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最強のSランク冒険者?…実は神の使徒です  作者: VAN
第2章 アーリジャ大陸編
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第二十三話 カリンvsシャルバ



――――ブォォォォォ―――――


僕達は今、アーリジャ大陸の上空を飛んでいる。


黒龍のクラさんがかなりのスピードでスヴェール王国に向かってくれている。


ドラゴンの姿が見え、騒ぎにならないよう雲の上を飛んでいる。


それにしても本当に早い。

もうガラム帝国の上空にいる。


ここまで何週間もかけてきたのが嘘みたいだ。


3日でソルクド王国からガラム帝国に来れたと言うことは、このペースなら後3日でスヴェール王国に着く。



――――カリン、ヘルディ、すぐ行くよ!


――――――――――――――――――――――


☆スヴェール王国【大神殿】


「聖女様。私専属の近衛兵及び、賛同してくれた衛兵

は約600人になります」


スヴェール王国王太子はソファに座っているカリンに話しかける。


「ありがとうございます。王太子様。ルージア神の使徒相手に600…少々心許ないですが…今回の1番の目的はヘルディの奪還です。ヘルディを解放したらみなさんは直ぐに戦線離脱してください。私が…時間を稼ぎます」


カリンは決意を決めた目をして、王太子を見る。


「聖女様だけを危険に晒すわけにはいきません。我々も一緒に――――」


「ダメです。現国王を倒した後、スヴェール王国の国王になるのは王太子様です。その王太子様に何かあっては…」


カリンは優しい目をしている。


「いいですか。聖女の代わりはいても、王太子の代わりなどいないのです。私に何かあっても、王太子様とノールがいれば何とかなります」


そう…ノールがいれば聖女の代わりになる。

私と差があっただけで、ノールも聖女としての資質は十分だ。



「それに…王太子様から今回の話を持ち込まれなくても、私は現国王様を倒すつもりでしたから」


カリンは王太子に笑いかける。


「………お心遣い…感謝します。聖女カリン様」

王太子はカリンに頭を下げ、一礼する。


「やはり、私の選択は間違っていなかったようです。誰もが私とカリン様が婚約を結ぶと思っていたでしょう。ですが貴女を一目見た時、貴女は国に縛られるべき人ではない。自由に羽ばたき世に出るべき方…そう思いました。もしあの時、私が貴女を選ばず、周りからの風当たりが強くなってしまっていたら申し訳ございません…」


なんと…私を婚約相手に選ばなかったのには、そんな理由が…。

驚いたわ。


「こちらこそ、お心遣い感謝致します。王太子様。おかけで素晴らしい人と出会うことができました」


カリンは胸に手を当て、目を瞑る。

カリンの頭にはコーキの姿が思い浮かぶ。


「以前お話し頂いたコーキさんですね」


「はい。彼はまだ小さいですが、必ず私達を勝利に導いてくれるでしょう」

私は目を瞑ったまま答える。



「正直…羨ましいです。カリン様にそこまで信頼されているコーキさんが。是非、お会いしたい。カリンさんと一緒に」


王太子がカリンに笑いかける。



「その為にも、無事作戦を成功させましょう」


カリンと王太子は握手をした。


――――――――――2日後――――――――――



―――――ドタドタドタドタ―――――


「失礼しますっ…聖女様!」


慌てた様子で王太子の近衛兵が大神殿に来た。


「どうしましたか?」

私は首を傾げ、慌てている近衛兵に聞く。


この慌て様、間違いなくヤバイことが起こっているのだろう。



「それが…王太子様の身体を乗っ取る為、国王様が護衛騎士団を…」


慌てながら近衛兵が言う。


「今、我々王太子様直属の近衛兵と、国王様率いる護衛騎士団が争っています。王太子様を逃がす為、奮闘中です」


「それは大変ですね…分かりました。予定より早いですが、すぐに向かいます」


私はソファから立ち上がる。


「予定変更です。まずは王太子様を救出します。その後ヘルディを救出し大神殿でコーキを待ちましょう。アドガルザ様、行って参ります」


私は大神殿長に頭を下げ、国王と王太子のいる護衛騎士団の施設に向かう。


「気をつけて行ってくるんだよ。カリン」


大神殿長は笑顔で私を送ってくれた。

おそらく、私が帰ってくることは無い…と分かっているのに。

必ず戻ってこいとは言わず、私のやるべき事を尊重してくれた。

本当に優しい人だ。



――――タッタッタッタッタッタッ―――――


私は連絡をくれた近衛兵と共に、王太子の元に向かう。



回復(ヒール)


私は走りながら近衛兵を回復させた。


「あ、ありがとうございます」


「いえいえ、少しでも早く着くためです」


私達はひたすら走った。


どこからか、騒がしい声が聞こえる。

争っている声だ。


……間違いない。


この先に…王太子様はいる。


声のする方に向かうと…

こちらに向かってくる集団が見えた。



「………いた!」

私は思わず声を出した。


王太子様と最低限の護衛達がこちらに向かって走っていた。



「カリン様!……すみません。先手を打たれました…。このままだとヘルディさんも危ないかもしれません…」


王太子様が息を切らしながら言う。


「はい。少し早いですが…今日作戦を決行します。私はこのままヘルディを救いに行くので、王太子様は先に大神殿へ向かってください」


「そんな…貴女が戦うなら…私も…」

王太子様が申し訳無さそうな顔をする。



「国王様が王太子様を狙っている以上、近づくべきではありません。いいですか、私にとって今一番人質に取られたら困るのは…ヘルディでは無く王太子様です」


私は少し厳しく言う。


「………そう…ですよね…。すみません。カリン様。後はよろしくお願いします」


王太子様は深々と頭を下げる。

立場的には王太子様の方が上なのに…


「また、大神殿で会いましょう」


私はそう言うと、王太子様達に《回復》を使った後、ヘルディの囚われている護衛騎士団の施設に向かった。


途中護衛騎士に襲われるが、王太子様の近衛兵が私を護ってくれた。


……後はヘルディの元に向かうだけだ。



「おっと…こんなの所で。どこに向かうつもりかな?聖女よ」


!!!!!!!


国王様……いや…ルージアの使徒が私の行く手を阻んだ。


「くっ…」


私は国王を見て歯噛みする。


「ふん…。どうせ…お前の仲間を助けに来たのだろう。だが無駄だ。お前の聖魔法でも…あれは治せないだろうよ」


国王が笑いながらこちらに近づく。


「そんなの…やってみないと分からないじゃない!」


「分かるな。お前の力の源は…ミラだろう。あの卑怯者の力を授かった所でたかが知れてる。歴代最高の聖女と言われ、調子に乗ってるのか?我々神からすれば、お前の力など…凌駕する事ができる」


「なっ…」

ルージア神の【使徒】なのに、我々【神】と神を名乗るとは…。


しかも…他神の女神とはいえ、呼び捨て。


「ふふ…調子に乗ってるのはあなたなんじゃないの?何世代も国王として君臨してたから、自分が一番だと思ってるのではなくて?」


私は少し煽った。


このまま見境なく攻撃しようとしてくれれば、バリアを張り、その隙に近衛兵がヘルディを救出すればいい。



「黙れ、小娘が。我等の庇護下にあった人間の癖に…」


国王が魔力を集中させている。

どうやら誘いに乗ってくれたようだ。


私は付いて来た近衛兵にアイコンタクトを取り、バリアを展開した。


聖なる結界(ホーリー・バリア)


私はまず最初に護衛騎士団の施設全体に光の結界を張った。

この間見た火の柱を考え、高さを十分に確保した結界だ。


これで…戦っても王都には被害はいかないだろう…


光結界(シャイニング・バリア)


そしてもう一枚。

今度は私と国王のいる空間だけに張った。

聖なる結界ほど強度は高くないが、微調整ができる結界だ。



聖なる盾(ホーリー・シールド)


今度は私を守る盾を出す。


これで…時間を稼ぐ。


ヘルディ救出前に国王と遭遇した場合、こうすると決めていた。


ヘルディの回復は大神殿に行ってからになるため、私は何としても生きて帰らなければ…


「ゴクッ…」


私は唾を飲む。


盾を構え、《拘束》で縛って時間を稼ごう。


《拘そ…》


「遅い」


――――――パリィィィン――――――


国王の拳が、私の聖なる盾を砕き、私のお腹に当たる。


「ぐはぁっ……」


――――私は血を吐き、その場にしゃがみ込んだ。


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