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出会いの先に

作者: 白樺 小人
掲載日:2014/09/12



 ……へー、珍しいのが転がって……って、なんだ?

 何か変な気配が……おやおや。

 なんか金儲けの匂い……もとい、面白そうだから声かけてみよっ。


 そこ行く兄さん、そんなに息を切らせてどうしたんだ?


 ああ、そんなに警戒しないでくれ。

 ん?ああ、あれに追いかけられていた訳か。

 あ、そうだ。どれだけ払う?金額によっては手伝うけど。

 心配しなくても、俺この手の話には慣れてるんだよ。

 そんなこと言われても追いかけられているのは俺じゃないし、こっちには関係ないみたいだし、無償奉仕は主義に反する。

 お、毎度有り~!


 という訳で、いっちょ吹っ飛べや~~~~~!!!


 ……。


 …………。


 落ち着いたか?

 それにしても、なかなかおっかないものに追われていたな。

 何かしたのか?服も乱れて……ちょ、何をそんなに怒るんだ。

 落ち着けって!!落ち着いて、その武器は下ろそうや。な。そんなもので殴られたらこっちが昇天するって。

 ふー、まったく。普通そんな凶器を持ち歩いていたら確実に不審者扱いで捕まるぞ。

 というよりも、どっから取り出したんだよその鈍器。

 あれ?もしかしてそれ角材、だよな。何かありえないほど釘打ち付けてるからなんか違うものに見えた。

 え?間違えた?

 いやいやいや、ちょっと待て。何でフードから今度はバットが出てくるんだよ。

 あんたのフードは4次元ポケットか!どこぞの猫型ロボットの回し者か!!

 ピコピコハンマー見ても突っ込まないつもりだったんだが、どっから取り出したんだよその日本刀。

 愚問と思うがとりあえず聞くけど、それって本物……分かった。その笑顔だけでよく分かったから、もうそれはしまってくれ。

 やれやれ。恐ろしい奴を助けちまったよ。

 そんだけ武器を持ってたんだったら、別段助ける必要も無かっ……あ?そうでもないのか。

 意外だ。逃げ方に手馴れた感じがしたから……逃亡限定。おう、ご苦労様。

 それよりもその銃刀法違反物を手に入れたの最近って、どんな流通経路で入手したんだよ。

 見た感じ、一般人みたいなのに……聞かないほうがいいみたいだから説明はいいわ。

 そんな遠い目をされたら聞く気も失せるって。

 ん?俺?

 俺は祓いやみたいなものをやっているんだ。

 そうそう、漫画みたいなあれだよ。

 まあ、漫画ほど派手な仕事じゃないんだよな。

 この世界に入った切っ掛け?

 何でそんな事を聞くんだ?

 興味本位?まあいいや。

 単純な話、金だよ。

 けっこうこの仕事、金になるんだよ。

 必要とするのが上層の人間が主だし、それに俺はなかなか腕がいいんでね。

 ついでに言えば、なり手が少ないってのも少ない理由の一つだよ。

 特殊技能も特殊体質も必須な職だから人数少ないのは仕方ないんだけど、誰だってわが身が大切だからな。

 一歩間違えれば普通では対処出来ない状況に追い込まれること決定の職に、好き好んで就きたがる奴は少ないよ。

 俺はその点、何も問題なかった。

 んだよ、何か文句でも?

 学生のくせにって、言ってくれるな。

 学生でももろもろの裏事情のある苦学生には金が必要なんだよ。手っ取り早く稼げるから選んだだけだ。

 これに関しては別段謝る必要なんか無いよ。

 ただ単に俺には方法が他に無く、選べる道も無いと思ったから、一番簡単で単純に考えてこの道に入っただけなんだ。

 それに色々と問題があったんだよ。

 特に、一般社会に溶け込む方向で。

 俺は見え方、というかそっち方面の関わり方がかなり特殊だったせいで日常生活が常に問題だらけだったんだよ。

 そのせいで出席日数に大問題が発生してるんだよ。

 お、その目は俺の成績も大した事無いとか思っているな。

 ふふん。期待に背いて済まないが、俺の成績は学年上位だよ。

 ……おい、ちょっと待て。何故にそんなにも残念そうな顔をするんだよ。本気で失礼な奴だな。

 くそっ、料金割り増しで請求してやる!


 っと、そういや話が脱線したが、本当に何であんなものに追われてたんだ?

 それにあんたの気配、というかまとわり付いているものがなんだか普通じゃないんだが。

 ……なんだよ、その左腕。

 初めて見るぞそんなもの。

 へー、あれはそれを目印にして追いかけてきた、ということか。

 そんな話、今まで見た事も聞いたことも無かったが、事実は小説よりも何とやら、ってやつか。

 あん?俺が手に持ってるもの?

 そういや忘れてた。

 これか?

 これは見ての通り石だよ。ただの石とはちょっと違うがな。

 この石は俺らみたいな職業では補助代わりになる物で、時折こうした何の関係も無いような場所に落ちてることがあるんだよ。

 ま、品質ははっきり言って粗悪品だけど、無いよりはましな代物だ。少しいじれば使えないことも無いから、見つけたら拾うようにしてるんだよ。

 拾うのは時の運なんだけど、こうして小銭を節約してる……みみっちいって言うな!

 道具の料金がバカ高いからこうやって節約してるだけだろうが!

 それに最近、色々と経費が嵩んでてカツカツなんだよ。

 あのなぁ、俺に遊んでいる暇があると思うか?

 生活費以外にも、弟達の学校行くための費用に当ててるんだよ。

 初対面の人間にこんな事まで話すのもなんだが、俺施設の住人なんだな。

 この体質のせいで結構迷惑かけてるし、迷惑料込みで金払って住まわせてもらってるんだよ。

 意外とこういった方向には寛容な人たちが経営してたんで、色々助かってるから、まあ、そういう訳なんだよ。

 そんなことより、興味あるんだったら触ってみるか?ほら。


 ……へ?おいおいおい、待て待て待て、あんた何者!?

 ありえない。

 ありえなさ過ぎる。

 どうなってるんだよ。常識無視もここに極まれりだぞ、それは。

 何で黒かった石が透明に変化してるんだよ。

 おまけに品質まで……俺、立ったまま夢でも見てるのかな。


 ……なあ、あんた本当に人間か?


 うおっ、ちょっ、待てっ!

 本気でどうなってるんだよ、あんたのそのフードは。何で今度は鬼の棍棒みたいなのが出てくるんだよ!

 うわっ、泣きながらそんなもの振り回すなって。危険だから、落ち着けって。

 何か傷を抉った発言したみたいだから、とりあえず謝るよ。

 ごめん。だからそれ早く下ろしてくれ!!


 ……ふー、本気で恐ろしい奴だ。

 タオル要るか?

 予備を持ってるから。心配しなくても未使用だぞ。

 それにしても、何でそこまで怒るんだ?

 へー、俺に会うまでにそんなことがあったんだ。

 命の危機にていそ……貞操の危機ぃい!?

 一体何それ?

 いや、詳しく説明してくれなくて結構です。何かあんたの表情見てたら詳しく聞きたくな……聞きたくないって言ってるだろ。

 おい……え?それは…………あー、なんだ。

 とりあえず、助かってよかったな。あんたをだました奴は自業自得だよ。うん。

 まあそんなくんずほぐれつを目の前に見せ付けられたあんたには同情するけど、そこまで詳しく説明するなよ。

 俺、健全な男子高校生なんだぞ!

 あん?

 ……あのなぁ、そんな不毛な世界とは無縁でいたかったよ!誰が感謝なんぞするかっっ!!

 とりあえず分かったから。

 追いかけっこな肉体的苦痛プラス未知なる世界を見せ付けられた精神的苦痛の果てに、見知らぬ相手に人外扱いされたから怒った訳ね。

 嫌な三段論法だな。

 で、あんたを追って来てたのは……また別件なの。あ、そ。

 美味しそうって言われたのか。ソリャヨカッタネ。









 あー、ヤレヤレ。

 とんでもないのに遭遇したなぁ。

 ま、臨時収入が入るのはよかったし、結果オーライだよ。そういう事にしとこう。

 でも提示した金額、かなり高額だったのに普通に出すとか言ったぞ。

 本気であいつ何してる人だろう。

 いや、突っ込むのは止めとこう。


 ……あ゜。

 石の事すっかり忘れてた。

 どう見ても品質最上級品に変化してるんだけど……なんか使ったら嫌な予感がするんだよな。

 小さな厄介事が減る代わりに、大きな厄介ごとに巻き込まれるような。

 売っても更なる厄介ごとを引き起こしそうだしぃぃっっ!!

 …………はぁ。

 今度、金を払ってくれるって言ってたから、そん時にでも突っ返そう。

 よし。

 そうと決まった、ら……。


 …………?



 ………………っっ!!!









 ―――後 ろ の 正 面  ダ  ア  レ









とりあえず、これでひとまず打ち止めです。

生き残れるかは闇の中。

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