電車のホームで
五作目
後輩と駅のホームで電車を待つ。
彼女とは学校は違うが部活が同じで学校同士でよく合同練習を行い、彼女の学校で練習をする日はこうして二人で帰る。
「遅いですね」と彼女の少し高い女の子らしい声が。
「いつもこんな感じじゃん」と笑う僕。
「先輩、そろそろ引退じゃないですか?」
「そうなんでよね、夏の大会で終わりだよ。前もこの会話したよね」
「そうでしたっけ?」
「そうだよ」
そう、夏の大会でこのホームでの会話が終わってしまうのだ。
「大会、頑張ってくださいね」
「ありがとう、同じブロックになっても勝つからね」
「えー、そこは負けてくださいよ...」
「嫌だよ」
そんな会話をしているうちに電車が到着する。
「来ちゃいましたね」
「そうだね」
「この時間がもう直ぐ無くなるのは寂しいです」
「僕もだよ」
「ふふっ、ではまた次の練習で」
「うん、またね」
「はい、また」
こうして彼女と別れた。
どこか寂しい感情を胸に抱き僕はイヤホンを挿した。
そして彼女とは反対の電車に乗り、僕は帰路についた。
うーーってなる...