番外編その1 戦人の授業
斉藤先生は資料を元に授業を行っています
個人的主観も入っています
なので、真実と違う場合もありますがご了承ください
訳:今後追加設定とか出てきても世界的にはそれが正しいんだから矛盾しててもつっこまないでよね!!
お昼休みが終わり
お腹も膨れ、満たされた心を
春の陽気と心地のいい風が誘惑をする。
舞雪の首が誘惑と戦い細かく揺れてたその時
授業が始まる鐘の音がした。
それと同時に担任の斉藤先生が入ってくる。
先程まで寝ていた生徒もしっかり起きていて先生を向かえた。
「起立! 礼!」
「「「よろしくお願いします!」」」
多少頭のバラつきはあったが、生徒達が挨拶をする。
さて、早い奴はもう進学先が決まってるかもしれんが
ほとんどの奴はこれからだよな?
今日は戦人特別育成学科がある学校に進学を考えてる奴の為に復習するぞ。
他の奴もテストには出るからちゃんと聞いてろよ!
「「「 あーい 」」」
英守ぃー! 起きろ! お前は特に聞いた方がいいんじゃないか?
「ふぁぁい」
よし。あくびをしながら返事とは相変わらずいい度胸だ。
んじゃ早速始めるぞ。
斉藤先生が電子黒板にどんどん項目を表示させ
復習がてら、順に説明し始めた。
人には〝魂の狼煙〟というものがある。
魂の力、生命の力って感じだな。
時代が時代、場所が場所なら、気や法力、超能力、魔導力などと呼ばれていた事もある。
これが一定値を越えると、戦人候補とされ戦人特別育成学科に入学する事になる。
強制ではないけどな。入った方がいいとは思うぞ?
有名な所だと大和高校だな。あそこは1学年2クラスだが
学科がない高校もあるし、ある高校も大体1クラスだ。
昔はないのが普通だったからあるだけマシなんだけどな。
でだ、力の使い方次第では一般人よりは強力な力を持つから
まだまだ世間からは畏怖の目で見られる事が多いよな。
大体は学生の時に大きく成長する事が多いから暴走しないようにだったり
間違った道に進まないように、学生の時に力の使い方や進路を決めてあげるのが大人の役割だ。
強い力ってのは魅力的だからな。
それに魅入られるとすぐに暴力に魅入られる。
後は落ちる一方だ。そのせいもあって戦人の印象はまだまだ悪いままだな。
さて
〝戦人〟というのは〝魂の狼煙〟を制御し、〝戎器創造〟まで到達した人間達の事を言う。
戦人>>>>戦人候補>>一般人といった感じで能力に差が出る。
ケンカが強い奴とか殺人鬼、格闘家、装備によってとか細かい事ははぶくぞ。
お前らが好きなゲームのデータ風に表示するならこうだ。
黒板をゲームのステータス画面のようなものに切り替える。
通常時 攻撃力【小】防御力【小】
戦人待機状態 攻撃力【中】防御力【中】自然治癒【小】
戦人化 攻撃力【大】防御力【大】自然治癒【中】スタミナ消費【中】
これはゲームでいう追加スキルと捉えてくれ。
通常時ってのは気を抜いている時と考えていい。
スキル上昇地もさほど大きくは無い。ほぼ一般人と変わらないな。
戦人待機状態は戦闘モード、いわゆる緊張状態とでも言えばいいか。
アドレナリンが大量に出るような事態に陥った時だ。
戦人化は〝戎器創造〟をした状態。
この二つは闘気を纏っている事もあって飛躍的に能力が上がっている。
もちろん個人差もあるし、この表示じゃ表せない差もあるけどな。
ただ練度にもよるが、寝ている時や意識が朦朧している時はほぼ一般人と変わらないから
状況判断能力、危機管理能力、危険察知能力の鍛錬は必須だ。
鍛錬すればする程伸ばす事ができるし、先生は超重要な能力だと思っている。
覚えとけ。
でも常に気を張っているのも考え物なんだけどな。
さっきも言ったが、一般人には畏怖の対象で見られる事が多い。
だから戦人と主張するように周囲に殺気を撒き散らしていると人が寄り付かなくなるし
悪意を呼び込みやすい。気をつけるように。
そんな〝戦人〟の中でも別格の力を持つ者を〝漆戦神〟と呼んでいる。
七人なのは約五百年前
世界を恐怖に陥れた悪神を七人の戦人が中心になり倒したという昔話を元にしている。
目撃情報の少なさや、公式的な公表もされている訳ではないから都市伝説のようなものだが……。
現在そうだと言われている七人は
〝災厄の顕現〟
〝強慾罪〟
〝神域〟
〝英雄回帰〟
〝狂乱凶人〟
〝気狂いピエロ〟
〝黒翼の月鬼〟
の七人だな。
名前はもちろん、年齢、性別は不明だ。
裏世界の人間なら多少は知っている事もあるだろうが
進んで虎の尾を踏むバカはいないって事だろう。
表には全く情報は回ってこない。タブーのような扱いだ。
マスコミも手を出さない。
面白がって記事にしようとする奴もいない。
本当に消されるみたいだぞ。怖いな。
よし。ちょうどいい時間だな。
質問なんかはあるか?
ないな。
次回は〝戎器創造〟についてだ。
今回の授業で何か分からない事があったら休み時間にでも気軽に質問しに来い。
それじゃこれで授業を終わる。
「起立! 礼!」
「「「ありがとうございました!!」」」
初めは眠そうにしていた舞雪も真剣に話を聞いてたようで
斉藤先生はそれを見ると満足気に教室を出て行った。