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最強のSランク冒険者?…実は神の使徒です  作者: VAN
第1章 Sランク冒険者編
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第七話 討伐


僕は今、森にいる。

王都の南門から出て1時間程歩いた所に、今回討伐依頼が出ているオークの群れがいる森がある。


オークの群れを探す為、森の中を歩いている。

こういう時、《探索》魔法が使えれば楽なんだけどな。神殿で水晶を割った僕は、魔力はかなりあるはず。たとえ魔法神の加護が無くとも、しっかり勉強すれば魔法も使えるはずだが、生憎まだ使い方が分からない。誰かに教わるか、魔導書を読めば使えるようにはなるだろう。だが、僕は加護を授かり冒険者になってまだ4日だ。

当面の目標は決まったな。今日オークを倒し、どれくらい剣が使えるのか試した後は、サランド領に戻り次第魔法の勉強をしよう。やっぱり、目標があるっていいね。



あれから30分程歩いただろうか…。

なんとオークが集落を作っていた。

お世辞にも立派な家とは言えないが、ゴブリンの作る家と比べたらかなりいい出来の藁を使った家だ。

オークの群れとは聞いていたが、まさか集落まで作っていたとは。


気配を消して気づかれる前に切っても良かったが、それでは僕の力試しにはならない。

僕は正面からオークの群れに姿を現した。


「君たちに恨みはないけど、討伐させてもらうよ」

僕はそう言いながら剣を抜いた。


オーク達は警戒しているのか距離を保ちながら威嚇している。


そんなオーク達に向かって、僕は剣を全力で振るった。横一線に振るった僕の剣通りに、正面にいたオーク達は真っ二つになった。

目の前には上半身と下半身が分かれたオークの死体が13体。そして、屋根を失った後ろにあった家の中にいたオーク8体。その全てが一度振るった剣によって倒されていた。


「…」

まさか一振りで終わるとは思わず、僕は言葉が出なかった。ここまで強くなってるなんて…剣神の加護+祝福の効果がどれだけ凄いのか思い知った。


「確かにこの力なら、神の使徒以外には負けないな」

僕は独り言を言いながら、オークの死体から魔石と納品用の肉を剥ぎ取っていた。


外のオーク達から剥ぎ取り終えた後、家の中にある死体の方に向かった。


「あれ?一体だけ体格が良く、ツノが生えてるオークがいる」

オークの上位種かな?折角だ。魔石と肉だけでなく、ツノも持って行こう。僕は上位種含め残りの8体の剥ぎ取りを終えた。

あとはギルドに戻って報酬を貰うだけだ。


それにしてもさっきの一振りの威力、凄かったな。

よく見たらオークや家どころか、あたり一帯の木が全部切れてる。力の調整できるよう訓練しないとな。

僕の目標がまた1つ増えた。



魔石を取り除き、オークの死体が消えたのを確認し、僕は腰を上げた。

王都に向け、森の方に歩き始めた時、それは突然やってきた。


「あれは…ブルードラゴン!何故ここに?」

王都で見た依頼票に書いてあったブルードラゴンの生息地は、この森を更に奥に進んだ所にある山だ。

こんな王都から1時間や2時間で着くような場所には居ない。


…ブルードラゴンは、僕が薙ぎ倒した木々の上に着地した。

僕の方を見ながら警戒しているのが分かる。

いつでもブレスを吐けるように臨戦態勢を整えていた。


「ふっ、まさか…初討伐依頼でドラゴンと戦うことになるとはね…」

僕は額に汗を垂らしながら、再び剣を抜いた。

いくら僕が強くなったと言っても、相手はドラゴンだ。

おそらく一筋縄ではいかないだろう。

正面から戦ってはダメだ。

何としても背後を取る。


僕は剣を握りしめ、思いっきり地面を蹴った。

凄いスピードでドラゴンの足元まで辿り着いた。

だが流石ドラゴンだ。僕の動きが見えているのか、右手でドラゴンクローを放ってきた。

僕は再度地面を蹴り、右に避け、今度は前進する様に地面を蹴った。


――よし!背後は取った。

僕はドラゴンの首めがけ、ジャンプした。

ジャンプする際、ドラゴンの尻尾があったので一閃。

尻尾が切れた。


驚いたブルードラゴンが後ろを振り向こうとした時、僕は既にドラゴンの首を確実に落とせる射程圏内に捉えていた。


ドラゴンがブレスを吐こうとするが、僕の剣の方が早かった。ドラゴンの首が切れ、倒れた。


「はぁ…はぁ…危なかった。尻尾切る前に首切るべきだった。…でも、ドラゴンに勝ったっっ!」

僕は嬉しくてガッツポーズをした。


だか、4メートルはあるだろう巨体。ドラゴンは珍しく貴重であり、全身が素材になる。だか僕の魔法バックには入り切らない。おそらくオークの素材全部出しても無理だろう。

折角のドラゴン。勿体無いが頭、翼、尻尾を入れ、残りの空いたスペースギリギリまで鱗、爪を入れた。

まだまだ剥ぎ取れる物はあるが、諦めるしかない。



ギリギリまで吟味し、剥ぎ取り終え、王都に着いた時にはもう辺りは暗くなっていた。

電気は無いが、魔導具により王都は夜でも明るい。


――――――――――――――――――――

☆王都



王都ギルドに向かって歩いていると、今回泊まる宿の前を通った。

「坊や。遅かったわね。ほら、飲み行くわよ。」

宿屋の前で僕の帰りを待ってくれていたのか、ソルティナと(元)黒焦げベスタが居た。


「ごめん。予想外のモンスターと遭遇して、時間がかかった。ギルドに報告しないとだから先行っててよ。後から合流する」

僕はそう言ってソルティナとベスタに手を振った。


「宿屋の3軒隣の居酒屋にいるから。すぐ来るのよ」

ソルティナは僕が王都ギルドに向かって行くのを確認し、他のメンバーを呼んで飲み屋に向かった。



「お腹空いたな〜。報酬貰って早く合流しよ」

僕は空腹を感じながらも、上機嫌で王都ギルドの中に入っていった。


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