表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/150

64





1人きりのリビングは静かだ。

テレビはついているのに、音が入ってこない。


《今から始まるよー》


その一文で止まっているトーク画面。


グラスの氷が溶ける。


時間だけが進む。


直哉も来るだろうか。


わかっている。


信じている。


でも。


あの時の同級生の


「若いね」


会社で聞いた


“こっちは今なんだよね”


頭の中で繰り返される。


スマホを手に取る。


迷う。


迷ってから、打つ。


《何時ごろ終わりそうですか?》


送信。


既読はつかない。


五分。


十分。


二十分。


“話してるだけだろ”


そう言い聞かせる。


でも想像は止まらない。


隣に座る距離。


肩が触れる距離。


乾杯で近づく顔。


もう一度打つ。


《迎え行きます。》


既読つかない。


喉が乾く。


電話。


コール音すら鳴らない。


電源が入っていないか——


そこで胸が強く鳴る。


何かあったわけじゃない。


充電だ。


たぶん。


でも。


“今なんだよね”


その言葉が刺さる。


もし。


今この瞬間、


遥花が“安定”を見せられたら。


自分は。


並べているのか。


立ち上がる。


玄関まで行く。


戻る。


またスマホを見る。


既読つかない。


時間だけが過ぎる。


理性が少しずつ削れる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ