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夢は夢のままで    作者: 森小屋の持ち主
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前編

読んでくださりありがとうございます

彼は、私の護衛騎士

そして私は一国の王女


そんな身分差など忘れ、私達は恋に落ちた



侍女が物を取りに場を離れた僅かな時間

それが私たちの、大事な時間

「マリー…」

私の名を呼ぶ彼はいつもの凛々しい彼ではなく、どこか甘く優しい一人の彼だった

この時間がずっとずっと続けばいいのに

幾度そう思ったことか

「ハルカ…」

そして彼の名を呼ぶ私の声もいつもの私の声ではなかった


恋とはここまで人をかえてしまうものなのか

今まで己を抑え公務に励むことばかりを教えられてきた

だから己を抑えることなど前の私には容易いことだったのに今ではそれができない

一度彼の手をとれば顔は火照り、名を呼べば自分の声ではないような声がでる





私は完全に恋に落ちていた





そして16になる誕生日を祝うパーティーで私の婚約が発表されることが決まった、と、私は侍女から聞いた


そもそもが私は婚約などちっとも聞いてないのだけれど

一体どこの、誰と婚約させられるのか

どこの誰でもいいけど、きっとそれは愛のない冷めた婚約、そして結婚となろう

前の私みたいに大人しく己を抑えて生きていく少女ならば素直にそれを受け入れられるかもしれない

けど私には無理


だったら…





駆け落ち、それを決めたのは婚約の話を聞いてすぐのことだった


物語で読んだことがある、駆け落ち


好きな人と結ばれることのできる、駆け落ち



例え婚約者がいなかったとしても身分が違いすぎて彼と結ばれることなどないだろう


…だったら



…だったら私は国、そして家族さえも捨てたってかまわない!





ハルカに婚約のことを話したら驚きそして悲しみ決意を顔に表した



『駆け落ちしよう』


それはどちらが先に言ったのでも無かった

提案か、決断か 

それすら言うまでもなかった





そして、パーティー前日の夜


私とハルカは手を取りあい、闇へと消えた




計画も、何もないけど、愛があるなら

それだけを胸に不安を掻き消しただひたすらに足を動かしハルカと見つめ合った


「マリー…」

「ハルカ…」






そしてたどりついたのは国境にある、小さな農村近くの原っぱだった


日が沈みすぐに王城を出たはずなのに昼がきて、夜がきても走りつづけた私たちはつかれ、その農村の近くの原っぱで倒れ眠り込んでしまった







そして目が覚め私達は農村近くの山に隠れ住む事になった

ぼどよい山小屋があったのだ

恐らくしばらくは使われてなかったであろう山小屋を改修し、住めるようにし、私達は愛の住処を手に入れた


夢が叶ったのだ、あれほど欲しかった至福の二人霧の時間

愛しい人と結ばれる夢


ありがとうございました

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