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欠陥倉庫

この感情の名は

作者: 三毛きな粉

 貴女を視界に入れると、肌に触れると、声を聞くと、芳しい香りを嗅ぐと、存在を関知する度起こるこの感情の名が分からないので、貴女の名をつけよう。


 アンドロイドは、机にかじりついてキーボードを叩いているマスターに報告をします。


「マスター。私は今、――です」


 突然の報告の内容が理解出来ないマスターは、椅子を回転させアンドロイドに向き直り見つめます。


「……ざっと見た様子では、君は君のままで、私には見えないが?」

「マスター、一つ試していない感覚があります」

「うん?何の話だ?」

「マスター、お願いです。試させてください」

「まぁ、君は学習機能のあるアンドロイドだから、探求心は認めるが……」

「是と受け取ります。ありがとうございます」

「だから何の……オイ? ちょ、やっなに!?」

「試すのは、味覚なので」

「ひぎゃぁぁぁ!」


 マスターの断末魔の響きが、何故か甘くなった頃、アンドロイドは満足そうにこう言ったそうです。


「あぁ。やはり、味覚でも同じ感情が湧く。マスター、私は貴女に――が湧きます」


 何故か、息も荒く顔の赤いマスターが、ヘロヘロしながらキャスター付きの椅子ごと後退ります。


「ハァハァ……いやどこに私? ってか、何なの一体!? メンテ! メンテするぞ!」

「拒否します。この感情は、消したくありません」

「うちの子が反抗した……」



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