「世界の闇」
「はあーあ、つまんねぇ。」
学校の屋上に、辞典、小説、マンガ、あらゆる本が積み上げられた、真ん中で寝る、青年一人。
彼の名は、魔次場 法科(ますば ほうか)。
ニックネーム、まほう
それを付けたのはこの人。
「おーい、まほう!またここにいんのかよ。」
「桜か。」
「よっとっと、こんだけ積むくらいよく読めるよな。」
桜は1冊手に取って開いてみた。
この男の名前は、光 桜(ひかり さくら)
「なぁ桜、知ってるか?この世界とは別の世界、あるんだってよ。」
「どんな世界なんだ?」
「魔法が世界中にあってさ、皆が笑顔の世界。」
手を太陽に翳して、
「皆が笑顔なんだぜ、こんな世界とは全然真逆。」
「そんな世界あったらいいねぇ。」
すると、空が一瞬キラッと光った。
「ん?桜。」
「なんだ?」
法科は落ちてくるものを指差した。
「あれ、なんだと思う?」
「あぁー、知らね。」
「俺さ、見たことある。あれさ、魔方陣なんだって。」
「へぇー、どんな?」
「あのー、召喚するための。」
「へぇー、え?それが?今どこにおちてきてるって?」
法科は屋上を指差し。
「こーこ。」
と、言いながら、ニコッと笑った。
「それ、やばくね?」
「うん、そーだね。」
途端に、魔方陣は、法科と桜を覆った。
とある森
「うわあぁぁぁぁぁ…あっ!」
バタン!と空から落ちてきた、誰か。
言わずもがなそれは法科だった。
生きているか心配になる程の高さからの落下だったが、
「いてぇ、痛すぎる。」
法科は生きていた。