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一番愛しく一番憎く

作者: syachi_kuh

2作目。


月は綺麗だけどたまに見えない。

雲に隠れる。新月になる。

時には欠ける。


そして届かない。

手を伸ばしても届かない。


でも、月に降り立ってみたら案外輝いてなくて、でも地球に帰るための燃料も持ち合わせてなくて。


私はずっと月の上。


何もない。


眺めてた、憧れてた、時を思い出しながら。


泣きながら月の上。

誰も助けてくれないし

誰も地球から見えない。

求めてた月も答えてくれない。


虚しくて寂しくて


また、月を眺めてた頃に戻りたくなる。


地球が酷く美しく感じる。


私は、地球に身を投げた。


旧友の助けで、私は地球に戻ることが出来た。


でも、地球に戻ったら、戻ったで、また月に行きたくなってた。

あのふわふわしてた月が懐かしくて、


虚しくて寂しかったことも忘れて、


また月に来た私は、わざと帰りの燃料を置いてきた。


もう戻らないように。

自分を戻れないようにするために。


月に期待することをやめて


月が与えてくれるふわふわを

ただただ噛み締めて

月面で寂しいと感じないように。

私は自分で自分を愛するようになる。


月に期待しない。


それでも時間が経てば、

月が答えてくれると信じて、


今もまだ月面に居る。


たまに地球にいた時の写真を見返して。


1人で涙を流す。


いつか月が涙を拭ってくれると信じて。


「ずっとみてたよ。もう大丈夫。」


そう言ってくれるのをどこかで期待して。


今日もまだ月面にいる。


私はどこまでも月を愛してる。


私はどこまでも答えてくれない月を憎んでる。



月面でいつか月の中に入れると信じて

私はまだ、月面から月の中で楽しそうに笑ってる声を聴いてる。


いつか、その笑い声が

私の隣で聞けたら良いのに。


そう思いながら、私は今日も月の上。

月は恋人。

彼がなにを考えているのか、わからない。

いつか、隣で笑ってくれるといいなぁ。

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