↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
1/19

prologue

 携帯電話の通知ランプが点滅している。

 水色の光が、うっすらとまわりを照らす。


 昨日、夜遅くまでゲームをしていたせいで、瞼が重い。


 携帯電話に手を伸ばしてそれを手繰り寄せるが、充電のコードがどこかに引っかかっているのだろうか、あまり手元に寄せられない。仕方なく寝返りをうって、顔を近づけた。

 そして、その光がSNSの新着の通知であることを確認すると、そのまま携帯電話を元の位置に戻して枕に顔を埋めた。


 フレンドなんて大していない。

 高校時代の友達が毎日のように、自分の子供の写真とか、ペットの写真とか、作ったものなんかを逐一UPしているから、今回もきっとそれだ。


 はい、はい。幸せアピール、ご苦労様!

 羨ましくなんかないけどね! 決して!


 まだ寝ていて良い時間のはずなのに、少しずつ目が覚めてくる。歳とともに眠れなくなるとは聞いていたけど、私ももう歳ってことだよね、と心の中で独りごちる。


 裏返しにした携帯電話から、通知の光が漏れている。

「私を忘れないで。」と、言っているようだなと思う。


 目を瞑る。


 ん?


 はっと目を開けてもう一度、携帯電話に手を伸ばし、その画面を確認する。


 7:28


 あれ?私、今日何時に起きるんだっけ?

 そういえば、昨日は午前中に市役所に用事があって、アラームの時間を変更…したな。そう、いえ、ば!

 ガバっと起き上がり、携帯電話を充電器から外す。


 昨日のガチャ運といい、運が無さすぎる!

 アラームは自滅だけどさ!


 ばたばたばたと準備をしていく。寝坊は慣れたものだ。その時の合言葉は「焦りは禁物」だ。朝食は仕事中に何か軽く摘まめば良い。ササっと着替えて、パパっと化粧なら、まだ遅刻は無いはずだ。履きなれたヒールに足を入れ、行ってきます!と、ドアを勢いよく開けた。時計を見れば、少し余裕もできたぐらいだ。


 よしよし、今日も大丈夫。


 アパートの階段を下りながら、さっきの通知が何だったかを確認する。ついでに「ガチャ、撃沈。」って投稿して、朝からフレンドを不幸な気分にしてやろう。


 と、思ったその時に…「ぽこん」と音がして、メッセージが届く。


「ねえ、あのゲーム覚えてる?」


 高校時代の友達からのメッセージだった。

 そこまでは、覚えている。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。