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ラグナロク  作者: MIKON
過酷な現実
12/16

司令室

「こ、ここは?」

「あっ、ここは集会所よ」

「しゅ、集会所?」

「ええ。まあ、簡単に言えば、仲間と喋り合いする場所のことね」

「へえ~」

 こんなところにそんな場所があったなんて。

「ていうか、何でそんな事をしているんですか?」

 春ちゃんは灰香さんに質問した。

 言われてみれば、確かに、何でここが居酒屋だとか、ここが安全だとか知っているんだろう……。

「ああ、そのことね………まあ、これもね、逃げ回ってる最中に知ったことなんだけど……あっ」

「どうしました?」

「実際に見た方が速いわよね」

「えっ? で、でも追われているんだから危ないんじゃあないですか?」

 私がそう言うと、灰香さんは「大丈夫、正面からは危ないけど、とっておきの裏口があるから!」と少し楽しげな顔をして言った。

「「とっておきの裏口?」」

 私と春ちゃんが揃って首を傾げると「着いてからのお楽しみ!」とさらに奥へ進んだ。

 そして何分か経った後、行き止まりに着いた。

 だが上を見上げると謎のドアがあることに気付いた。

 私の背でもギリギリ届きそうな高さだ……。

 これが……とっておきの裏口なのかな?

「さて、この上がとっておきの裏口よ!」

「あ、あの……とっておきって?」

「まあ、開いてみれば分かるわ」

 灰香さんに言われて私は少しジャンプしてドアを開けて、登ってみると、そこは使われなくなった部屋みたいだった。

 あちこちにほこりとか紙が散乱してる……うわっクモの巣まで……。

 灰香さんは見たほうが速いって言ってたけど……ここにそんな情報とか無さそう……。

 そんなことを考えていると、灰香さんと春ちゃんが上がって来た。

「あっ、灰香さん……ここにそんな情報無さそうですけど……」

 私が不安げに聞くと、灰香さんは「大丈夫」と言ってスカートのゴミを払った。

「だ、大丈夫と言われましても、ちょっと不安です……」

 私がそう言うと、灰香さんは「本当に大丈夫だから、ついてきて」と言って暗闇に向かっていった。

 私は半信半疑のまま、灰香さんに付いていった。

 そして、周りが完全に暗くなるまで進むと、灰香さんは「少し待ってて」と言って離れていったのが足音で分かった。

 そして数分もしないうちに辺りが明るくなっていった。

 多分、灰香さんが明かりをつけるスイッチを押したんだろう。

 そしてまた数分もしないうちに灰香さんが戻ってきた。

「ただいま」

「よ、よくこの暗闇の中で分かりましたね、スイッチの場所」

「ああ……前にここに来た時に覚えたから………さて、行きましょう」

「は、はい……」

 やっぱり、何か不安だな~~。


       ★


「………奴らのとの交渉はどうだ」


「はい……好感触です」


「そうか……まあ、やつらもこっちの資材が無ければ厳しいんだから、必ず今回も乗ってくるだろう……で、灰香とかいうガキは見つかったのか?」


「いえ……まだ見つかってはいません」


「ちっ……もしもそいつがばらしたら、やばい事態に…」


「どうしました?」


「……くくくっいい案が浮かんだよ」


       ☆

「……ここよ」

 灰香さんはそう言って目の前にある扉を開けた。

 中は暗くて何も見えなかったが、段々明るくなってきた。

 そして、結構明るくなると、私たちは驚いた。

 何故なら、この部屋はまるでどこかの作戦室みたいな感じだったのだから。

「は、灰香さん……ここが?」

「ええ、そうよ。ここにあの地下のことについていろいろ書かれてたのよ……例えば、この机とかね」

 そう灰香さんは目の前のほこりだらけで横長の机を指して言った。

「まあ、誰かにばれない様にほこりを被せたんだけどね……」

 灰香さんが机のほこりをはらうと、一つの地図みたいなものが出てきた。

「こ、これは?」

「地下の地図よ。ほらここ」

 灰香さんが指した場所には確かに集合所と書かれていた。

 何だ、灰香さんが言ってたことは本当だったんだ……。

「他にも、図書室とか食料庫とかいろいろあるわよ」

「な、何かすみません……疑ったりして……」

 私が謝ると、灰香さんは笑顔で「いいのよ、別にそんなこと。いきなり現れてこんなこと話されて信用しろと言うほうが無理なんだから」と言った。

「あ、ありがとうございます……あっ、そういえば灰香さん」

「何?」

「何か忘れているような気がするんですけど……灰香さん、心当たりとか、ありますか?」

「え? 忘れているような気が?」

 私ははいと頷いた後、灰香さんは少し驚いたようだった。

「じ、実は私もボロちゃんと同じことを思ってたの」

「えっ!? は、灰香さんも?」

「ええ……」

「実は私も……」

 そう言ってきたのは春ちゃんだった。

「は、春ちゃんも!? い、一体ど、どういうことだろう?」

「そんなこと私に言われてもね……」

 春ちゃんはお手上げのポーズをした後、一人の声が聞こえた。

「おい、それ僕だろ」

「「「!?」」」

 私を含めた三人はその声の方向に振り向くと、その声の持ち主はノリ君だった。

「あっ、ノリ君!!」

「全く、皆して僕のこと忘れすぎだよ」

 ノリ君がため息を漏らしてひとつの地図をポケットから取り出した。

「そ、それは?」

「ここの地図だよ……ほらっ」

 ノリ君は横長の机にその地図を広げた。

「ほらっここに現在地って書いてあるだろ?」

 ノリ君が指差した場所は司令室と書かれていて確かにここの雰囲気に当てはまってる!

「すごーい! ノリ君凄い活躍だね!」

 私が褒めると、ノリ君は少し赤くなりながらも「そ、そんなことないよ」と言ったが、まったく説得力はなかった。

「ああ! ノリ君、赤くなってるわよ!」

「そ、そんなことないって!」

 やっぱり、全く説得力ないな~……ふふ。

 こんな時間が永遠に続けばいいのにと私は思ったけど、そんなのはただの希望論だと知らし召されるのは案外早いことになるとは私は夢にも思わなかった。




友人から言われて1日おきに投稿することにしました!

その間に次の話を書かないと・・・

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