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異世界ヒロインが現世に召喚された話  作者: みたろう
第三章 エルーシャ姉妹編
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第125話 空を彩るもの

 泰斗君に連れられて皆んなとはぐれてしまった。

 体感ではそれほど進んでもいないけど、いかんせん人が多くて見つけられない。こんなに活気付いた所はこの世界に来て初めてだなあ。

 いきなり引っ張るものだから驚いちゃったけど、泰斗君は慣れてるみたいだし、こういうのも良いかもしれない。

 あ、でも、ラメちゃんがあっちにいるから後で合流しないと。折角の夏祭りで好きな人と遊べないのは可哀想だからね。


「ノリでここまで来たけど……どうしよ。なんか食べたい物とかある?」


 泰斗君は困り顔を誤魔化すようにキョロキョロと店を探すフリをしながら聞いてきた。

 全然誤魔化せていないところがちょっと可愛い。なんだろう、女性の前では良い男でいたいプライドみたいなものが垣間見えるというか。実際どうなのかは分からないけど。


 それに、食べたい物と言われても……。

 未知の料理ばっかりで、どれを選ぶか悩む。こっちの食べ物に馴染みもないから美味しそうかどうかも見当がつかないし。


「じゃあ泰斗君が選んでよ。私、特に嫌いなものとか無いからオススメのやつ」


「オススメかぁ。うーん……夏祭りといえば、あれかなー」


 まるでスケジュールを組んでいたかのように迷いもなく歩き出すから、私は焦って着いていく。

 さっきの困り顔はどこへやら、泰斗君楽しそう。何故だか彼が楽しんだり喜んだりしていると、その感情が私にも移る。友達との交流なんて元の世界では一度も経験しなかったから、こういうのって凄く気分が上がる。


「お祭り楽しいね」


「え……えっ……ああ、そうだな……。まだ何もやってないけど」


 言われてみれば確かにそうだ。

 というか、今の動揺具合はどうしたんだろう。歩いてるだけで楽しいっていうのは変なのかな? 泰斗君もそう感じているように見えたのに。


「……あ、あのさ……エルミア」


「んっ?」


「人混みで迷子になるかもしれないから……その……手、繋いでいた方がいいかなって……」


 そう言うと泰斗君は前を向いたまま、私に手を差し出してくれた。


「ありがとう」


 躊躇わずぎゅっと握る。

 夜とはいえ暑いし屋台の熱もあるから、彼は手に汗をかいていた。


 泰斗君の歩きがさっきより遅くなった気がする。

 これも迷子にならないように、かな。気遣ってくれるのは嬉しいんだけど、走ってるわけでもないのに相手を見失うような間抜けじゃないよ、私。


「……どうしたの? ずっと顔逸らして」


「いやっ……別に、何も」


 震えた声で振り返った泰斗君は、顔が赤かった。

 まさか、と焦る胸を押さえ、彼をジロジロと迷惑なくらいに見つめる。


「……なっ、なんだよ……ジロジロ見て」


「だって……泰斗君……」


 汗かいてたし、うん。間違いない。

 この状態、この症状はアレ(・・)だ。


「熱中症だよ!」


「……は?」


 期待が外れたというように呆気にとられる彼の姿に、私は余計怖くなった。

 それと断定できる症状が出ているのに自覚していなかったり、無視していたりするときが一番危ないんだ。


「最近ニュースでよくやってるじゃん! 今日の搬送者数はーとかさ。汗かいてる、顔赤い、震えてる、これだけ症状あったら確実に熱中症だって!」


「ね……いや、大丈夫だよ? 今日は割と涼しいしさ、本当に違うから!」


 嘘っぽい。きっと強がっているんだ。

 少なくとも何か隠していることが退く表情で分かる。

 今からなら遅くないから、木陰のベンチか家に……。


「ほら、目的のわたあめ屋だ! せ、せめて診るのはその後で……な?」


 ぐいっと腕を掴まれ方向転換させられると、そこには「わたあめ」と可愛らしい文字で書かれた屋根を持つ屋台。わたあめ屋。

 初耳の言葉だけど、甘くて食欲をそそられる香りが漂ってきたことでその美味を確信した。丸め込まれたような気がするのに、いつの間にか自分は店員さんの前に立っていた。


「特大の一つ」


「あいよ」


 この店ではサイズが選べた。泰斗君が勝手に選んだのは一番大きい特大サイズ。とても二人で食べるための物とは思えない。


「ぜ……全部食べられるの? これ」


「口に入れたら分かる」


 売る側の人並みに自信満々だ。

 熱中症、違ったのかな。平気そうに見えてきた。

 でも油断は禁物。私が注意しててあげないと。


「お姉さん綿飴は初めてかい?」


「は、はい」


 お姉さんじゃないけど。


「じゃあ見ててみな」


 屋台のおじさんはキラキラした砂糖のような粒々を機械の真ん中の穴に入れた。その後、細長い棒をおもむろに取り出し、先端を機械に近付けた。


 するとなんと、中に蜘蛛の魔物でも潜んでいるのかのように無数の糸が飛び出し、棒に絡みついた。屋台のおじさんが機械の溝に沿って棒をくるくると回すと、糸は玉のように固まり、大きな「わたあめ」へと変わっていった。

 見入るように覗いていたら、あっという間にそれは完成した。


「おお、マジででっかいなこれ」


「美味しそう」


 ニコニコ笑顔のおじさんに渡されたわたあめを泰斗君と一緒に持つ。大きすぎて顔に飴がついてしまいそうだった。


「ええっと、どこから食べればいいんだろう?」


「てっぺんから行こうぜ」


 そう言うと泰斗君は天辺の一部をちぎってパクッと口に入れた。

 想像していたのと違った。がぶっと齧って食べるんじゃなかったんだ。


「それじゃあ私も」


 不思議な感触だ。羽毛のようにふかふかしていて、且つお菓子っぽくベタベタしている。ちぎる瞬間のモサッという触感もまた、言い表せない奇妙さがある。


「なんか可愛いね、わたあめ」


 手で持ったままじっくり観察していると、泰斗君に声を掛けられた。


「持ってると溶けるから早く……!」


 見下ろすと萎んだように貧しい見た目になったわああめが。指もドロドロで。


「あっ、あ、ああ……まずいっ!」


 酷く焦って口に入れた。

 すると、本当に食べ物を食べたのかと疑う、これまた不思議な感覚を味わった。元々小さいのもあって、一瞬で無くなったのだ。じわぁっと溶けて舌に広がる甘味はやみつきになりそう。


「うまいだろ?」


「……うん!」


 自分が作ったわけじゃないのに、泰斗君は誇らしげに笑った。

 でも気持ちは分かる。私だって、エルリスで開発された魔道具なんかが良い評価をされていたら嬉しい。

 そういえば、出掛ける前も日本の文化がーって話してたっけ。夏祭りは日本の面白い文化が集まるイベントなんだなあ。


「でもこんだけ多いと流石に時間かかるか……人が少ないあっちの方で……」


「ラメのことも混ぜてくださいーっ!」


 暑さを吹き飛ばす高く柔らかなラメちゃんの声が、泰斗君の隣にあった。浴衣で走りづらかっただろうに、小さい身体を活かして人々の間を全力疾走してここまで来たようだ。そして流石、私達を見つけた瞬間には好意を寄せる人の隣を占めている。


「おっラメ! よく場所分かったな」


「全く酷いですよ、急に走り出しちゃって!」


 少々ご立腹のラメちゃんは、頬を膨らませてちらっと私を睨んだ。恋愛的な協力者の私が泰斗君と二人きりになっちゃったからかな、多分。


「ごめんごめん……。お詫びってーとアレだけど、ラメも一緒にわたあめ食べないか?」


 彼の誘いにラメちゃんは歓喜し、特大のわたあめを三人で食べた。



*****



 時間が経って完全に機嫌を直したラメちゃんは、取ったばかりの水ヨーヨーを操って遊んでいる。一方で私はヨーヨーの水の部分を肌に当てるとひんやりして気持ち良いから、遊ばずにそれを繰り返している。


「異世界人でも俺らとおんなじことするんだな」


 ちょうど通りかかった男の子二人も水ヨーヨーを手の平で突いたり振り回したりして無邪気にはしゃいでいた。


「……そういえば、冬立さんとは一緒じゃないのか?」


「あ、冬立さんは……えーと、花火? の場所取りをするって言ってました」


 そのことを思い出し、胸を鳴らした。なんでも、祭りのイベントの一つとして、二十時から花火が上がるそうだ。泰斗君と霊戯さんは「見てからのお楽しみ」と花火とは何なのかを教えてくれなかった。この二人が隠すということは、さぞかし面白いイベントなのだろう。


「冬立さんそういうの興味無さそうだからなー……。後ろの方にしてくれなきゃいいんだけど」


「心配しなくても、楽しみにしてるラメちゃんのためなら上手くやってくれるよ」


「だな」


 会話によって遅くなっていた足が速度を上げる。

 その時、泰斗君がある屋台を指さした。


「射的あるじゃん」


 軽快な足取りになった泰斗君に着いていくと、奥の棚におもちゃやぬいぐるみが、手前の台に銃が置いてあった。


「じ……実弾ですか!?」


「ないない。偽物の鉄砲だよ。弾は出るけど」


 これはどういう遊びなんだろう。


「鉄砲で何するの?」


「向こうの景品を撃って落としたらそれが貰えるっていうゲームだよ。二人もやる?」


「はい! ラメやりたいです! あのクマのぬいぐるみ取りたい……」


 意気込んだまでは良かった。

 しかし、与えられた三弾は全て外れ、ラメちゃんは撃沈した。


「つ……次は私が!」


 ラメちゃんの敵討ちで。

 いつも魔法で火球撃ってるんだから大丈夫。


 と、全弾外すまでは信じていた。


「仕方ねぇなー、俺が――


「お前らなにしてんだ?」


 聞き慣れた声だなと思ったら、振り向いた先に透弥が居た。咲喜さんと行動を共にしていたようで、咲喜さんが手に持っている容器に入った茶色くて丸い食べ物を爪楊枝で食べている。


「お、たこ焼きうまそー」


 たこ焼きっていうんだ、あれ。


「ん? ああ……射的か。なら俺に貸せ」


 透弥は泰斗君から鉄砲を分捕り、達人のような振る舞ってそれを構えた。


 ポン、ポン、ポン。


 結果は見事なまでに惨敗だった。


「ダメダメじゃねえか、まったく……」


 泰斗君は呆れ顔で鉄砲を取り返し、いとも容易く三発で三つの景品を入手してしまった。怒って騒ぐ透弥は当然のようにスルーされ、ラメちゃんはお目当てのぬいぐるみをプレゼントされた。


「ほい、エルミアにも」


 キャラメルを貰った。


「ありがとう、頼んでもないのに」


「いいのいいの」


 泰斗君のこういうところ、ちょっとかっこいいな。



*****



 十九時五十分。

 私達五人は花火を観るためのレジャーシートを敷いて待っていた冬立さんと合流した。


「遅いぞ」


「十分前行動してるんだから許してくださいよ」


 冬立さんはシートの上で何をやっていたのかと少し遠くから覗いてみると、かき氷を持っていた。私達もちょうど買って食べたばかりだ。


「冬立さんもかき氷食べてるんですね……!」


「ああ、ココアでな」


 その一言で困惑し体を傾けると、かき氷を持っているのとは反対の手に、缶入りのココアがあった。「ココアで」ってココアを飲みながらって意味だよね……。そうだよね?


 悪い予感は的中。彼女はココアをかき氷に思いっ切りかけてしまった。


「いや待てココアって熱いもんだろ! 折角のかき氷が溶けるじゃねえか!」


「人には挑戦が必要なときもある」


「少年漫画の主人公でもやんねえよそんな無謀な挑戦!」


 多分、内心引いているのだろう。私は苦笑して見守るしかなかった。


 ……と、そうこうしているうちに霊戯さんも到着したみたいだ。


「羽馬兄さん遅いですよ」


「ごめんごめん、つい盛り上がっちゃって」


 霊戯さんのお面が二つに増えている。

 それに色々な店を回ってきたのか、満腹そう。


「あ、泰斗君見て見て~阿修羅みたいでしょ?」


「確かに顔が三つあるけど……神社で仏像の真似すんなし」


「うーん、良いツッコミ」


 よく分からないけど霊戯さんが爆笑してるから、きっと泰斗君は面白いことを言ったんだろう。


「オイ、最年長のお前が一番遅くてどうする。花火観賞の準備もせずに……」


「僕のレジャーシートだから実質準備に加担したよ」


「そーだそーだ!」


 透弥の加勢により怒りが頂点に達しそうな冬立さん。

 しかし、霊戯さんは泰斗君に、透弥は咲喜さんに説教された。仲良いなあ、皆んな。



*****



「結局花火ってなんなの?」


「今打ち上がるよ」


 暑さと疲れで溶けそうなラメちゃんの……アホ毛? というものをポンポン弄りながら、泰斗君は正面を直視する。


 その瞬間。

 弱々しくも綺麗な光が下の方から上がってきた。

 後からヒュ~という音が聞こえ、何だろうと眺めていると、空の高い位置で光が爆発。金色の美しい花が描かれた。


「これが花火……!」


「きれい……!」


 ――ドンッ!


「わーっ!!」


 花火のように瞳を輝かせていたら、突然お腹まで響く轟音が鳴り響いた。


「ぷっ……あはは! そうそう、そのリアクションを待ってたんだよ……!」


 泰斗君、大笑い。


「だから教えなかったんだ……意地悪!」


「いやぁ、まさかこんなに驚くとは思ってなかったし……。ラメも悪かったな。ほら、もうちょい前で観てこいよ」


 驚いたは驚いたけどそれでもワクワクしているラメちゃんは泰斗君に背中を押され、シートから出た。


「もう……。でも、綺麗だね。姉さんにも見せてあげたかったな……」


「いつか機会があったらいいな。……でも、お前ら姉妹は打ち上げる側もできそうじゃね?」


「ふふっ。確かに」


 金色、赤、緑。

 色々な花が夜空を飾る中、私と泰斗君は笑った。

 そこで私は、彼に謝りたかったことを、今なら言えると考えた。


「ねぇ……泰斗君」


「ん?」


「この前も一度、謝ったけどさ……。改めて謝りたいんだ。ずっと心配してくれていたのに、頼れなかったこと……あの日、誰にも打ち明けずに家を出てしまったこと……」


 泰斗君の方に向き直り、真剣な目で彼と話す。


「……そんな何度も謝んなくたって……。俺も冬立さんや霊戯さんに諭されないと、エルミアの気持ちを理解することができなかった。謝るべきは寧ろこっちだよ」


 そんなことはない。声で分かる。泰斗君は私にずっと頼られなくて傷ついていた。悲しんでいた。私が彼か他の誰かにでも相談していれば、そんな風に傷つくことはなかった筈なんだ。


「謝るべき、じゃないよ。実際私は、私だけでケリをつけたいとは思ってたけど……。それでも、姉さんについての苦悩は早くに話すことで絶対楽になったし、皆んなまで心配させることにはならなかったもの……」


 初めての花火を観る筈が、いつの間にか私は俯いていた。


「あの時からそう思っていて、それでも俺達を頼れなかったのは……やっぱり、自分とエルトラとの間で全て終わらせたかったからか? それとも、他に理由が……」


 ナイフで胸を刺されたかのようなドキッという刺激が心臓から全身に向けて走った。もう、その理由なんて隠す必要は無いか。どうせバレている。


「もしかしたら、過去を明かして……そしたら皆んな、私に幻滅するんじゃ……ないかって……」


「…………そうか。まあぶっちゃけ、酷い話だって感想はあったな」


 だよね。今は、そうではないみたいだけど。やっぱりそうだよね。


「だがな……エルミア」


 泰斗君はいきなり私の両手をがっしりと掴んだ。人混みで手を繋いだ時よりずっと強い力で。


「俺達じゃなかったら、誰に言える? …………ここにいる仲間が駄目なら、他の誰でも駄目なんだろ。自分一人じゃ抱え込めないって気付いてんのに……それで良いのか?」


「そ……それは……」


「幻滅するんじゃって怖くなるのは分かるよ。でも、俺だって、ラメだって、他の皆んなもきっと……辛くて目を背けたい過去くらい持ってる。何かしら負い目を感じたことはあったよ、誰だって。……だから……あ、そりゃ、未だに改心してないようなら幻滅されちゃうだろうけどさ……俺達は仲間で、エルミアが良い奴だってことを知っている。頼られたら助けるよ。仲間を……好きな奴を助けるのが嫌だなんて、馬鹿げてるさ」


 その言葉と手の温もりに、私は夏の気温がとてもとても冷たいものに感じた。泰斗君が熱中症になりかけるくらい、暑かった筈なのにな。


「……ありがとう、泰斗君。心が軽くなった気がするよ」


「良かった。じゃあ、約束しようぜ」


「約束?」


 泰斗君は小指を出した。その指でチョイチョイと、そっちの小指も出せと促される。促されるままに、私は小指を出した。


「俺も我慢ならなかったんだ、エルミアを助けたくてさ。だから、辛いことや悩みがあったら、お互いに(・・・・)相談する。そういう約束だ」


「うん……!」


 小指を交わした瞬間、今までで一番大きい花火が上がった。

 そして黄金の光で照らされた彼の姿は、今まで一番美しく、かっこよかった。


「あれ、フィナーレまだだよな? すげーでっかかったな今の」


 小指を交わしたことで、もう一つの約束をした記憶が脳内に流れた。


 私を必ず異世界に帰すという約束。

 そうだ、私はいつか帰らなきゃいけないんだ。勿論姉さんやラメちゃんも連れて。

 泰斗君とは、そこでお別れなんだ。泰斗君まで異世界に住むわけにいかないから。お別れ……。


 私が帰らなければ、ずっと二人で居られるのかな。

 って、何考えてるんだ私。約束があるのに。私だけの思いで彼の約束を蔑ろにしちゃいけないよ。


 でも、何でこんなことを。

 初めての友達だから? 何度も救われたから?

 色々なことがあって……もしかして、私……。


「あっ! そういえば!」


「えっ……な、なに?」


「幼少期のエルミアめっちゃ可愛かったよ!」


 一気に、顔が熱くなった。

 まるでその目で見たような言い方。何それ。


「ラメもそう思いました!」


「えっ……ちょ、どういうことなの?」


「エルトラの魔法で、エルミアがまだ小さい時の記憶を見せられたんだよ!」


 え、私の過去って、姉さんが直接伝えたわけじゃないの? 口で、じゃなくて、記憶そのもので?


 心の底から恥ずかしかった。

 ただただ、恥ずかしいという感情しか生まれなかった。


「わ、わ、もう止めてっ! 可愛いとか言わないでーっ!」


 こうして私達の夏祭りは、終わった。

これにて第三章エルーシャ姉妹編、完。

第四章の投稿は七月二十三日からとします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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