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短編集 ひとさじの塩  作者: 水玉カエル
2/6

2さじめ

「ニンゲン卒業」


 確かにぼくは昨日、星空に向かってこう言った。


「ニンゲン辞めたいなあ」


 それをウッカリ耳にして、お節介を焼いた星の神様がいたらしい。

 目が覚めたらぼくはカエルになっていた。

 ニンゲン用の広大なベッドで、ぼくは呆然とした。


 星の神様にクーリングオフを願いたいが、正直、夜空には星が出過ぎていて誰が張本人かサッパリわからない。


 諦めて部屋から出ようにも、ドアはとてつもなく遠いし、窓はとてつもなく高い。例えたどり着いたとしても、到底開けられまい。


 ああ~。参った。ニンゲンに戻るか、せめてカエルとしてやっていける環境に飛ばしてくれないかなあ……。

 その時、部屋の中に閃光がビカリと入った。ぼくは少しばかり嫌な予感がした。


 くらんだ目を開けるとそこは森だった。ああ……やっぱり。ぼくはこれからカエルとして生きていくらしい。


 仕方ないと思ったぼくは、森の中を歩き、綺麗な池を見つけた。

 よし。ここを家にしよう。毎日好きなように生きて良いんだ。


 ぼくは揺れる水面に目をやると、星の神様がせっかちだってことを思い出した。

「ニンゲンに戻ってる……」


 ぼくはまたも途方にくれたが、その後目の前がビカリと光ることは一度もなかった。



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