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最強のSランク冒険者?…実は神の使徒です  作者: VAN
第2章 アーリジャ大陸編
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番外編 2つのショール



皆様御機嫌よう。


ゴースリア王国第二王女、シャルミアですわ。


(わたくし)は今、王都の学園に通っています。


実は私、無類の魔法好きですの。


コーキ様が我が国に戻ってきた時、私も魔法が使えるようになって驚かせてみせます。


その為にも、日々勉強中ですわ。



コーキ様が旅立たれて2週間後、私は学園に入学しました。



私はコーキ様からいただいたショールを身に付け、学園に通っております。


黒神狼の毛皮を使った唯一の一品。

私はそう思っていました。


「は〜い。みんな。席について〜」


教室に入ってきた、魔法科の新米教師。

鋭い目をしていて怖いですわ。

なんでもこの方、魔法科の首席卒業生だとか。


首席卒業者は大体、王城の衛兵や王家直属の近衛兵として、役職に就く方がほとんどです。


でも先生は…魔法科の首席としては異例の教師になりました。


この先生から…たくさん学ばせていただきますわ!!


な〜んて思っていたら…


「「ん…!?」」


私と先生は目が合いました。


目があったと言うか…互いが身につけているショールを見ていた…というか。


な…なんで……デザインは違えど、あれは間違いなく黒神狼の毛皮で作られたショールですわっっ!!!


気になる……


後で先生に質問してみましょう。


どうやら先生も同じ事を思ったのか、追求はしてきませんでした。



――――――――――――――――――


――――――――――――――


――――――――――


自己紹介やら、学園の説明が終わり、解散となりました。


先生の名前はナチール・フォン・ファルド。

エークドル領のご令嬢だそうです。


なら尚更、魔法科の教師になるなんて…



私は教師を出る先生を呼び止めました。

もちろん、あの質問をする為に!


「あのっ……!!先生!!」


先生は私の声を聞き、振り向く。


「シャルミアさん。どうしましたか?」


学園では教師と生徒。

立場は関係ない。


「あの…その……ショールは一体誰から…?」


私は震える声で聞いてみた。


「私もシャルミアさんのを見て驚きましたが、間違いなく同じ人物から貰ったものですよ」


先生は嬉しそうにショールに触れながら言った。


目つきは怖いけど…先生もこんな表情できるんだ。



「あの…失礼ですが…。先生とコーキ様の…その……ご関係は?」


私は恐る恐る聞きました。



「ふふっ。約半年ですが、コーには魔法を教えていました」


「!!!!」


コーキ様の魔法の師匠!?

って…今、コーキ様の事を【コー】って呼んでいましたわ!!!


「そうなのですね!!お師匠様だとは思いませんでしたわ!!それにしても大分親しそうで羨ましいですわ…」



「まぁそうですね。修行中はずっと一緒に居ましたし、同じ部屋で寝ていましたから」


先生はテレッとしながら言う。



―――ズガァァァァア゛ア゛ア゛ア゛ンッ―――


余りの衝撃に、稲妻が落ちる。


そ…そんな…。


羨ましいですわっっっ!!!!!!

婚約者の私より先に………


私は少し涙目になる。



「それより聞きましたが、シャルミアさんはコーと婚約しているって本当ですか?」


先生が聞いてくる。


「はい」


私は涙目になりながら頷く。



「そうですか…コーをよろしくお願いします」

先生はちょっと寂しそうにしながらも、私に言った。



「あのっ!!私にも…魔法教えていただけないでしょうか?」

私は頼み込む。



「それって…学園の授業以外で…ってこと?」

先生が真剣な表情になる。


「はい!弟子にして下さい!!」


私は頭を下げる。



「……………わかりました。私でよければ」


「―――!!ありがとうございますっっ!!!」


――――――こうして、私は先生に弟子入りした。




―――――――約半年。


私は先生に魔力コントロールを教えてもらっている。


放課後、2人で修行。

いつもの日課だ。



「そういえば…師匠の元にコーキ様から手紙とか届いてますか?」


私はふと、気になったので聞いてみた。


「いえ、届いてないわ…シャルの所には?」


公式の場以外では、私の事をシャルと呼んでいる。

私からそう呼ぶよう、お願いしました。


コーキ様がコーと呼ばれているなら、私も親しみを込めて呼んでほしい。

王女だから、そういう風に呼んでくれる人はいないから…


師匠もそれを察したのか、シャルと呼んでくれるようになった。


本当、優しい師匠である。



「私の所にもきてませんわ…コーキ様…元気でしょうか…」


私はコーキ様の身が心配だった。


「コーなら大丈夫でしょ!なんたってSランク冒険者で黒神狼まで倒しちゃったんだから!」


師匠が私を勇気付けてくれる。

本当は師匠も、コーキ様の事が心配なのに…。



「そうですよね!」


私は笑顔で頷いた。


「さっ…早くしないと暗くなるし、修行に集中するわよ!」


「はいっ!!」



―――大好きな魔法のため、コーキを驚かせるため、シャルミア王女は今日も頑張るのだった

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