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第一話 青春の一歩

 「うぅぅ......ん」


 午前七時五十分、青木律歌(あおきりっか)は目を覚ました。

真夏の日差し、太陽がギラギラと窓から照りつける。


 高校一年生の夏、青春の全盛期と言っても過言では無いこの季節。

呑気に過ごしていると、あっという間に過ぎていく青春の香り。


 「今何時......? もう八時じゃん!!」


自室の布団から飛び起きた律歌は、リビングへ駆け出した。

食卓には妹と母、玄関にはもう出勤しようとしている父。


 「おお、お姉ちゃんがお父さんの出勤前に起きたの久しぶりだ〜」


妹の詩歌(しいか)が、物珍しげな声で言った。

母も驚いた表情をしている。


 「今日は朝ご飯食べれるわね、律歌」


 「早く食べないと遅刻する!」


 そんな遅く起きるからだ、と玄関から声がする。

まさしくその通り、夜遅くまで動画配信サイトを見ていた律歌が悪い。


 「わかってるよパパ! 昨日はなんか眠れなかっただけ!」


 「そうかそうか。まぁ朝ご飯はちゃんと食べてから行くんだぞ。じゃあ、いってきます」


 いってらっしゃい、と家族全員で送り出した。

 朝ご飯を早く食べなければ、今日の青春を取り逃がす。


律歌が焦るのも無理はない、今日は土曜日、文化祭当日なのだ。


 青春の大きな一ページ。逃すわけにはいかない。

律歌は詰め込めるだけパンを口に詰め込んだ。


 口の中をパンでいっぱいにしたまま、制服へ着替える。


 「律歌、そんな焦らなくても、開催は九時でしょう?」


急いでパンを噛み砕き、飲み込む。


 「ママと詩歌はその時間だけど、私は準備があるの! 急がないと遅刻する!」


 妹の詩歌は中学二年生。この日はたまたま休校なので、姉の文化祭へ。


制服へ着替え、文化祭で使う荷物をまとめ、軽音部で出し物をするため、ギターを背負う。


 「それじゃあ、いってきます!!」


律歌は、大事な一歩を踏み出した。


これからの人生を変える一歩を......

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