a code name is AZU
近未来物を描くにはかなりの想像力がいる。
リアリティーがいる。
なかなか、思う世界が描けないことの方が多いのが現実である。
だが、チャレンジしないと見えて来ない世界もあると、このところ感じている。
彼女の名はAZU
ナノテクノロジーで製造されたAI
2009年9月
先の政権交代時代に製造されたが、政権が3年しか持たなかった為、忘れられた存在となった。
噂では、当時の総理大臣の発言が現実離れしていたためその製造が、某合衆国のエリア51のような場所が日本にあり、それがエリア52の一部ではないかと噂された。
しかも、関西圏に存在し製造には地球外知的生命体が関わっているのでは無いかと囁かれていた。
何の為に造られたかは、現時点では不明!!
日本政府は存在を完全否定しているが、何故か某合衆国は極秘に捜索し危機感を持っているとの憶測がとんでいた。
それから、数十年が経ち日本では完全に忘れられた存在となった。
そして現在ー!
蒼く澄みきった地球上空500万km離れた空間にある衛星、某合衆国は未だ24時間365日彼女を捜索している。
それは、何のためか我々が知る余地もない。
WHERE AZU IT GONE!?
(アズはどこに!?)
さらに、数ヶ月前から某合衆国のドローン型の無人機は、わが国の関西上空を監視しながら飛行している。
『While searching for people in the country's national security!!』
「彼らの国の国家機密の人物を捜索中ー!!」
『as yet;so for no discovery a code neme!?』
「未だに発見出来ず、そのコードネームは!?」
『AZU!!』
人混みが蠢く街並みにそれはあった。
それを、食いるように見ているのが中堅の外食産業の管理部で働いている、日野 真35歳である。
彼が食いるように見ていたのが、不動産屋の硝子戸に貼られた一軒家のチラシだった。
(一軒家、築12年、家賃が1万円)
ついつい言葉が出てしまうだろう。
「安ーっ!!」
だが、そこには下の方には「訳あり!?」
こちらも声が出てしまう衝撃的な文字である。
訳ありの理由それは!
『AZU』が住んでいる!!
関東圏にあるごくふつのマンション!
「それで、部屋見つかったの?」
日野 真が会社へ行く準備をしている時、嫁のはるみは尋ねた。
「ああ、ほんとうに急すぎるって!」
「転勤って、それも今月中に部屋探せってー関西だし!」
それを聞いていたのが、日野の5歳の娘果穂だった。
「おとうさん、どこいくの?」
「関西方面に仕事に行くんだ、突然でごめんな…!」
良くある、サラリーマンの日常ではある。仕方なく会社の方針で転勤となり、無茶振りと知りつつ家を探した。
結婚し、10年が経ち子供にも恵まれ幸せな人生を歩んでいた。
たが、家を借りた事により彼は不思議な世界に入り込み人生最大のピンチをむかえる。
いや、彼だけでなく世の中をも巻き込んでいく!
AZUの世界へ…!!
関西圏にある山本不動産。
日野 真が部屋を探していた不動産屋、例のチラシが硝子に貼られた不動産屋である。
「お兄さん、その物件…でるわよ!」
山本不動産の社長山本、髪は虹色で関西色が強くオネエ言葉で喋ってくる。
日野はまあ、関西ぽい気質を受け入れて乗ってみた。
「もしや、コレ!」両手をぶら下げ幽霊が出るのかと尋ねた。
「そうよ、そうそう幽霊よ!」
山本はからかう様な感じで、笑いながら話しだした。
「でも、お兄さんよーく考えてよ1万円で一軒家よ!」「噂が立ってるからよ、ありえないでしょー訳あり物件って!」
(オイオイ、訳ありって…堂々と!)
山本は、それを見越し話しを続けた。
「私からすれば、今の世の中幽霊より生きている人間の方がよっぽど恐ろしいと思うんだけど!」
「まあー、お勧めはしませんが信じる信じないかはあなた次第よー!」
山本は笑いながら、しかし目はマジだった。
1か月後、日野は例の物件を契約し引越した。
「まいど、おおきにー!」引越し業者が荷物を運び入れ帰っていった。
日野も荷物の整理をしながら、不動産屋山本の言葉を思い出していた。
「不動産屋、あー言ってたけど本当にそうかも知れない」
「この世中、人間と暮らすより幽霊と一緒の方が楽かもなー!」
片付けをし荷物を運びながら「まあ、無い無い霊感も無いし一軒家一万円はラッキーかも」
「こんな事言ってる場合では無い、雨が降りそうだから急がないと」
日野は我に返り荷物をリビングに運んだ。「さすがは一軒家、1人だと荷物も大した事ないし広いわー!」
その時、日野はリビングの真ん中に違和感を感じた。
(なんだろう?)
部屋の床からシャボン玉の様な球体が湧き上がっている。
大きさは様々である。
そこから何かが湧き上がって来る。
それは!
女性の姿をした物体、いや、あきらかに女性である。
髪はシルバー色のショートで、胸までしかないレザーの衣装を纏いスカートはかなりミニである。
顔は美形で長身で理想的なスタイルだ。
彼女の周りにシャボンのような球体が無数に湧き上がっている。
足下のあたりは透けていて、明らかに床から出て来た感じだ。
日野はビックリし、開いた口がふさがらない!
持っていた荷物を投げ出し腰から砕け落ちていった。
女性が宙に浮かび上がり、日野を見下ろしている。
(ひひひひ…!) 言葉にならない!
その時、ピンポーンと呼び出しの音がし、日野は少し我にかえる。
ピンポーンと2度目の呼び出し!
今度は宙に浮いている、女性が玄関の方を指差しをした。
日野は無言で玄関へと駆け出し、ドアを開けた。
そこには、中年の女性がいた。
(あわあわあー!)日野は言葉にならない言葉を発している。
中年女性は冷静に語りだした。
「お隣りの林と申し上げます。久しぶりに引っ越されたと聞きましたもので」
「良かったら、何かと引越しは大変や思いまして!」中年女性は、おにぎりをラップでかぶせたお皿を手に持っていた。
しかし、日野の慌てぶりに気が付いたようだ。
「どうされました!?」
その時、後ろに気配が!そうあの女性がいた。
しかし、中年女性は動揺することも無く言葉を発した。
「まあー、AZUちゃんお久しぶりだわねー!」
背後の女性は、お辞儀を丁寧に中年女性にしていた。
「AZUちゃん5年ぶりの起動ね、良い人来てよかったわー!」
って言いながら、普通にドアを閉めていた。
「ここって何省の管轄だったかしら、起動したって事は、また補助金でるのかしら?」と、独り言を言いながら帰っていった。
日野は理解不能で、何がなんだか分からなくなっていた。
「ギャー!」日野は悲鳴を上げた。
突然、床から女性が頭を出したからだ。
どこからでも壁抜け出来るようだ。
「もしかして、何も聞いてへん!?」
「説明書、あるけどいります?」
日野は目を合わせ無いよう、拝みたおしていた。
(€3#5÷*☆<^8%€$\>,!)何語を呟いているのかわからない。
女性はため息を付いた。
「あの、不動産屋のオヤジまた説明を省きよって。ちゃんと説明せなあかんってあれほど言うたのに!」
日野は、パニック状態である。
壁に疼くまって「ごめんな…さい、ごめんな…さい!」とずーっと呟いていた。
女性は困っている感情を表している。
日野の前に立ちはだかった!
声を少し荒げた!
「ウチの名はAZUや!」
「あんたは、今度この家を契約した日野 真やな!」
「契約に基づき、知っておかなければならない事があるので説明するでー!」
日野は顔を手で隠しながら、その隙間からそーっと覗いていた。
(なんなんだ!)
「あのな、ウチはこの地域の心臓部ともいえる機能を持つAI、詳しく言うてもわからんやろから省くけどな!」
「不動産屋あの山本のオヤジまた、ここ幽霊でる言うてたんやろ!」
「ウチはちゃうで、人工知能の人型ロボットやで!」
日野はいったいなんの説明をしてるのか、まったく理解できていない。
「1997年から日本政府が極秘で開発してたんよ、その年に京都でCOP3って会議があって京都議定書が採択されたとか、目標数値達成のためにウチを造ったんやけど、なかなか認められんかったんよ」
「数年後の2007年に現政権が倒れて政権交代があったやろ、その時の総理大臣がオモロイから目玉にしようおもたんやて!」
ますます日野の頭は混乱しているのがわかる。
「そやけど、その政権3年しか持たんかって、ウチもこの通りやわー」
「それと、なんの副作用かしらんけど触った物質が変化するんよ、そしたらシャボン玉が出て通り抜けられるんよ。火の玉に見えたんやろなー幽霊の噂がそこから広まってるんよー」
日野は思った(幽霊の方がまだいい!)
複雑すぎて混乱とダメージが大きい気がする。
理解が出来ない!
「ーって、AI型の幽霊?」
日野の発言も意図を得ない。
「ちゃうちゃう、ナノテクノロジー、ナノテクなそれで出来た、AIや!」
「未知のテクノロジーで造られてるらしい」
余計に分からなくなる。
「日野、いやマコトやからマコでええなー!ウチはアズやけど!」
「マコは某合衆国のネバダ州にある軍事施設は知ってる?」
日野はなんか聞き覚えがあった。
「それって、UFOとか何とかで…」
「そやで、ロズエル事件で知られるようになった、エリア51という施設」
「その施設からなぜかは知らんけど、移動させる事になってエリア52施設を作る際、その一部をここにも作ったらしい、その建物がこの家やねん!」
日野はまたまた、壮大な話しすぎて理解出来なくなっている。
「噂では、宇宙人のテクノロジーを使って、ウチを開発したらしい、あくまで噂やで噂!」
「でも、あの政権がええかげんやったから某合衆国もここの存在把握してないらしい」
日野は少し違和感を感じていた。
先程からの説明は壮大でちんぷんかんぷんなのだが、何故、彼女の話し方が…
関西弁なのか?
感情や表現がまるで関西人そのままなのはなぜ〜?
そこが気になっていた!
「もっと、ええ事おしえたろ!」
「ウチな開発の予想超えてな、原発の1基ぶんに相当するエネルギーをだせるんやー、だから危ないやろ それでこの地域の電力をウチのエネルギーで賄うことにしたんや」
「凄いやろ、大体300万世帯なんやて!」
「原発1基ぶん?…300万世帯…?」
ますます、日野は分からなくなる。
「まあー心配せんといて、ウチはこの家から出られへんプログラムされてるし、あんたには迷惑かけへんよって」
アズは続けた。
「掃除洗濯はもちろん、料理も家の事全部出来るよって!」
「まあ、スケベーな考えはあかんで!」
「その時は覚悟しいや!」
日野はとんでもないという、ジェスチャーを繰り返した。
「まあ、信じられんやろうから少しウチの力見せといたるは!」
日野は(いいです、いいです)のジェスチャーを繰り返したが、アズは言うことをきかずに何かをはじめた!
「窓の外を見といてや!」
「やり過ぎたら、影響出過ぎるよってちょとだけにするよって!」
何か、アズの身体から、徐々に閃光が放たれている。
一瞬にして家の中が暗闇となった!
いや、そうではなかった街全体が異様な光景、状況になっているのが窓から見えてきた!
この瞬間日野は、300万世帯一斉が停電し暗闇に落ちていく様を目の当たりにしていた!
To be continued
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