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隣で寝てる湊の寝顔を見ながら、考える。


「ちゃんとしたい」って言ってた。


でも。


それって本当に、


形式の話なんだろうか。


思い出す。


これまでのこと。


言葉にして、

行動にして、

ちゃんと積み重ねてきた人。


曖昧にしない人。


逃げない人。


小さく息を吐く。


ああ、そうか。


“ちゃんとしたい”んじゃなくて、


“ちゃんと届けたい”んだ。


自分の気持ちを。


覚悟を。


未来を。


見える形で。


残したいだけなんだ。


「……ずるいな」


ぽつりと呟く。


そんなの、分かってしまったら。


無視なんて、できない。





キッチンに立つ湊の背中。


「おはようございます」


いつも通りの声。


いつも通りの距離。


「……湊」


「はい?」


振り返る。


少しだけ、迷ってから。


「式」


その一言で、湊の動きが止まる。


「全部ちゃんとは無理かもしれないけど」


続ける。


「一緒に考えよう」


ほんの少し、目が見開かれる。


「……いいんですか?」


「うん」


小さく笑う。


「どうせやるなら、ちゃんとやろっか」


その言葉に。


一瞬、言葉を失ったみたいに黙って。


それから、


「……はい」


いつもより、少しだけ柔らかい声で返ってくる。


その顔を見て、思う。


ああ。


この人はきっと、


ずっとこうやって、


“ちゃんと”を積み重ねていくんだろうなって。


その隣に、


自分もいるんだろう。




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