(く)苦
く、苦しい~! 助けて~!
ちょっとそこのあなた、逃げないで。苦しんでる人を見て見ぬふりをするなんて駄目ですよ!
ということでテーマは「苦」です。
ああ、また重くなりそうなテーマですね。しかし、楽ばかりが人生じゃないということで、苦しいことも小説のネタを考えるうえで大切です。
苦しいこと、ネット小説でいう鬱展開は、なろうではあまり受けがよくないらしいのですが、私個人としては、鬱展開どんとこい! ハードなものでも割と平気な感じです。
というか、泣きたい人なので、悲しい展開があったほうがいいくらい。
でも、これもやはり限度というか、ラストをどう持ってくるかで好みはわかれますね。
私は基本的にハッピーエンドが好きです。
ラストがハッピーエンドならば、それまでどれほど辛い展開が続いていたとしても一気に救われます。
逆に途中がすごく楽しいばかりのお話でも、ラストがバッドエンドだと、かなりモヤモヤしてしまいます。
しかし、一見バッドエンドに思えるラストでも、そこにある種の美学みたいなものが感じられるものであれば、いい作品だと思います。
私は「フランダースの犬」が本当に大好きで、あれ以上泣ける作品は後にも先にもないと思っているのですが、あのラストはとても悲しいけれど、美しいですよね。
どんなに苦しくても辛くても、ひたむきに生きるネロとパトラッシュ。
……泣けます。
あと、「火垂るの墓」。
戦争の辛さ、苦しさのなかで生きた二人の兄妹。
苦しさのなかで、ささやかな希望としてのホタルの光が幻想的で、一瞬の命の尊さを思わされます。
……泣けますね。
「生きることはまことに苦しく辛い。……世を呪い人を呪い、それでも生きたい」
またもののけ姫に出てくる台詞を引用しますが、この台詞がすごく胸にグサッとくるんですよね。
生きる、のテーマにも重なる内容となりますが、苦しいことも含めて生きるということなのかなと思いました。