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4.未知との遭遇



やあやあ、読者諸君。

元気してたか?

俺はとっても元気だぞ!


無理だ、疲れた。


ガラクタの雪崩にビビりながら廊下を片付け、舞い散るホコリに喉を潰されながらも、俺はやり切った。

あの廊下にあったものは全てどけて、通行可能な状態にすることに成功したのだ。


どけたガラクタは無駄に広い庭に積み上げてある。

こいつらをどう捨てるのか。

そのことを考えるととても頭が痛い。


廊下のガラクタを全て退けるのに3日、掃除に1日。


一般に男子大学生は掃除が出来ないという偏見があるようだが、ノンノンノン、そんなの古い。

俺は掃除のいろはを母さんから徹底的に叩き込まれている。

俺に拒否権は無かった。

この世の全てに噛み付き、逆らっていた、あのころ。俺は自室の掃除などという矮小な問題は歯牙に掛けなかった。

そして、業を煮やした母さんに、小遣い半年分没収されかけた。

今となっては良き思い出だ。


この4日間、朝起きて大学で授業を受け、古道具屋に直行し、掃除して、帰って寝る。

そんな日々が続いた。


ここで、傍観者たち(どくしゃのみんな)に古道具屋の間取りを紹介しよう。


まっすぐの廊下に、

右側は手前から順に、トイレ、書斎、謎の文様付きドアの部屋

左側は手前から順に、寝室(?)、階段

がある。


意外にも、ガラクタが積み上がっていたのは、店頭や、物置と化していたキッチン・廊下のみ。

店頭と廊下以外はけっこうキレイだった。


いずれも乱雑ではあれ、ああこの人は片付けが苦手なんだな、で済むレベルである。


2階は十畳ほどの大部屋が一つあったが、全く使われていなかった。


さて、問題の謎の文様付きドアである。


この文様、どう頑張っても落ちなかった。

洗剤、除光液、果てはスーパーにあったよく分からん染料落とし。


男子学生の無い知恵振り絞って色々試したが、全く効かない。

これだけ雑巾で擦っていれば少しくらい薄くなっても良いものを、未だ鮮明に黒いままである。

こちらを嘲笑っているのではなかろうか。



そしてこの部屋、確認がまだなのだ。


ダッテ、怖いジャン!

怪しげな魔術の道具とか拷問器具とか出てきたらどうしてくれるのだ。


しかし、現実逃避もそろそろ限界だ。

そう、俺は今日このために来た。

今日こそこの部屋のドアを開けて部屋をピッカピカにするのだ。


俺は意を決してドアを開ける。


すると、()()()()()()()


「うわぁぁああ」「にぃゃやぁぁあ」

〈バタン〉

一人と1匹の悲鳴。

ドアが閉じられた音。


俺はきっと疲れてるんだ。

連日の掃除、掃除、掃除。

幻覚でも見たに違いない。

そう、そうだ。大丈夫。もう一度ドアを開けたら、そこには何の変哲もない部屋が広がっているに違いない。

さぁ、ドアを開けて…ん?

〈バタン〉

閉じた。


おかしい。

さっきの幻覚がまだ続いているようだ。


立っている猫と、その後ろに上下左右が土壁のトンネルが見える。


もう一度、もう一度開けてみよう。

三度目の正直だ。今度こそきっと普通の部屋があるに違いない。


さあ、開けて…。



あ、違った。三度目の正直じゃない。

二度あることは三度ある、の方だった。



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