表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
156/185

152




「四年前より好きです」


言ったのは自分だ。


言った瞬間、余裕を失ったのも自分だった。


遥花が笑う。


「湊、余裕ないの?」


ない。


本当にない。


「……あります」


反射で否定したけど、たぶん声が低い。


膝の上に乗せたのはいい判断だった。


距離が近い。

体温が近い。

息が混ざる。


完璧。


の、はずだった。


「……せま」


ソファが悪い。


「何その顔」


「動きづらいです」


本気で言ってるのに遥花が笑う。


「ソファに怒ってる?」


「怒ってません」


でも正直、邪魔。


せっかく記念日で理性を少し緩めたのに、

物理的制限が多すぎる。


唇が触れる。


離れない。


「…っ」


ソファが小さく軋む。


「ほら」


「…なにが」


「環境が悪い」


遥花が吹き出す。


その隙に距離を詰める。


狭い。

だから密着が強い。


悪くない。


むしろ、近すぎるくらい近い。


「……遥花さん」


声が少し掠れる。


「はい?」


「今、可愛いって思いましたよね」


「思ったけど」


「更新されます」


「なにが」


「欲が」


自分で言っておいて、呆れる。


四年経って何言ってるんだ。


でも本音。


抱き寄せる。


腰に腕を回す。


狭いせいで、逃げ場がない。


「動かないでください」


「命令?」


「違います」


一瞬考えて、


「……お願いです」


遥花の呼吸が少し乱れる。


それを感じた瞬間、さらに理性が削れる。


ソファが軋む。


「……くそ」


小さく漏れる。


「え、何今」


「ソファが」


遥花が笑う。


「ベッド行く?」


その一言で、完全に止まる。


行きたい。


でも。


「……まだ」


意地。


「攻略します」


引けない。


四年目の記念日だ。


唇を重ねる。


今度は少し長い。


息が荒れる。


狭いから、密着が増す。


体温が上がる。


「四年前より」


額を押し付ける。


「好きなんですよ」


「うん」


呼吸が近い。


腕に力が入る。


ソファが小さく揺れる。


「……やっぱ狭い」


「もー」


遥花が笑う。


その笑い声に、完全に負ける。


「……ベッド行きます」


観念。


抱き上げる。


少し勢いが強い。


でも絶対落とさない。


「続きはあっちで更新します」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ