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「覚悟あるって言ったな。」


コンビニの灯りのもと、悠が話す。

湊は即答する。


「あるで。」


「揺れない自信あるか。」


夜風が抜ける。

湊は目を逸らさない。


「揺れへん。」


「今だけじゃなくてか。」


「ずっとや。」


悠は一瞬だけ目を細める。


「年齢差は消えない。」


「ん。」


「今はお前が押してる側だ。」


「せやな。」


「そのうち、押される側になるかもしれない。」


一瞬だけ沈黙。

湊は視線を逸らさない。


「そのときも。横に立つって言ったやろ。」


俺は少しだけ目を細める。


「待てるか。」


「待てる。」


即答じゃない。

考えて、決めて、答える。


「急がせないか。」


「急がせへん。」


「選ばせられるか。」


少しの間。

ここが核心だ。


湊は小さく笑う。


「選んでもらう。」


押しつけない。

でも退かない。


「俺が決めるんちゃう。」


当たり前だ。

でも言葉にするのは重い。

俺はわずかにうなずく。


「遥花は、自分で決めたい人間だ。」


「知ってる。」


「それを奪うな。」


「奪わへん。」


静かだ。

脅しも、許可もない。


ただ確認。

俺は最後に言う。


「線を踏み越えるな。」


湊は答える。


「越えへん。

でも、消す努力はする。」


俺はわずかに笑う。


夜風が抜ける。

俺は空を見上げる。


決めるのは遥花だ。

俺じゃない。

俺はただ、内側にいるだけだ。


「覚悟、軽くするなよ。」


湊はうなずく。


「重いな。」


「軽い恋する気ないんで。」


同じ言葉。

でも今回は、確認じゃない。

決定だ。


「決めるのは遥花だ。」


「わかってる。」


湊はまっすぐ答える。


「俺はただ、そこに立つだけや。」


それで十分だった。





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