会社のために体張りますか
あなただったら体張りますか?
経営者の初老の男性は深いため息をついた。
テレビではとある会社が女子アナを上納しただの、その際に強姦まがいだったとか、口止め料が数千万だとか、コメンテーターが勝手なことを言い張っていた。男はテレビを消して部屋の中の取り巻きにこぼした。
「取引先が上納しろって言ってきた」
部下の若造がお愛想笑いを浮かべた。
「確かにコンプライアンスとか巷だうるさいですけど、実際効果はあるし、若い子だって何かされたって、別に減るもんじゃないから大丈夫ですよ」
「外の目がうるさいから、上納された子が黙っていてくれるといいのだが」
「大丈夫です。うちの若い子達は愛社精神に燃えている子ばかりです。会社のために体張ってくれます」
「今度の大口の取引先の経営者は、色々噂があってな、無茶振りで、多少SM趣味の入った、いわゆる変態性癖の爺さんなんだが、君のいうことはもっともだ。お願いだ君が行ってくれ」
「へ、」
この後、若い社員がどうなったか、誰も知らない。