何で自分の考えてるように上手くいかないんだっていう事...あるよね
まさかまさかのポンズ王国兵士との遭遇やぁ~!
エラいこっちゃあ~!
...ところで、皆さんは知ってまっか?
この作品の登場人物は業界関わらず有名人の元にして構成されてるんですわ~!
皆さんもこのキャラはこの人のパロディーなんやなっていう事を想像して読んでくださいな~!
ちなみに私は誰が元になってるでしょうかねぇ~?
~ノンスタンス副頭領、白装束のホワイト~
「ありがとうございますぅ~!! いやぁ~!! 助かりましたわぁ~!! あのままだと何もできないまま魔獣達に殺されてましたわぁ~!! 」。
ホワイトは満面の笑みを浮かべながらハリガネ達に礼を言った。
「フン、礼を言うのはこっちの方だ」。
ハリガネは鼻を鳴らしてホワイトに素っ気なくそう返した。
「...へっ?? 」。
ホワイトはキョトンとしてハリガネに視線を向けた。
「お前等ノンスタンスがこの周辺に近づいているという事は諸国の軍隊から聞いていた。しかも発見したお前は単体で行動しているだけではなく、魔獣達に襲われている最中だったからな。こっちからしたらこの上なくラッキーだしな。お前を人質にすれば仲間も下手に動けんだろう」。
「あ、だから僕は両腕を縄で縛られてるんですね」。
ハリガネの答えに、ホワイトはそう呟くように言って自身の身体を見回した。
ホワイトの上半身は縄でグルグル巻きにされており、両腕の自由が奪われていたのだ。
魔獣“アゲート”達との戦闘後、ハリガネ達はホワイトを拘束してチェダーチーズ山中を歩き続けていた。
「それで、何でお前は一人であんなところにいたんだよ? リーダーのデイや他の仲間達は何処にいるんだ? 」。
「あっ...。えと...」。
ホワイトは明らかに困惑した様子で、表情を曇らせながら口ごもっていた。
「...別に言わなくてもいいけどな」。
ハリガネはそう言いながら銃口をホワイトの頭部に向けた。
「うわぁぁぁぁああああっっ!? やっ!! やめてくださいよっっ!! 人に銃口向けたら危ないですってっっ!! 」。
「じゃあ、答えろ」。
「いっ!! いやっ!! 別に言いたくないわけではないですっっ!! ただ、デイとはちょっと喧嘩をしまして...」。
「喧嘩? 」。
ハリガネが眉をひそめてそう言うと、ホワイトは再び表情を曇らせて小さく頷いた。
「以前、僕とデイが図書館でハリガネさんと鉢合わせしたじゃないですか~」。
「ああ、お前等ノンスタンスが王国に侵略してきた夜だったな」。
ハリガネがそう返すと、ホワイトは再び頷いて話を続けた。
「ええ、それで僕達は命からがら王国から脱出できたんです...。ソイ=ソース国付近に仮拠点があって潜んでいたんですが、それを現地の兵士にバレてしまいまして...。それで追われる形で山脈の方まで逃げてきたんですけど、その山脈でデイやその取り巻き達と逃亡中に揉めてしまいまして...。僕は十数人程のメンバーを引き連れて山を下ってきたんですわ」。
「ふむ...。そうなると、ノンスタンスは今のところ仲違いしてデイ派とお前等ホワイト派に分かれているという事か...。つまり、デイ達は今もパルメザンチーズ山脈に潜伏しているという事か? 」。
「はい、ここまで下ってきてないと思います」。
ホワイトがゴリラ隊員の問いかけにそう答えると、ハリガネは納得いかな様子で小首を傾げた。
「さっき他のメンバーの一部と行動していると言っていたが、他の連中はどうした? それにもう一度聞くが、何であの場にお前一人だけしかいなかったんだ? パルメザンチーズ山脈近くは凶暴な魔物が多いから単独行動なんて自殺行為に等しい事をお前は知っているはずじゃないか? 」。
ハリガネがそう問いかけると、ホワイトはうつむきながら口を開いた。
「食料を調達していたんですわ...。もう、みんなここ数日はろくに食事をしていないんです...。連れてきたメンバーのほとんどが子供達なんですわ。それで、山中は危ないから他の男性陣は見つけた洞穴に残って一緒に隠れてもらって、僕だけで食料を探していたんですわ...。そしたら魔獣と遭遇してしまって...」。
「う~ん、自分達がそういう状況下であったとしても山中を単体で行動するのは危ないだろう」。
「でも、仕方がなかったんですよ...。山中を集団で行動したら戦闘能力の無いみんなの命が危ないですし...。せやかて、このまま拠点にしている洞穴に留まってばかりだと餓死しちゃいますし...。本当に二進も三進も行かなくて...」。
ハリガネの問いにホワイトはそう答えながら、うなだれて溜息をついた。
「...にしても、このチェダーチーズ山にはとても食料になりそうな魔獣も植物もなさそうだけどな」。
ハリガネはホワイトにそう言いながら辺りを見回した。
「もう、魔獣から追われていたので戻る道も分からないし、拠点の洞穴は他のメンバーが“サイレンス”で気配を消していると思うので仲間達の魔力も感じ取れない状態です...。完全にはぐれてしまいましたわ...」。
ホワイトはそう言って再び溜息をついた。
「つまり、デイの動向も分からない感じか...」。
ハリガネがボソッとそう呟くと、ホワイトは黙ったまま小さく頷いた。
「ちなみに聞くが、お前のリーダーであるデイが俺達に遭遇したら...。やはり俺達を殺しにかかる、か...? 」。
ゴリラ隊員がそう問うと、ホワイトは眉間にしわを寄せて長考した。
「多分...。そうなるんじゃない...かと...」。
ホワイトの返答を聞いたゴリラ隊員は小さく頷き、神妙な面持ちでハリガネに視線を移した。
「アルマンダイトにノンスタンス...。色々と面倒クセーなぁ...」。
ハリガネは舌打ちし、ばつが悪い表情で地面を見下ろしていた。




