6
ザワつくリアルドとジーヴス達は一様に不安そうな顔をしていた。
既にほとんどの住民が集まっているのだが、 それ以上の人数が居るのは一目瞭然である。
「………人数が多い」
「近くの街や村の奴らが来てるんだよ。緊急だからな」
「なるほどね」
眉を寄せながら見ていたカーマインをまた引っ張り中心部へと向かう。
ベルライナはついて行くのを迷っていると、 カーマインが振り返り手招きした。
それを見てからベルライナは手を握りしめて歩き出す。
「呼んできた」
ライナスが言うと、 全員が視線を向ける。
そこにはアイリスもいて泣きながらカーマインに抱きついてきた。
「おっ……と」
「カーマイン!スタンピードって………私達死ぬの!?」
胸元を握り締めて泣きながら言うアイリスはそのままズルズルと座り込んだ。
支えたままだった為、 カーマインも同じく座り込むが、 アイリスのジーヴスのオルセンがすぐに隣に来て背中をさする。
「っ!やめてよ!なんでジーヴスに慰められないといけないの!?」
「アイリス、 今はそんなことを言っている場合じゃないだろ?オルセン」
カーマインはオルセンを呼びアイリスを渡した。
アイリスは嫌がり身を攀じる。
カーマインの元に行こうとするが、 すぐに他のリアルドに囲まれて姿が見えなくなった。
「カーマイン、 来たか」
「……町長」
程よく鍛えられた銀髪の女性はカーマインが暮らす街の町長、 リアンである。
その隣には別の街や里のお偉いさんが並んでいた。
「街全体のリアルドを集めた。これからのスタンピードの対処を考えるために。お前も参加してくれ」
「それはいいけど」
かなりの人数ではあるが、 ここら辺一体の街や里の人全員が集まっているわけではないようだ。
「まず、 集まっているのは4つの街の町長達と他数人に来てもらってる。他の街はスタンピードの襲来が早いからそっちで集まり対策を講じている所だ」
親指でさし教えているリアンに頷く。
どうやらカーマイン以外にも今来たばかりのリアルドが居るのか同じように頷く人がかなりの人数居た。
「向こうはどうなっているのか正直わからないが、 こっちにも来る可能性は十分ある。」
「スタンピードが起こった時って、 今までどうやって止めてたの?」
強めの風が吹いた時、 茶色い長髪が舞う。
少し抑えながらもスタンピードを止める方法を聞いたが、 リアンはあまりいい顔はしなかった。
「……………ないよ」
「え?」
「止める方法は無いんだ。今までスタンピードが起こった場所は全て潰されたよ」
「……………そんな」
「今更逃げれない、 なんとか止めるしかないよ」
今まで起きていたスタンピードは止めること出来なく、 進行方向にある街や村、 里は確実に潰された。
逃げたくてもモンスターは多く強い。
ただやられるだけだ。
このままではただやられるのを待つだけ。
カーマインはリアンを見る
「どうするつもりなんだい?」
「…………………ジーヴスを使う」
「…は?」




