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第四話 追跡


カフェを出た俺は自転車に飛び乗る。


緊急事態を察したのか、さすがの天使も黙っている。


ハンドルを握りながら左手の小指を立てる。


ギュルルルルル…


"910m"


この距離で森といえば、1つしかない。木々が生い茂る広い公園。

あそこの森は夕方になると薄暗くなる。

俺は数字が減る方向に目一杯ペダルを漕いだ。


900m

800m

700m

600m

500m

400m

300m

200m


ようやく公園の入り口までついた。その時。


「あれっ優介君! 左手の数字が!」


ギュルルルルル…


と音を立てて数字が、急激に大きくなっていく。

この距離の増加の仕方は、

「…車か!」


俺は少し考えてから、急いで今来た道を引き返した。


「え?そっちに行くんですか?」


「自転車じゃどうせ追いつけない。だったら先回りするしかない。」


「いやどうやって先回りするんですか。」


自転車を全力で漕ぎながら答える。

「いいか、佐々木サクラは一度男から逃げ切ってる。


犯人にとっちゃ、その間に警察に通報されてることは予想できるだろ。


それなのに車に乗せたってことは、逃げ切れる算段がついてるってことだ。」


「『逃げ切れる算段』とは?」


「警察が来る前に、この場から、短い時間で遠くに行けるってこと、つまり…」


「つまり?」


「高速道路だ。


高速道路の入口(インターチェンジ)に現れるに違いない。」


冷たい風が頬を切る。


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