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救いのない世界にドロップキック  作者: 星鴉ゆき
第一章 人間の運命は自分の魂の中にある
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番外編その2 戎器の授業

授業と授業の間の準備をする為の時間でさえ

舞雪は寝ようとする。


春の陽気が眠気を誘う。

抗おうとすらしなければ、寝てしまうのは必然だ。


授業が始まる鐘の音がした。


それと同時に担任の斉藤先生が入ってくる。


「起立! 礼!」


「「「よろしくお願いします!」」」


舞雪が寝ている事は誰も気にしない。


斉藤先生も寝てしまった舞雪には声をかけない。無駄だからだ。



よし。この授業では〝戎器創造アルケミーアームズ〟についてだな。

とはいえ、教える事は余り多くはないんだけどな。

個人差が大きすぎるからな、基本的な構造を今日は教えるぞ。


いつも通り電子黒板に項目が表示されていき、それをタッチしながら説明してゆく。


戎器創造アルケミーアームズ〟は〝魂の狼煙(リベリオンソウル)〟をベースに、魂に刻まれている欲望、トラウマ、希望、怒り、渇望

魂の奥にあるその人の本質が心象化して戎器になる。


「先生はどんな武器なんですかー?」


ん? 先生はバットだな。銘は〝ワイルドピッチ〟だ。


うん。今笑った大村と田中は後で職員室に来なさい。


初めて具現化する時に戎器の強烈なイメージが見えるんだが

そのイメージから自分で名前を付ける場合と

戎器(魂)から語りかけてくるというか

自然と名前が脳内に浮かぶ場合と二つある。


先生の場合は語りかけだったな。


名前を付ける場合は支配力が強くなるらしい。

扱いやすくなる分強力になるみたいだが

周りにいないから本当かどうかは分からん。


でも名付けの場合、注意点があって

世界の認識(ワールドヴィジョン)〟ってのが大きく影響するんだ。


例えば、自分が子供の時からずっと〝フレイムソード〟を氷の剣だと思っていても

世界の認識(ワールドヴィジョン)〟が炎の剣なら炎の剣と認識されて、はじかれる。


名付けが失敗するんだ。


後、これは中々酷な話なんだが

自分の存在の力とつり合いが取れる武器じゃないと名付ける事はできない。


これも例えだが、ゲームの中で最強(ラグナロク)の武器の名前を付けようと思っても

自分が最強武器とつり合わないなら名前は付けられない。


分不相応って事だな。


ゲームのレベル制限と思えばいい。


レベル50から装備できる武器はそれより下のレベルでは装備できないって感じだ。


最強とか、火といえばこの武器、水といえばこの武器が強いとか、世界が共通して認識している物以外は大丈夫だけどな。

ま、名付けなんてまず起こらないから、心配しなくてもいいぞ。


次に〝戎器創造アルケミーアームズ〟の能力についてだな。

戎器はそれぞれ固有能力を持っている。


自然治癒能力が上がったり、活人剣と呼べるような能力だったり、属性能力、色々だな。

大した事のない物から中々凄いのまで広くだ。


〝フレイムソード〟って名前だったら火の属性持っていると思うよな?


そうだ持ってる。それが固有能力だな。


ここまでをまとめるぞ。


〝ツインブレイド〟って名前の戎器が顕現したとしよう。


その持ち主は二面性があり、裏と表の差が激しい。

裏では悪い事を、表では人を助ける事を。


属性はそれに引っ張られ、火と水の属性持ちだったりするかもしれない。


二面性が魂の本質として出て、そして相反する行い

それが属性に現れている。


こんな風に戎器にその人の本質が露骨に出ていたりする事も多いから

もし相手の戎器を分析できるようなら、分析してみるといい。


そんな余裕のある機会は現れないけどな。

何故、そんな機会が現れないかと言うと。


ん、もうこんな時間か

その理由を説明して、今日は終わるぞ。


実はこれが一番重要な話だ!


戎器が顕現しても、その種類はなるべく人には言うな。近しい人でもな。

先生は戦闘職ではないからそんなに問題ないが

お前らは今後どんな進路に着くかわからん。


クラスメイトだった奴が敵になる可能性もゼロではない。

いや、むしろ同じような道に進むなら限りなく高いはずだ。


その時に戎器の種類を知られているかどうかは死活問題にもなりかねないからな

戦闘職志望の奴は特に気をつけるように。


だから学校の模擬戦などは模造武具フェイクアームズを使うからな

心配しなくていいぞ。


先生が戦人の力を活用する職種の友人に聞いた話では

戎器をめったに見せないというのと


戎器を出したら、目撃者には口外しないように頼んだり


口外できないように……えーと……んーと



よし。ちょうどいい時間だな


質問なんかはあるか? 


ないな。ないな!


今回の授業で何か分からない事があったら休み時間にでも気軽に質問しに来い。


それじゃこれで授業を終わる。


「起立! 礼!」


「「「ありがとうございました!!」」」


斉藤先生は最後の話を蒸し返されないようにチャイムが鳴る前に

フライング気味に教室を出ていった。

斉藤先生は資料を元に授業を行っています

個人的主観も入っています

なので、真実と違う場合もありますがご了承ください


斉藤先生が言いたい事を言ってくれたかどうかは分かりませんが

作者が言いたかったのは実は短くて


戎器の名前の意味や由来などからその人物の特性などを

予想する楽しみがあるかもしれないし、ないかもしれないですよって事です

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