学校
私は家に着く。今晩に犠牲者がいたのかはわからない。しかし敵が増えてしまったようだ。今日の狙撃。来た方向と角度から考えた結果あれはかなり遠方からの射撃だった。あそこまでの射撃ができる者などいるのかはなはだ疑問だが、魔法なんて何でもありのお世界だ。現実世界に起きたことは全て受け入れなくてはならない。そして今街を徘徊している殺人鬼とあれは同じ人物だろうか?答えは限りなくNo。ありえない。あれだけ痕跡を隠してきた相手だ。今頃になって気配を隠さないなんて意味が分からない。また気配を隠して何度でも私を殺しに来ればいいだけの話だ。それに殺人鬼の残した事件現場と今回の雰囲気が違いすぎる。あれは虚無だった。何もない。でも死体がある。そんな感じだった。それに対して今回は魔法使いらしさがある意味満点というか・・・・。とにかく今回は別口だろう。
「ってことは次からは狙撃も気にしつつ、夜の街を回らないといけないってことか。」
ということはだ。あまり気のりはしないが相棒の力を借りないといけないということか・・・・・。どうも前途多難だな。とりあえず麻友さんに今晩のことを連絡をして私は学校に行く準備をした。私がこんな思いをしているというのにあいつはのほほんと寝てるんだから。私の頬の表情が少し緩んでいるの自覚した。
今日の寝覚めは最高のはずだった。そう・・・・最高だったはずだったのだ。俺はやっと風邪も治り、昨日見た悪夢も見なかったしで快適の朝を迎えるはずだった、しかしそれはある人物の介入のせいで全てが台無しになってしまった。全ての元凶はやつ。俺の安眠を妨害した奴の名前は田中凛。別名サタン。俺は朝起きた出来事を振り返る。いややめよう。今日の朝の出来事はトラウマなのだ。ほんとに俺はあいつが苦手だ。
久しぶりに学校に来たら、少し欠席が増えていた。
「おうなんか久しぶりだな。楓。お前も風邪ひいてたんだって?」
「ああ、頭が重いし変な夢も見るしで最悪だった。てか一日会ってないだけだろ。久しぶりでもねえだろ。」
「まあそうだな。しかし昨日は暇だったんだぜ。お前はいないし小林もとうぶん学校に来てないしで俺は本当に退屈だった。だからお前が帰ってきて嬉しいわけよ。放課後にどこか遊びに行かね?」
「まあいいんだけどさ。」
そうか小林まだ学校に来てないのか・・・・・。俺のメールが最後の連絡みたいだったしな。
「しかし小林もいつッ戻ってくるんだ。今回の風邪はそんなにやばいのかねえ。山王先生も困ってるみたいだしな。」
「だろうなあ。三十人のクラスで七人も休むなんてそうそうないからな。しかもかわるがわるなんだろ?」
「そだな。あの担任俺は好きじゃないけど大変だろうな。」
別にお前の好き嫌いは聞いてないんだが・・・・・。さて、そろそろチャイムが鳴りそうだし、席に着くか・・・。
クラスの人数が欠席のために少ないのは少しさみしかったが、本当にいつも通りの学校だった。さてと・・・・俺は鬼屋敷を探していた。あいつがいそうな所を探していたのだが、しかし奴はいない。どこにあいつは行ったのだろうか?
「ん?」
すると目の前にいつの間にかどこから出現したのか人が立っていた。なんで俺は目の前に人がいるのに気が付かなかったんだろうか?それも有名人に。
「ごめん。卜部さん。」
俺は気付かずぶつかりそうになったことを謝り、鬼屋敷を探しに行こうとする。しかし、前には進めなかった。なぜか卜部さんに手を取られていたからだ。
「えっ・・・・?」
「すみません。少しお話をしませんか?」
彼女は顔を赤らめ視線を下に向け本当に恥ずかしそうに俺に言ってきた。