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異世界ヒロインが現世に召喚された話  作者: みたろう
第四章 愛の弾丸編
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第145話 余興

「君が王女? しかもエルリスって……いつだったかメイアも口にしてたぞ!」


 平木野祈は動揺して早口になっている。狼狽える彼を見て俺はやっと、エルミアが有名人であることを正確に認識した。そういえば異世界から来た他の奴らも、エルミアの偉大な肩書きを疑問視していなかった。エルミアの存在を当然の如く認知しているからだ。

 俺は誇っていいのだろうか。いや金魚のフンと化すのは喜ぶべきことではない。慎んで今まで通りでいい。


 ところで平木野祈はいつまで驚きに囚われているんだ。


「もういい。エルミアの力は大体わかっただろう」


「あ……ああ」


 冬立さんが制した。


「んじゃあラメは……また王なんて言わないよな」


 期待というよりうんざりを内包した問いをかけられたラメは、謙遜するように両手を振って身を退かせた。


「ラメは全然、エルミアさんみたいには戦えないです……。できることっていったら魔法で水を操るか、水をクリスタルに変化させて撃ち込むくらいしか……。あとは回復魔法が使えます」


 現世人の感覚では魔法で殺傷弾を撃ち込めるだけでも身震いする恐ろしさなのだが、そこは俺も平木野祈も慣れている。エルミアと比較してしまうと見劣りする点もあって、驚きはなかった。


「そうか、二人の戦力は把握した」


 顎に手を当て、一度考える仕草。数秒の間を置いてポーズを解除した彼は語った。


「実はウチにいるのはメイアだけじゃない。ソイツらも教団のメンバーなんだろうが……その上でメイアに撃たれた(・・・・)異世界人が八人ほどいる」


 八人。多いな。しかも全員が過酷な世界を生き抜いた異世界人。流石のエルミアでも簡単に焼き払えるチームじゃないのは明白だ。

 とはいっても、一人ずつかかってくるようなら戦いにはなる筈だ。警戒すべきなのは、二人以上で組まれたとき。特にメイアと連携されたときは、死を覚悟する必要がある。


「ひとりひとりの強さは残念ながら知らない。だが、エルミアが魔法の国の姫ってんなら……あるいは楽勝かもしれないな」


「いえ……」


 想定外の戦力を持って期待を顔に滲ませた平木野祈だったが、その戦力の主の否定的な言葉によって、その顔はすぐに渋面へと変わった。


「確かに私なら、楽に戦える人もいるかもしれません。でももし、メイアとその他数人と対峙したら……。当たったら一発アウトの遠距離攻撃を避けながら有利に立ち回るのは、私とラメちゃんでもちょっと……」


 横に汗マークでも浮かびそうな苦言。

 しかし俺も異世界脳に染まってきたな。本場のエルミアと同じ戦略的心配をするとは。打倒教団の上では大事な思考力だけど、平和な現代日本に住む人間としては、これは喜ばしいことなのか微妙だ。


 エルミアに物申された平木野祈はその意見に納得した。


「……そうだな、メイアに出向かれたらな……」


 と独り言のように言っていたが、突然「あっ」と忘れていた何かを思い出したように声を出した。そして、


「大丈夫だ、問題ない」


 と一言。これは突っ込むべきかな。


「装備の話はしてませんよ」


 突っ込むと、彼は喜びの一瞥をしてみせた。

 脱線するのは良くない。俺はそれ以上、反応しないようにした。


「俺の考えた作戦が成功すれば、その心配も無くなる。何を隠そう……それはメイアを暗殺する作戦なんだ」


 最初にメイアを殺せばエルミアの言った連携が実行されることはない。後は堅実にやっていくだけで、平木野家を救うことができる。そういう算段か。

 作戦自体は、たった今付け足された目的がその存在価値の大部分を支えているとはいえ、上等だ。でも肝心の手段はどうする気なのだろう。メイアはそれこそ、従えた異世界人に守られている筈。暗殺も困難じゃないのか。


「……これから、作戦の概要を説明する」


 そうして作戦は共有された。


 暗殺には場所と凶器が必要になる。

 まず場所は、都内某所のパーティー会場。一週間後にメイアが主催する、あらゆる条件が不問のパーティーに、俺たちが潜入するというのだ。ちなみに誰でも参加可とはいうが、宴の情報はある程度の地位がある人々の間までしか伝わらないため、実際は要人や富豪ばかりが集まるらしい。俺はまるで金持ちに見えないけど、メイアも参加者全員を知っているわけじゃないので問題は無いそうだ。

 そうして潜入し、隙を見てメイアを襲う。こうすることで護衛の異世界人にも勘付かれずに済むのだ。で、見事メイアを殺せたら一旦逃げる。

 凶器は相談の結果、無属性純魔石の波動で毒針を撃ち込むことになった。エルミアやラメの魔法では会場の一般人を誤射したり、引火したりするリスクがあるからだ。その点純魔石なら、出力を高めれば一瞬で毒針を飛ばせ、他に当たることはない。俺がタイミングを見計らって、幻術の魔石で姿を隠してから発射する。

 しかしエルミア曰くメイアはサキュバスであり、サキュバスは生命力が高い。平木野祈が入手した簡単な毒では殺し切れないとの予想が立てられた。なのでその場合は、リスクを無視してエルミアに頼る。参加者の何人かがトラブルに惑って去ってくれれば、炎をぶち込んでも大丈夫らしい。燃やし尽くせばメイアでも死ぬだろうしな。


 パーティーと言われて特に冬立さんがわがまま混じりの異議を唱えていたが、より優れた代案は俺たちからは勿論、メイアのスケジュール等を把握している平木野祈からも出されなかった。


「決まりだな」


 そう言うと彼はペンを走らせ、決定事項を手帳に記した。それが仕舞われ遂に話し合いが終了するかと思いきや、彼から質問があった。


「そういや……教団ってのは、異世界から人を召喚して洗脳し、何かの目的のために動いてるんだよな?」


「ああそうだ。疑問点があるのか?」


 首肯した冬立さんが聞き返す。


「……いや、どっちかっていうと確認になる。つまりメイアも洗脳されてるわけだよな?」


 冬立さんはまたも頷く。俺も頷いておいた。

 すると平木野祈は唸りながら頭を掻き、そして大きく息をした。


「悪い。意味は無いんだ」


 意味はあるだろう。メイアの独裁は、彼女を洗脳する教団のボス・通称預言者がそもそも命令したものだ。恋をしたからこそ、平木野祈には彼女を解放してやりたいという願いがあるのかもしれない。

 完全に俺の憶測だけど、このまま流すとモヤモヤが残りそうなんだ。やんわりと聞いてみる。


「……メイアを、助けたいとか……そういう風に思ってるのか?」


 彼は即座に首を横に振った。


「馬鹿言え。メイアは生来のクズだ。預言者とやらに利用されなくても、いずれ似たようなことをやらかしてただろう。…………ただ、まあ、俺は……心のどこかで『助けたい』って思ったような気もするな」


 次は首を下へ傾け、秘密を口にするようにもごもごと低く言う。クズと断言できるのは、事実そうだからだろう。人の本性なんて過ごした時間の分だけ正しく知っていく、と経験にそぐわないがしかし真理っぽいことを心の中で呟く。

 そんな奴を憎んでいるのに好きで、好きなのに嫌い、矛盾した感情が葛藤を生んでいるのか。見てるこっちまで辛くなる。


「…………まあいい。確か、エルミアとラメを異世界に帰す……それが泰斗の目的なんだったな?」


「ああ! それと教団を倒すこともな」


 人から言われるとちょっと恥ずかしい。が、俺は羞恥心を跳ね除けて語勢を一際強めた。エルミアの反応を覗きたいところだったが、その前に平木野祈が手を出してきた。


「泰斗、それにお前らも、改めてよろしく頼む」


 同盟の儀、握手を交わす。

 その手が解かれる寸前に、彼は俺に微笑みかけた。


「仲良くしような、同志だろ?」


 そういえば趣味を共有する相手なんて初めてだな。あまりに気持ちの良い笑顔をされるので、俺も自然とにやけた。


 正式に協力関係を結んだ俺たち。

 次に会うのは一週間後。それまではお互い、まあ心の準備をしておこう。


 祈とは別れ、適当に時間を潰す。折角の秋葉原だ、町を探訪したいところだったが、同伴者はそれを許さなかった。俺としても、趣味に耽るのが望ましい行為でないのは理解していたので、分別をつけようということで他へ行った。祈と別れない方が良かった気がした。


 そんなこんなで陽は落ち、辺りは暗くなった。

 日中の暑さが逃げた大通りを四人で歩き、秋葉原駅から総武線に乗る。


 時間も時間だ、今はちょうど帰宅ラッシュ開始くらいの時刻。車内は混雑している。冬立さんならラッシュも慣れたものだろうけど、高校にもちゃんと通っていない引きこもりの俺には窮屈で仕方がない。エルミアとラメはもっときつい筈だ。

 冬立さんが、あの名称が不明の掴まれる棒の前へラメを移動させる。俺も男としてエルミアに場所を譲るとか、電車を知る者としてサポートするとかしたかったのだが、エルミアの体幹の強さを前に、俺の助けは不要だった。揺れではびくともしないらしい。


「……ん?」


 首の皮一枚で吊り革に手をかけ、人に揉まれ電車に揺らされていた俺は、挙動不審な男を見かけた。座席に座るその男は、犯罪者より犯罪者っぽい容姿を持つ。そう言われてイメージするニット帽とかマスクとか、その類いのものを全部身に付けていたのだ。

 チラシのようなものを手に、キョロキョロと首を回したりしている。この頃痴漢よりも痴漢冤罪という言葉の方が聞くことが多くなったけど、あの動きは誰のことも注視せず周囲の全員を見れば痴漢だとは思われないだろうという、逆転の発想による冤罪回避法だろうか。

 俺なら素直に下を向いておくか、スマホやら広告やらに目をやっておくけど。偶然目が合うのも駄目っていうんじゃやりづらすぎる。


 しかし本当に犯罪者だったらどうしよう。かといって決め付けて取り押さえるわけにもいかないし。放っておくのが正解になるのか。


 チラシの表面が見えた。

 映画の広告だ。ラブストーリー系みたいだけど、俺はアニメ映画以外には明るくない。……ラブ、その言葉でメイアのことを思い出す。


 ……関係があるわけもない。俺は多分見ていても痴漢認定はされないという信頼に基づき、エルミアをチラ見しながら降車する駅まで揺られ続けた。



*****



「ちょっと出かけてきますわ」


 派手なピンク色の髪を揺らし、外出を宣言したその女は、その通りに外へ出ようとした。後ろから、それを止める声がかかる。


「いけません!」


 女は顔色を変えずに振り返り、その者の弁に耳を傾ける。女を制止した男――カイは、彼女の美顔に胸を焼きつつ、説明を始めた。


「べべス率いる第一班、ヴィラン率いる第二班と、立て続けに返り討ちにされています。しかも相当な腕の持ち主との噂のエルトラ・エルーシャまで味方につけた可能性があるとのこと! 次に狙われるのは……」


 女は薄く笑い、余裕綽々という様子でカイの言葉を奪う。


「次に狙われるのは(わたくし)……そんなこと、百も承知していますわ。人形集めに精を出しているユーラはともかくとして、戦士らの次のお相手になるのは私である……必然ですわよ」


 少し天を仰ぎながら、女はまた笑う。


「ユーラによると教団内に裏切り者がいるとか、そんかことも聞きましたからね。教団のセキュリティを担う私は立場的にとても危ない。ましてや夜は狙われやすいでしょうね……」


 二人の会話を聞きつけ、部屋の奥の方から小柄で童顔の女――テレコが小走りでやって来た。彼女は下に向けた片手を伸ばすと、言う。


「外出されるんですか? ならせめて、私のエンヴィを取り憑かせます」


 テレコの声は抑揚が感じられず、感情すら読み取るのが困難なのだが、女はそれには慣れている。手をひらっと振り、拒否した。


「ありがとう……でもいりません。本当にちょっと、出かけるだけですから」


 断固として意見を変えない女に、下僕(しもべ)である二人はいよいよ肩をすくめた。


「安心してください、二人とも。さっきも言いましたが警戒は怠りませんわ。そして何より……」


 一度溜める。


「神の素晴らしき抱擁の心を知らぬ者に……愛の力を知らぬ戦士どもに! 私たちは負けません! 私たちの愛があれば、絶対に勝てるんです!」


 二人が感動したのを見、女はふふっと満面で笑う。彼女がこのように演説するとき、聴いた者の中に異論を掲げる者はいない。今回も例に漏れず、二人をあっという間に従わせてみせた。


「心配してくれてありがとう……可愛い下僕たち」


「はい……メイア様」


 恍惚の表情がやがて薄れると、我に返ったテレコがメイアに尋ねた。


「ところでどこへ行かれるんです?」


 その質問に対し、メイアは無言で持っていたチラシを示した。カイとテレコは膝を少し曲げて前のめりに注目する。


「全世界が涙する究極の破天荒ラブストーリーここに開幕…………映画ですか?」


「そうよ。こんな謳い文句……観に行かない手はないでしょう? 監督に西田覚(にしだおぼえ)、脚本は公好野太郎(こうこうのたろう)、主演が齋藤連斗(さいとうれんと)土生瑠璃(はぶるり)!」


 テレコの問いに何度も頷き、そう言う。言われたテレコは、カイと顔を見合わせてから再びメイアに苦言を呈した。


「そう言って結局、低評価を下すことばかりじゃないですか。映画なんて所詮作り話……期待はしない方が……」


 メイアは口角を吊り上げ、自信に満ちた高らかな声で反論した。


「だから、ですのよ」


 言葉の足りない反論に、二人して首を傾げる。それでもメイアが補足しようとしないので、カイがそれを願った。メイアは笑顔を崩さないまま、詳細な理由を説いた。


「特に酷い作品を作る監督や脚本家なんかは撃つ(・・)ようにしていますから。……西田監督と公好野さんは、きっと私の気に入るものを創ってくださった筈ですわ」


 納得を貰ったメイアは、らんらんと楽しげに、軽やかな足取りで映画館へ向かった。


 それから暫くして、メイアは背後に、つけてくる気配を察知した。


「……どなたか、いらっしゃいますか?」


 振り向くと、真っ暗な道の真ん中に、一人の男が立っている。ニット帽を被り、顔はサングラスとマスクで隠し、いかにも不審者という服装を堂々と身に付けるまさしく不審な男だ。

 その男はサングラスを外すと、メイアを指差し、声を張り上げた。


「西田をおかしくしたのはお前だなっ!」


「……?」


 メイアは男の言うことの意味を理解できなかった。とぼけているのではなく、正真正銘心の底から、西田という人物をおかしくした自覚もしていないし、罪悪感も抱いていないと思った。


「西田? ……ああ、もしかして、映画監督の西田覚さんのことでしょうか?」


「そうだ! その西田! 俺の親友の西田だっ!」


 周囲に人気はない。だが静まり返った町には、音はよく響く。にも拘らず男は、その声量を一際大きくし、メイアに怒りをぶつけた。


「ある日からおかしくなったんだ! 愛がどうだとか心がどうだとか言い出してやめなくて……! そんでアイツは射手愛っつう名前を何度も呼んだ! 調べてわかったぞ、お前が射手だな! さっきの会話も聞いてたんだ、お前が西田をおかしくしたんだな!!」


 一気に畳みかけ、遂には男は、ナイフを取り出してメイアに刃先を向けた。

 メイアは驚く。しかしすぐに冷静さを取り戻し、男を逆に咎める。


「彼は愛が何たるかをわかっていませんでしたから。私が変えてあげたんですわ。おかしくなったんではなくて、あれが愛に対する正常な姿勢。……あなたも、愛を知らないんですね」


 メイアは一歩ずつ近付く。男は一歩ずつ退く。

 彼女の姿は妖艶で、美しくて、可憐で、万人が見とれてしまうもの。美しいメイアが接近することは本来、男であれば興奮を禁じ得ないことなのだが、この男は恐れおののいた。

 ナイフを突き付けられても動じないことはおろか、どんどん反論してくる。正しいことを主張しているのは男の方であるのに、メイアは己の正しさを微塵も疑わず、男を詰める。

 その気迫はなんとも恐ろしいものだったのだ。


「ひぃ……!」


 男はナイフを取り落とし、尻餅をついた。

 逃亡しようとした。気迫が凄まじいにしても、メイアからは逃げられそうではあったのだ。しかし、その行為は却ってメイアに激高を誘った。


「あら……」


 失望が顔面に浮かび上がる。


「あらあらあらあら」


「あっ……はあっ! あああっ!」


 致命傷を食らったわけでもなく断末魔のような声を轟かせた男が見たのは、服の内側に手を入れ、胸から拳銃を取り出したメイアの姿である。


 銃口を男に向け、メイアは言う。


「人は成長する生き物。未熟な人は、間違えてしまうことがある。たとえば西田さんも、未熟が故に愛を履き違え、あのような駄作を見事制作してしまいましたわ。私は彼に、成長を促した……。愛を教授したんです。未熟なことは哀れであり、ただちに修正すべきですから」


 目を細めると、一層の軽蔑を鋭い眼光にして表現し、男をさらに震え上がらせる。


「私は彼を公然と責めたりはしませんでした。ただ未熟だっただけですからね。……そこで、あなたはどうなんです?」


「は……? は……? は……!?」


「あなたは私に屈した。親友への愛を放棄してしまったんです……私の言っている意味、わかります?」


 男は首を縦にも横にも振ることができなかった。

 余計にメイアの気分は害された。


 男の心情はメイアに完璧に見抜かれていた。

 男は復讐のためにやって来たが、しかし殺人を犯すことには躊躇している。そして今、逆に殺されそうになって恐怖している。

 殺人への恐怖と自身への恐怖に侵されていることを、メイアは見抜いていた。


 彼女は口を大きく開き、たっぷりと息を吸ってから実に勇ましく同時に鬼のような相好でもって憤怒をあらわにした。


「いいですか? よく聴きなさい! 愛は他の何をも凌駕し、どんな障害にも打ち破られぬもの! ただその人だけを見つめ続けるもの! 親友を想って私を刺せなかったあなたには愛が足りない! 親友への愛が! あなたには無い! あなたは愛を知らないんですわ!!」


「ふ、ぐ、あああああっ!」


 男は獣のように叫び声を上げながら逃走した。

 しかしメイアは、彼を逃がさなかった。


「これは愛の弾丸よ!」


 バキュン、と銃弾が男の後頭部を穿った。

 鮮血が飛び、男は力なく倒れ、動かなくなる。


 メイアは笑い、何事も無かったかのようにチラシを持ち直す。


「さ、映画映画」


 パーティーは一週間後である。

第145話を読んでいただき、ありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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