恋愛と青春とで大忙し!私達の日常生活!
初投稿です。こんな生活は楽しいだろうなぁと想像して書きました!どうぞお読みください。なお、毎日少しづつ投稿する予定です!
「行ってきマース」
「行ってきマンモス」
私の名前は夏芽春花。茶道部の中学2年生。訳あって同級生の男子と同棲中。え、その訳あってはなんなのかって?そんなに面白いことじゃないと思うよ。ただ、向こうの両親が海外で医者やってるから、隣の私の家に来たってわけ。…ラッキー、じゃないのよね。それが。
「夏生、もっと早く歩けない?」
「…え?」
で、その同棲してる子は宮古夏生。私の通う学校は私立の中学校で、しかもクラスは1年の時同じじゃないから全然知らなかった。そんな人と同棲なんで有り得る?ありえない。アリエルもびっくりよ。
「早く歩かないと遅れるの」
「無理、だるい。1時間目何?」
「歴史」
「だるい」
という調子。難聴なのか、よく聞き返すし都合が悪い時は聞こえないふりをする。ほんとにめんどくさい。
「ねぇ。もうすぐ門番くるから本読むのやめたら?」
歩いているのを指導するのはなんとも言えずウザイ。それから、塾とかの勧誘はもっとウザイ。でも、今日は割と多くの宣伝が来ている。
「よろしければどうぞー。消しゴム着いてますよー」
たかが消しゴム。その他の書類を捨てる手間と消しゴムだったら、手間は省くべきだろう。しかし、隣まで配慮してなかった!
「あげる」
夏生に渡されたのは消しゴムが抜き取られた宣伝の紙だった。
「いらねぇよ!なんで貰ったんだよ!」
消しゴムがないならいらないわよ!
「…消しゴム欲しかったから」
コイツゥー!!どこに捨てるんだよまったく!
「はぁ、分かったから」
押し付けてくる書類を仕方なく貰い、ファイルにしまう。
「おはようございまーす」
門番に挨拶して、入る。先を歩いていると…
「待って。しおりなくした。」
はぁぁあ???もう、知らないわ。すぐものを無くすし、忘れるし、大丈夫なのこの人!?
「あのぉ、これ、落としました?」
「え?」
眼鏡とボサボサの髪の女の子が近付いてくる。
「あ、そうそう」
バシッと女の子の手からしおりを取り、普通に歩こうとする夏生。
「お、礼、を、いいなさい!」
私はそれをグイッと引き戻し、頭を下げさせた。
「すいませんほんとコイツ。」
私も謝ると、女の子は身振り手振りで話す。
「あ、いえ、全然…むしろ私なんかが触ってしまってすみません」
こっちが謝るはずなのに…あれ、この子なんかネガティブ!?
「そんなこと、ないです…」
「じゃ、あ、これで…」
先輩かな…知らない人だったけど、知ってるような気がしなくもないんだよねぇ。
「ねぇ夏生、あの人知り合い?」
「あの人結城初音さんだよ」
結城さん!?いやいや、だって結城さんは同じクラスだけど、めっちゃ気ぃ強いじゃん!真反対だよ。
「違うでしょ!」
「…え?」
んもうー!話にならない!私はイライラしながら教室に入った。
「おはよハル。それからなっちゃんも。」
「おはよさっちゃん。」
挨拶してくれたのは、如月皐月。結構仲が良くて、めっちゃ親切だけど頭は良くない。それから記憶力もない。ちょっと見てて。
「ねぇねぇ、この前本貸したよね、あれ、今持ってる?」
多分この流れなら多分持ってない。けど、記憶力の調査だ。
「本、借りたっけ?私が借りたの、なんの本だっけ?」
必死に思い出そうとする。私はそれをいつも思い出させるんだけど、
「あの、ほら…s」
「言わないでっ!!!」
これがめんどうくさい。思い出すまで言っちゃいけないんだ。彼女はググッたら負けだと思っているらしい。
「おはよう夏生!今日も2人で登校かよ!」
思い出している間に、結城さんが夏生に声をかけてきた。
「…Pardon?」
うっざ。発音の良さがうっざ。
「さっきあったじゃん」
そうそう、気になってたこと、夏生が聞いてくれた!ナイス!
「えー?会ってないよ?」
結城さんはめっちゃ白けて言う。
「いや、いたでしょ。まぁ、いっか。」
おいおいおい!そこで諦めるなよォ。
「ねねね!思い出した!山月記でしょ!」
皐月は目をキラキラさせながら言う。
「そうだわ。」
そんなことより、結城さんのこと、もっと夏生に聞き出さなきゃ。でも、あんまり夏生と話すと、結城さんが入ってくるし…。
「気になって夜しか眠れないわ」
「聖徳太子っていなかったんでしょ」
夏生が突然、呟く。
「いや、いたでしょ」
また変な知識を…
「ねぇ結城さんのこと教えて」
「あー、あの人小学生の頃からあの地味な性格だったんだ〜」
結城さんが地味だった?じゃあ朝あった結城さんと、今いる結城さんは同じって、事?
「夏芽さん、喋らないでください。テスト近いんですから。」
先生に怒られた。まぁ私が悪いけどさぁ!正直歴史は苦手。だって分からないし。覚えられないもん。
「は、は、ハクショオン!!」
え。
「すいません」
男の子がめっちゃでかいクシャミをする。
「授業停止を図ったんだな。」
夏生は暇そうにしている。
「ノート取らないと怒られるよ」
「ノートの最初の行に最後の言葉を書けば、あたかもページが変わったかのようにできる。」
わ、ずる。それはそうと、皐月は1人でブツブツと喋っている。なんか、そういう時多い。
「地震でも来ないかな…」
私はめんどう過ぎて、呟く。
「来たら死ぬよ。もう今日僕と寝れなくなる。」
それが何?と、言おうとして止めた。なんか、寂しかったから。
「別に。」
私も馬鹿だなぁ。と、思いながら今日も一日をすごした。理科室の水道は水圧高すぎて夏生の額に直撃するし、被服室行くとセーターにめっちゃゴミ着くし、かなり最悪だった。
「ただいまぁー」
「ただいまんとひひ」
いっつも気になってたけど、なんで夏生は挨拶の語尾に厳つい動物をつけるんだろか?
「あの人ね、ずっとぼっちだったんだよ。なんか髪結ぶと性格変わるらしくて」
何その異質。ある意味羨ましいです…。
「僕はあの人嫌い。全てがだるいんだよねぇ」
「はーるか!先お風呂入るー?」
お母さんだ。今日は仕事が早く終わって、ご飯を作っている。
「そうする。夏生、どうする?」
「どっちでも。」
私は湯船に浸かりながら考える。私にとっての夏生はなんなんだろう。親戚でも家族でもないし…友達?いやいやいや。恋人?ありえない。
「ハル風呂長い」
「わぁっ!なんで勝手に入ってきてるの?!」
ガラッとドアが空いたと思うと、もう15分は浸かってたらしくて、夏生は少しおこだった。
「ごめんごめん。出るからどいて」
「ハル、どうしてあの人のことが気になるの?」
すれ違う時に言われた。それは…分からない。でも何となく、今とてつもなく調べたい気分なんだ。
「わかんない。夏生、ちゃんとボディーソープ片付けておいてね。」
もし。もしも、絶対的女王の結城さんに弱みがあれば?いつも夏生にちょっかい出してくる結城さんに…。
「え、え?!違う違う!!別に夏生がどうとかなんて…」
「どったの春花。独り言?夏生君が来てから少し独り言増えてない?」
しまった!!お母さんに聞かれてたなんて!私はそれを機に考え直す。ありえない。夏生の事が、す、好き…だなんて。
「大丈夫!ちょっとのぼせたから、部屋で涼んでくるね!」
そう、大丈夫。だって私はみんなには隠してるけど、高校二年生の王我先輩が好きなんだもの…。
あれ、王我先輩から、LINEだ。好きな人からLINEが来ると、ついついゆっくり開いちゃう。
『明日の部活の後会えますかる』
あえますかる?あ、会えますか、?だ。はてな打とうとすると、るになっちゃうこと無くはないけどね。
「会えますよ、と。」
私はウキウキしながらベットに入る。ゴロンとしながら携帯を持ち上げてみる。
『じゃあいい和菓子の店見つけたから行こう』
和菓子!いいけど、そこはちゃんと部活に関係あるものなんだね。
「お誘いありがとうございます、ご一緒させてください、っと。」
ピコピコうって、返信を待つ。そして、スタンプを見ていると…
「ぶへぇっ!」
顔にスマートフォンが直撃。超痛いんだけど…そして、もう一度画面を見るとあることに気づく。
「わぁぁぁ!!!どうしよう!!」
ハートのスタンプを鼻で押してしまった。恥ずかしいし、取り消せない…まずいまずい…。
「上がったよ…って、どないしたん」
夏生が。このタイミングで。神様は私のどこが気に入らないんだろうか。
「なんでもない…。」
夏生はさぞ興味のなさそうな顔をして、私の横をとおりすぎ、自分のカバンに手を突っ込む。
…なんで2人部屋なんだろう。ああ、たしか、部屋が足りなかったんだ。だから同じ部屋なんだ。不幸な私。
「夕飯できてるって。おばさん、仕事の飲み会だから一緒には食べれないってよ」
私は夏生に見られた悔しさと恥ずかしさで、携帯をほっぽり、すぐ部屋を飛び出した。
「先行ってて」
夏生はベッドの枕とシーツを整えてから出てくると言った。
もう、全くなんでこんなことに。階段を降りてリビングに行く。かなり親はちゃんとした方で、散らかしたくても散らかせないような状況だ。
「なにこれ。美少女誘拐事件??」
ふと、テーブルの新聞に目が届く。一番大きな見出しにそう書かれていた。美少女なんて、人それぞれの感性なのに、この編集者はどうしたんだろうか。
「ハル、明日体育あるから体操服入れといたよ」
「あ、ありがとう」
夏生はすっと席につき、おもむろに箸をとる。そして、私の方を向き直り、話す。
「ねぇ。あの人の話より、あいつの話をしようよ」
「いや指示語ばっかで喋るな」
多分『あの人』は結城さん。なら、『あいつ』は?
「あのー、あの人。さっちゃんと同じ部活で…」
「希咲向陽?」
「それそれ」
希咲向陽はなんかめっちゃポジティブな人。今年初めて同じクラスになったけど、随分明るい子だと思う。
「あいつ、」
「名前で呼んだれ」
「希咲、美少女誘拐事件の記事、手帳に挟んでたんだよ」
何それきっしょ。人気者だけどそれは無いわ。
「で、僕的にはそいつ犯人だと思う」
「いやいや、んなわけないでしょ。」
ありえない。なんで記事を挟んでただけで犯人なのさ。
お読みいただきありがとうございます!いかがだったでしょうか?またすぐ続きを出しますのでお待ちください!