表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集 ひとさじの塩  作者: 水玉カエル
6/6

6さじめ

「空気清浄機」


 僕は昨日新しい空気清浄機を買った。


 まだ発売されて3日の最新式。部屋の空気汚れを綺麗にするだけでなく、部屋の雰囲気まで清浄する。


 僕は家につくやいなや、慌ただしく箱から出してスイッチを入れた。ゴウンゴウン動き始めた空気清浄機からは、心なしかいい雰囲気がする。


 少し気分がよくなってきたので、久々にコーヒーを豆から挽こうと思い、キッチンに向かった。

 僕がフンフンと適当な鼻歌を歌いだしたその時、空気清浄機が「ガガガビビビ」という音を鳴らしてプスンと止まった。液晶にはエラーコードE845と出ている。


 仕方が無いので取扱説明書を引っ張りだし、エラーコードの項目を探した。


 「エラーコード E845 部屋の雰囲気が処理能力を超えて悪いです。時間をおいてから再起動させてください」

 

 よく意味がわからなかったが、時間をおいてから点け直して、僕はスーパーへ買い物に行った。夕飯を買って帰ると、空気清浄機は止まらずに動いている。


 その後も幾度となく緊急停止したが、高価だったのでめげずに使った。そうするうちに勝手がわかってきた。この空気清浄機は僕が部屋にいるときに必ずエラーを吐く。そのエラーに僕の機嫌の善し悪しは全く関係ない。


 あーあ、僕は機械にさえもシケたヤツだと思われているのか……。

 大きなため息をついて部屋に入ると、それまで順調に動いていた空気清浄機は、悲鳴をあげるように「ガガガビビビ」と音を鳴らしてプスンと止まった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ