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カーテンの隙間から入る光で、ゆっくり目が覚める。


「……ん」


身体、重い。

なんで…

一気に、顔が熱くなる。


「……っ」


無理。思い出した。


無理。


隣、気配ある。


いる。


いるの、わかってる。


見れない。


「起きてます?」


すぐ近くから声。


落ち着いてる。


普通に。


返事できない。


「遥花さん」


少しだけ近づく気配。


さらに布団引っ張る。


「顔、隠さないでください」


少しだけ笑ってる声。


「……無理」


こもった声。


「なんでですか」


「無理だから」


くす、って小さく笑う。


「昨日のことですか」


「……言うな」


「事実じゃないですか」


開き直り。


「……っ」


余計に顔出せない。


「大丈夫ですか」


トーンが変わる。

少しだけ低くて、ちゃんとした声。


そっと布団越しに触れてくる。


「身体、しんどくないですか」


少しだけ、布団から顔出す。


「…ちょっと」


「……すみません」


「……でも」


「あんなことされたら、無理でしょ」


完全にこっちのせいにしてくる。


「……ひど」


「いや、ほんとに」


少しだけ近づく。


「可愛すぎました」


また顔隠す。


「……だから」


「ああなるのは、仕方ないです」


反省半分、開き直り半分。


そっと髪に触れる。


「……でも」


声がやわらぐ。


「無理させるつもりはなかったです」


指先、優しい。


「……ごめん」


ちゃんと、こっちは本音。


少しだけ顔出す。


「……別に、いいけど」


「……嫌じゃなかったし」


ぼそっと言うと、


一瞬、止まる。


それから、少しだけ目細める。


「……それ聞くと」


「また調子乗りそうなんですけど」


「……乗るな」


「無理ですね」


小さく笑う気配。


そのまま、少しだけ距離縮まる。


今度はゆっくり。


「ほんとに、動けないですか」


「……うん」


「じゃあ」


少しだけ考える間。


「今日は、俺が全部やります」


「……なにを」


「いろいろです」


曖昧に言って、


そのまま、手を軽く握る。


さっきまでとは違う、落ち着いた空気。


「……昨日、可愛かったです」


「言うなって」


「無理です」


そのやりとりに、少しだけ笑ってしまう。


朝の光の中で、


昨日の続きみたいな空気が、まだ少し残ってる。




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