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破離刃離☆勇者ハリガネⅢ~俺達は“炎の守護神”と恐れられている魔獣を討伐しないと王国へ帰れま1000!! ~  作者: 田宮 謙二


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十数人の男達を背負う謎の男


好きな物や好きな事かいっ!?


フフフ...。


よくぞ聞いてくれたっ!


そうだね~!


やっぱり女の子のいるパブとかそういったお店でお酒を飲むのは格別だよね~!


あとは、一緒にホテ...。


あっ! ちょっ! ちょっと~!!






~さすらいの遊び人、ジューン~



「昨日、巡回中にケチャップ共和国軍の部隊と鉢合わせしてな。あっちの隊長から、お前と物々交換の取引したって魔獣の部位見せつけてきたんだよ~。ムカつくから、今度あっちの本部にチクってやろうかなって思ってるところさ~。それに、お前はさっき薬草採集って言ってたけど...。本当は商人のふりして通行人とも物々交換の取引してたんだろう? 荷車の中にある物は山菜だけじゃないみたいだぜ~? 」。


「...」。


神妙な面持ちで黙って聞いているハリガネを余所に、ソイ=ソース共和国軍隊長は悪戯っぽく笑いつつ取り出したその魔獣の角を眺めながら話を続ける。


「そのついでに、お前がその懸賞金に関して尋ねてきた件についても隊長から聞いてたんだ。結論から言うとソイ=ソース国の方もデイの懸賞金は上がってないし、王国との友好条約上で国も軍もお前に懸賞金を懸ける事はあり得ないな」。


「そうですか...」。


ソイ=ソース共和国軍隊長は神妙な面持ちのハリガネを怪訝そうに見つめた。


「しかし、何で自分に懸賞金が懸けられているなんて思っているんだ? 一体、誰からの情報なんだ? 」。


ソイ=ソース共和国軍隊長がそう問いかけるとハリガネは神妙な面持ちを保ったまま、ゆっくりと口を開けて話を切り出した。


「ケチャップ軍の隊長にはそんなに詳しく話してなかったんですけど...。ソイ=ソース軍隊長のおっしゃる通り山脈付近で狩った魔獣の部位や王国で支給してもらった物資を元手に、山脈に入り込んでからは旅人や通りかかった傭兵と取引を行っていました。勿論、単に取引をしているだけじゃなくて偵察を兼ねています」。


「つまり、物を売りながら通りすがりの人間に聞き込みをしてたという事か...」。


ソイ=ソース共和国軍隊長がそう相槌を打つと、ハリガネは小さく頷きながら話を続けた。


「それで、この間に僕が商人に成りすましていた時、ハンターらしき通行人から聞いたんですよ。国外追放になった反逆者のハリガネ=ポップには、ハンターや賊団の界隈で首に賞金が懸けられているという情報を手に入れましてね。どうも、僕の首を懸けたのはソイ=ソース国出身の人間らしいんです。何か心当たりがありませんか? 」。


ハリガネはモッツァレラチーズ渓谷で遭遇した賊人の発言とジューンの話を()()()()()()()()()()()、その事をソイ=ソース共和国軍隊長に話した。


「いや、そんな情報は知らないぞ。それは本当なのか? 」。


ソイ=ソース共和国軍隊長は険しい表情でハリガネにそう問い返した。


「いや…聞き込みによる口頭での情報ですから断定はできないんですけど、自分が賊団やハンターから狙われているっぽいんでね~。ちょっと、気になってたもんで~。ソイ=ソース国って名前も出していましたし。軍の方でもそういう情報はやっぱり無い感じですかね」。


ハリガネがそう問いかけると、ソイ=ソース共和国軍隊長は頷いた。


「うむ...。悪いがそういう情報は全く無いし、軍でそういうのがあったら大事件になるしな...。ただ、それは気になる情報だな。一応、本部の方で何かしらの理由をつけて軍と賊団間に接触の有無を調査してもらおう...念のためな」。


「その方が賢明な対応だと思います」。


ハリガネが真剣な眼差しでそう返すとソイ=ソース共和国軍隊長は頷き、不意に視線をハリガネの着ている毛皮のコートに視線を移した。


「でも、そうかぁ~! 賊団とかに狙われてるからそんな毛皮の羽織物なんかしてんのかよ~! 」。


「へへへ~! 似合ってます~? 」。


ハリガネは悪戯っぽく笑いながらコートに付いているフードを被り直した。


「なんか、逆に目立つわ」。


「え~? マジっすか~? 」。


「しかし、器用なもんだな~。剥いだ魔獣でこんな毛皮のコートなんか作れるのか~」。


ソイ=ソース共和国軍隊長がコートをまじまじと眺めていた...その瞬間。


ピキィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン...ッッ!!


「...ッッ!? 」。


ジャキ...ッッ!!


ハリガネとソイ=ソース共和国軍の部隊は一斉に山脈の方向へライフルの銃口を向けた。


(凄まじい気配だッッ!! 二足歩行でゆっくりとこっちに近づいてくるッッ!! ヤマナカやコブシみたいな凄まじい闘気を感じるぞッッ!! 山脈方面からまだ姿は見せていないが、凄まじい熱気を感じるぞッッ!! )。


強烈な威圧感を感じ取っていたハリガネはライフルを構えたまま、接近してくる生命体を待ち構えていた。


「...ッッ!! あ、あの男は...ッッ!! 」。


ソイ=ソース共和国軍隊長が驚愕した様子でそう声を上げると、生い茂る草木の中から褐色の肌をした筋骨隆々の男が十数人の男達を背負いながら姿を現した。


(しかし、凄い闘気だ...。一体何者なんだ...? )。


ハリガネは顔を強張らせ、満面な笑みを浮かべながら歩み寄ってくる謎の男を見つめていた。





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