 そう言って老人は笑いながら玉座の間に向かう。

 後日、アルとレオは老人のことを調べて、答えを得た。

 老人がSS級冒険者。

〝迷子の剣聖〟エゴールだという答えを。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 初見でエゴールをただ者じゃないと感じとるとは、やっぱりアルとレオはすごいですね(リンフィアは気づきませんでしたからね)。 しかしこの時には彼と同じSS級冒険者として縁が出来るとはアルも想…
[一言] 霊亀の時に言ってた、昔会ってたって話か… エゴールはシルバーの正体がアルだと知ったらどんな反応するんだろう
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