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破離刃離☆勇者ハリガネⅢ~俺達は“炎の守護神”と恐れられている魔獣を討伐しないと王国へ帰れま1000!! ~  作者: 田宮 謙二


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勇者の朝礼


恋愛?


...どういう事だ?


一目惚れ...?


...告白?


恋愛経験?


...。


あまりプライベートな事を言うのは好きじゃないな。



~ノンスタンスのメンバー、アゲハラ~





ドゴォンッッ!!


挿絵(By みてみん)


「痛っってえぇぇぇっっ!! 」。


またしてもゴリラ隊員から拳骨を食らい、ハリガネは殴打された頭を抱えた。


ハリガネはゴリラ隊員に今日だけで早くも四回しばかれている。


「テンメェェェェエエエエエエエエエエエエエッッッ!!! ここを何処だと思ってんだぁぁぁぁあああああああああああああッッッ!?!? 本ッッ当に死にてのかぁぁぁぁああああああああああああああッッッ!?!? いや、お前が死ぬ前に俺がお前をぶッッ殺すぞぉぉぉぉおおおおおおおおおおッッッ!?!? 覚悟はできてんのかぁぁぁぁああああああああああああッッッ!?!? オラァァァァアアアアアアアアアッッッ!?!? 」。


「ぐぁぁ...。ク、クルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイ...」。


激高したゴリラ隊員はそう叫びながらハリガネの胸倉を強引に掴み、その身体を高々と持ち上げた。


「い、いやっ!! 俺だって分からないっすよっ!! 彼女達が賊人に襲われていた理由なんてっ!! 」。


身体を無理矢理持ち上げられたハリガネは苦悶の表情で浮かべながらそう反論した。


「分かんねぇぇえええええだとぉぉぉぉおおおおおおおおおッッッ!?!? 」。


「それどころじゃなかっすもんっ!! “アルマンダイト”に渓谷で遭遇したんっすよっ!? 逃げるのに精一杯で事情聴取なんかできないっすよっ!! 」。


「じゃあ、何でここまで連れて来たんだぁぁぁぁああああああああああああああああッッッ!?!? 」。


「い、いやっ!! あのオッサンが勝手に連れてきたんですからっ!! 俺にそんな事聞かれても困りますよっ!! そ、それにっ!! オッサンがあの後に場を仕切って勝手に話を進めるし結構深い話だったしっ!! 俺達が彼女達から当時の状況を聞き込みをする空気でもなかったじゃないですかっ!! 」。


「テメェッッ!! 軍人のくせに戦地でナニ空気読んでんだよッッ!! 」。


「お互い様でしょうがっ!! ゴリラ隊員だって普通に相槌打って、相手側の話に合わせてたじゃないっすかっ!! 」。


「確かにそうだなぁぁぁぁあああああああああああああああああッッッ!!! 」。


「...」。


ノンスタンスのメンバー達は凄まじい剣幕でハリガネを怒鳴り散らすゴリラ隊員にすっかり怯えていた。


「ま、まぁまぁっ! ゴリラさんっ! そんなに朝から怒ってたら一気に血圧上がっちゃいますよっ! 」。


見かねたパルスが激高するゴリラ隊員をなだめ、椅子に座るよう促した。


「フンッ!! 隊長、朝礼再開だッ!! 」。


ゴリラ隊員はすっかり機嫌を損ねた様子で、どかっと椅子に腰をかけて両腕を組みながらハリガネにそう促した。


「ごほっ...! げほっ...! (クソがよ...。最終的に逆ギレかよ、この脳筋め...)」。


ゴリラ隊員に解放されたハリガネも咳き込みつつ、心の中でそう悪態をつきながらゆっくりと椅子に腰を下ろした。


「ゴホン...。と、という事で...。“アルマンダイト”が山脈から下ってきて基地付近まで接近してくる可能性もありますんで、用を足す等やむを得ない場合で外に出る際は、一人で行動せず速やかに基地へ戻ってくるよう心がけて下さい。ブルーチーズ湖付近も賊人やノンスタンスの残党が潜伏している事がほぼ濃厚ですので、引き続き警戒を怠らないようにして下さい。あと、緊急事態では携帯している警笛を鳴らす事も念頭に置いといてください」。


()()みたいに携帯し忘れて魔獣や複数の賊人に襲われないようにな」。


ゴリラ隊員が棘のある言い方をし、遠回しに()()へ向けて苦言を呈した。


「...」。


周囲の視線を浴びながらその()()の張本人であるハリガネは、ぶすっとした表情でしばらく黙り込んでしまった。


「そ、それで隊長っ! 今日の日程の方は...? 」。


その様子を見かねたヤマナカがハリガネに問いかけた。


「え? あ、ああ...。え~と、午前中は外の監視はせずに部隊全員で情報共有のためのミーティングを...」。


ハリガネ達が引き続き朝礼をしている時、目を覚ましたキュンが隊員達の方へ近づいてきた。


「キュンちゃん、大丈夫...? 」。


ワンムーンとマーシュは心配している様子でキュンの下へ歩み寄った。


「ありがとう、もう大丈夫」。


キュンは笑顔で二人にそう答え、隊員達の方へ向き直った。


「...昨晩は取り乱して申し訳ありませんでした」。


キュンはそう言って隊員達に深々と頭を下げた。


「ああ、大丈夫。まぁ、気にしてな...あっ! そうだ! ちょうどいいや! 君達ちょっといいかな? 」。


ハリガネはそう言って彼女達を手招きした。


「...? 」。


彼女達は困惑した表情でお互いの顔を見合わせていた。


「おいッ!! お前等ッ!! 救世主様から直々のご指名だぞッ!? コラッ!! ちゃっちゃと動けやぁッ!! 」。


隅っこで固まっていた集団の中からローが飛び出してきた。


とぎのご指名ですねっ? 救世主様っ! どの女子にしますかっ? 」。


「だから、救世主様ってのはやめろって。あと、風紀が乱れるから基地内では()()()()()は禁止。あと...」。


ハリガネはグロッキー状態のアネックスに視線を向けた。


「うっぷ...うぐ...」。


「...飲酒も禁止な」。


吐き気をもよおしているアネックスはキュンが使っていた寝具を占領し、布団の中で二日酔いと戦い続けていた。




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