表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

嘆きの通話、第四期

深夜2:00。カフェ「月影」のカウンターで、ツバキはスマホをいじる。黒髪ショート、鋭い目が青白い光に照らされる。机に親友の写真と、桜型のキーホルダー。「はぁ…通話かよ。スニーカー汚れた、最悪。」抹茶ラテを混ぜ、「うわ、泡崩れた! 映えねえ!」と嘆く17歳の素顔。ネオンのピンクが頬を染める。ガタン。マフィンの皿が揺れる。振り返るが、誰もいない。鏡に映る自分の顔。背後で影が揺れる。「…またか。」親友の笑顔が脳裏に浮かぶ。スマホが震え、通知音。「嘆きの通話」。ツバキの目が凍る。「はい。」声は静かで冷たい。

依頼者はアヤメ、17歳。画面越しの目は震える。「…名前を。」「田中ユリ、18歳。」声が掠れる。「理由。」「バンド…アイツの匿名アカで、壊された。」アヤメのバンドはユリのSNS中傷で解散。メンバーが去り、孤立。アヤメはギターのピックを握る。擦り切れた樹脂に祖母の字。「アヤメの歌、素敵」。アヤメの傷:父のDVで家を出て、祖母のアパートで暮らす。音楽が唯一の救いだった。「代償は。地獄か、崩壊か。」「地獄…アイツを。」アヤメの声は固い。「お前も選べ。」「…地獄。」通話が切れる。ツバキのスマホに通知。「地獄は続く。」鏡に揺れる影。

翌朝、ツバキはユリのSNSを解析。表アカはキラキラ。「ライブ最高!」フォロワー4万。匿名アカ「black_yuri」でアヤメを攻撃。「バンド下手すぎ。解散しろ。」アヤメの学校。彼女は孤立。デモ音源をSNSに上げたが、「ゴミ」と叩かれ、止まる。アヤメの傷:祖母が病床、音楽は絆だった。コウ、17歳。アヤメの元バンド仲間。ギターケースにステッカー。コウの傷:母子家庭で母の過労、音楽で夢を追ったが挫折。「アヤメの歌、めっちゃ響く!」と励ます。ユリに抗議するが、取り巻きに笑われる。「負け犬じゃん。」コウの拳が震える。

カフェにミナ、20歳。ロングスカート、疲れた目。元依頼者で、過去に「通話」で復讐。「ツバキ、通話は魂を削る。」ツバキが睨む。「依頼を裁く。それだけ。」ミナが笑う。「地獄、冷たいよな?」ミナの傷:バンドを裏切った者を裁いたが、情熱は戻らず、空虚。通知。「お前も地獄を呼ぶ。」照明がチカチカ。鏡に赤い雫。

ツバキはユリの匿名アカを学校のSNSに公開。「black_yuri=田中ユリ。アヤメを傷つけた。」コメントが溢れる。「最低!」「信じてたのに!」ユリは孤立。校庭でツバキが迫る。「あんたはそうやって何人追い詰めた?」ユリが叫ぶ。「知らない! ただのストレス発散!」ツバキがデモ音源を見せる。「これが?」ユリが崩れる。「ごめん…」涙が落ちる。ユリの傷:両親の不仲で家に居場所なく、SNSで「人気者」を演じ、裏で毒を吐いた。

アヤメが揺れる。ユリをSNSで叩き始める。コウが止める。「バンドの夢、こんなこと?!」アヤメが叫ぶ。「私の痛み、誰も知らない!」祖母の「アヤメの歌」が刺さる。コウの傷:母の過労で家が貧しく、音楽が希望だった。ツバキに頼む。「ユリを止めて。」ツバキは冷たく。「通話だけ。」

ミナが迫る。「通話」の裏に異常を感じる。「誰かが操ってる。ツバキ、気をつけな。」ミナの傷:復讐後、バンドのメロディーを夢に見るが、孤独。アヤメがカフェに来る。ミナが言う。「復讐しても、音楽は戻らない。」アヤメが叫ぶ。「黙れ! 関係ない!」ツバキがアヤメを見つめる。「地獄は…重いぞ。」

アヤメの復讐心は止まらず、ユリはSNSの糾弾で追い詰められ、教室で動けなくなる。救いがない。ツバキがユリに冷たく言う。「そうやってあんたのような人間のせいで悩み苦しむ人がいるんだよ。あんたのような地獄は生きながら…」ミナが割り込む。「通話」をハッキング、停止を試みる。「ツバキ、抜け出せ!」だが、システムが反撃。ツバキのスマホに通知。「お前も地獄だ。」アヤメはコウに支えられ、ピックを手に。「祖母の言葉…私が壊した。」カフェでツバキに。「地獄…もういい。」ツバキが手を握る。「私も…地獄だ。」ミナが呟く。「誰も救われない。」

深夜4:00。カフェ「月影」。ツバキは親友の写真と桜型キーホルダーを握る。「マジで肩こったな。」スマホが鳴る。「はい。」冷たい声。「…名前を。」闇で目が光る。頬に涙。

END

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ