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破離刃離☆勇者ハリガネⅢ~俺達は“炎の守護神”と恐れられている魔獣を討伐しないと王国へ帰れま1000!! ~  作者: 田宮 謙二


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ファイナルアンサー


...。


...。


最近、調子はどうや?






~白いローブを纏った謎の男~





「何という祖国への忠誠心っ! 何という熱き信念っ! 国は違えどミツカ勇士はまさに兵士の鑑でありますっ! 共に“アルマンダイト”を討伐しましょうぞっ! 」。


ヤマナカも立ち上がって涙を流しながらミツカと共にポージングを取り始めた。


「...さて、ミツカさんの近況を確認したところで、隊員の皆さんの意見を聞きたいと思います。まず、僕の意見ですがミツカさんをこの部隊に加入する事に賛成したいと思います。ヤマナカの証言と先程モニターに流されていたニュースの内容を確認したところ、この方はミツカ=サウスタウン工兵という事が濃厚ですね」。


二人がパフォーマンスを通じて白熱しているのを余所に、ハリガネはそう主張しながらモニターの画面を指差した。


「う~ん、亡くなったミツカさんの葬儀も火葬も昨日刑務所内で済ませて、その遺骨も国家が保管する事になっているのか~。しかも、遺族や関係者には事後報告で済ませて批判されてるみたいだし、さっきも隊長が話してたけど、ソイ=ソース国が国民の目を盗んで丸く収めようと裏面工作している感が拭えないっすね~」。


パルスは口をへの字にしながら画面に映っている映像を眺めていた。


その映像には原稿を読みながらニュースを伝えている女性キャスターの姿が映し出されており、キャスターの後方には当時のミツカがボディビル大会でパフォーマンスをしている画面が映っていた。


「さっきミツカさんから一通り話を聞いた後だから、こういうニュースを見ちゃうとソイ=ソース国のムーブメントが余計に不可解に思えてきちゃうんだよな~。それに、先程も言いましたけどミツカさんが僕等を騙すメリットが無いですし、国家の都合でソイ=ソース国から追い出されたと考える方が辻褄を合いますね。ずっとソイ=ソース国のために貢献してきた兵士が、敵対する山脈賊団になびくのも考えにくいし...。それで、パルスさんはどうでしょうか? 」。


「僕も賛成っすね~! 僕もミツカさんの事は王国でもちょくちょく聞いてはいたんでね~! そんなパワフルな元兵士が部隊に入ると戦力も上がりますしね~! それにミツカさんは工兵出身だし基地内でも色んな事ができそうっすね~! なっ! お前もそう思うだろ? 」。


パルスはハリガネに賛同しながら隣に座っているシアターにも話を振った。


「あ、はい。絶対に頼りになると思います」。


シアターもパルスと同様、ミツカの加入に賛成の意を示した。


「ヤマナカは...。まぁ、賛成だろうな」。


ハリガネは未だにミツカとパフォーマンスを続けているヤマナカを横目で見ながらそう言った。


「それで、ゴリラ隊員はどうです? 」。


「...」。


話を振られたゴリラ隊員は両目を閉じて両腕を組んだまま椅子から立ち上がり、ハリガネ達から背を向けた。


「...この部隊の隊長は誰だ? 」。


ゴリラ隊員が厳かな口調でそう問い返した。


「いや、僕ですけど...? 」。


ハリガネは眉をひそめながらゴリラ隊員にそう答えた。


「うむ...。お前がこの部隊の隊長だ。つまり、隊長のお前に決定権がある」。


「...と、申しますと? 」。


「...お前が決めろ」。


(最初は否定的だったくせにっ!! 急に面倒臭くなりやがったなっ!? 隊長も押し付けといてっ!! 結局またそれかよっ!! この脳筋野郎がっ!! )。


最終的にファイナルアンサーを押し付けられたハリガネは、ゴリラ隊員の背中を睨みながら心の中で悪態をついていた。




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