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第02話 金髪美少女が家にいるなんて誰にも言えねぇ

日菜が出かけて行き、宿題も面倒なので、やることがなく、パソコンで小説の構成を考えている守。

だが、先ほど日菜に見せた、小説(仮)は少しやりすぎたと反省していた。



「やはり、インパクトがある方がいいのか? だが、インパクトがありすぎてもだめだしなぁ」



そして、あのような設定では、毎回同じような、ハーレムが繰り広げられることになる。

それは小説とは言わないような気がしたので、とりあえずネタ集めのためにエ●漫画サイトを見る。




そして、検索のところにハーレムと打ち込み、検索結果が出てくると片っ端から読んでいった。

でも――読み始めて30分。中々自分が求めている作品が出てこない。




やっぱり自分で誰も考えたことのないモノを作り上げるしかないのか、そう考えため息をつく。

ため息をついても何もならない、こんな時は自分を癒してくれるアレしかないと思い、庭へ行くことにした。




夏の日差しが差し込んでいてかなり暑い。なぜ庭へ出たのかと言うと、ある花に癒してもらうためだ。

守の家は庭もあり、いつでも自然と触れ合える。原野家ではよく庭へ行くことが多い、それは園芸が好きな人が多いため。



家族そろって住んでいた時も日菜と守とその母はよくここで花を観察していた。

日菜だけと過ごすようになってからあまり行くことがなかったが、1ヶ月前にある変化が起きてからはほとんど行くようになっていた。



「今日も暑いからな、水あげないと」



視線の先には薄紫色に輝く花が。実はこの花、地球のどこを探してもない。守が図鑑やネットで調べたがそれと該当する花は見当たらなかった。

すると、声をかけられる。



「守、今日も来てたんだねー、この花も咲いて結構経つね」



この声の主は日菜ではない別の女子。薄紫に輝く花を見つめていて、守に声をかけて少女の名前はルナ。

そう、1ヶ月前のある変化を起こした張本人である。



年は守と同じ16歳。金髪赤眼で、まるでアニメに出てくるようなキャラと同じくらい、いやそれ以上の可愛さを持つ顔立ちの美少女。

身長は165㎝くらいだが、胸は大きい。ルナは守の親戚でも、知人の知り合いでもない。



なぜ、このような美少女がさえない男子、守の家に住んでいるかというと、1ヶ月前にさかのぼる。




守とルナが運命的な出会いをしたのは、守の部屋。

そのころの守も、相変わらずハーレム愛好家で底辺WEB作家だった。




いつも通り、熱心に小説を書いていると時刻はもう12時。明日も学校だし、寝ようと思い、歯磨きをして部屋に戻ってくると……

守のベッドに金髪美少女が横になり寝ていたのだ。まだそれだけなら冷静だっただろうが、その美少女は裸だった。



守は何が何だかわからず、しかも初めて見る女性の裸、丸まって寝ているが、隠しきれていない大きい胸。

そんなことが重なり、守は顔を洗いに行った。これは、自分が疲れすぎて、美少女ハーレムに固執しすぎて起きた幻なのだと言い聞かせた。



しかし、幻ではなく現実なので、顔を洗っても、美少女はもちろんベッドで寝ている。

直視するわけにもいかず、とりあえず、押し入れから毛布を取り出し、その美少女、つまりルナにかけてあげた。



「これ現実だとしたら、相当ヤバいし、誰に相談しよう……」


「ふぁ~、よく寝た。あれココどこ?」



ルナは毛布をどかし、そのまま両腕を上げる。急に起きた美少女に反応できなかった守は、目を見開く出来事が。

それはルナが両腕を上げたせいで、胸のピンク色の部分まで見えてしまったのだ。しかもバッチリと。



一応質問してきたので、返事を返す。金髪美少女なのに日本語ペラペラなんだと、ちょっとホッとしていた。



「えっと……、ここは家ですけど、俺の親戚ですか?」



守は人とのコミュニケーションは得意だが、裸の美少女がいると無理。直視はできないので下を向いて話すが集中できない。

よくよく考えてみれば夜中に、親戚が訪問して、人の家のベッドで勝手に寝るなんてことはない。しかも裸で。



「うーん…… 私どこから来たか覚えてないし、あなたの親戚でもないし、なんかごめんね」


「いえいえ! まあ、急に知らない人が、自分の家にいて、しかも全裸で寝ていたので、正直かなりびっくりしてますけど、何か事情が?」


「事情?じゃないけどさっきも言った通り、私、何も覚えてないの」


「なるほど、記憶喪失的なやつなのかな…… と、とりあえず服買ってきますので、ゆっくりしていってください」



そう言うと、守はクローゼットから自分の着替えを取り出し、せめて上だけでもと着替えを置いて、急ぐように家を出ていった。

近くに24時間営業のスーパーがあるので、そこへ行き、女性でも着れるようなフード付きパーカーと下着とズボンとパンツを購入する。



深夜に男性がこのようなものを買っていいか心配だったがそんなことはどうでもいい。

だが、あの金髪美少女が気にいってくれるかが不安だ。



「俺、小説でめっちゃ美少女とか出してるんだから、服のこと日菜に聞いとけばよかったな」



と会計中に、店員に白い目で見られていることなど知らず、思ったのであった。



急いで家に戻ると、その美少女は守の部屋にいた。

小説などでのこういう展開は、どこかへ行ってしまった――みたいな展開が多かったし、それを恐れていたが、そうではなかったので思わずホッとした。



「服買ってきました! はぁはぁ、めっちゃ疲れた……」



全力ダッシュで帰ってきたので、疲労がたまっている。



「ありがと、知らない人なのにこんな、一生懸命になってくれて」


「当然ですよ、服ここに置いときますので、着替えてください。僕は飲み物とか持ってきますので」



守は美少女が、可愛いから手伝っているというのが8割だったが、とりあえず当然だと返答した。



「うん、わかった。着替え終わったら教える感じでいいかな?」


「はい、あと、お腹とか空いてます?」


「ちょっと空いてる、もしよかったらその……」


「もちろん、食べ物持ってきますよ」



そういって、冷蔵庫が置いてあるリビングへ向かう。夜食用に買っておいたジュース、アイス、カステラなどがあり、それを持っていく。

お腹を壊すといけないので、常温の麦茶も一応。コップはお客様ようの未使用のコップを出すことにした。



守の部屋の前についても、ルナから返答がない。不思議に思って聞いてみる。


「あ、着替え終わりました?」


「え、えっとちょっと手伝って欲しくて」


「え? まぁわかりました、開けていいですね?」


「う、うん」


「何を手伝えば……」



一瞬聞き間違えかと思い、硬直した。確かに美少女は開けていいという返事をした。だがとても開けていい状況ではなかった。

美少女は、出会った時とほぼ同じ、上半身裸であったのだ。



「ちょ、ちょっとどうしたんですか!? 開けていいって言いましたよね?」


「あ、うん。もしかして、裸は刺激が強かった?」


「当たり前じゃないですか! 」


「ごめんごめん、怒らないで。えっと下着とかパーカーとか着替えさせてくれない? なんか疲れちゃって」


「まぁいいですけど……」


最初から気になっていたのだが、なぜこんな初対面なのに慣れ慣れしく、ぶっ飛んだことをさせるのだろうか。

ずっと裸でいられるよりはましだと思い、承諾した。



透き通ったきれいな肌に直に触れるのはかなり抵抗があった。

別に変なことをしているわけではないのに、かなり緊張してしまう。皆さんも、美少女が裸だったらそうなるはず……



なんとか、上を着させることができ、守は休憩に入る。先ほど持ってきたアイスはちょっと溶けていたが、美少女にあげる。

守は、「別に敬語使わなくてよさそう」と判断したので、ため口で話す。



「年近そうだし、ため口でいい?」


「うん、いいよ。私も最初からため口だったけど」


「バニラアイス、ちょっと溶けてるけど、いいよね?」


そういって、カップのアイスを渡す。


「うん。ありがと」



へへっと無邪気に笑う美少女に少しドキッとしてしまう。艶々した唇にアイスが、ついていたのも可愛らしく思った。



「あ、これおいしいね。……えーっと、名前聞いてなかったね」


「あ、そういえば。俺は原野守、よろしく」


「私は……ルナ よろしく!」


ルナはためらった後名前を言ったので守は不思議に思った。


「ルナ、だけ? 」


「ルナしか覚えてなくて、ホントに何も覚えてないの……」


そういえばルナは、記憶喪失かはわからないがそれに近い状態だった。



「じゃあ、ルナって呼ぶけど、いいかな?」


「もちろん! 私は守って呼ぶから」


「でも、記憶がないってのは困ったものだし、知り合いも、いるかわからないんだもんな」


「そう、この後どうしよう……」


ルナは明るい表情しかしていなかったので、暗い表情をすると、どうしてもなんとかしてあげたいと思ってしまう。


「記憶が戻るまでさ、家にいていいよ」


「え? いいの?」


「家に突如いたのは、なんかのご縁みたいな感じで解釈していいと思う」


「でも、守の両親とかに迷惑かけちゃうんじゃ……」


「あ、今は妹と2人暮らししてる、別に複雑な関係とかじゃないから安心して」



守の家はかなり特殊なので、説明するときはややこしい。



「妹さんは、私がいて大丈夫なのかな?」


「事情を説明すれば大丈夫だな、うん……」



若干不安があったが、日菜のことなら大丈夫と思い自信を持つ。たぶん大丈夫……


守はあることを決意する。


「部屋とかは、明日用意するからっていっても、ルナを一人にさせるわけにもいかないし」


そう、いろいろな準備をするため、明日学校を休むのだ。期末テスト一週間前だが、何の問題もない。


「いやいや、悪いってそんなの」


「俺、決めたことはやり遂げるって性格なんだ。だからいいよ」



小説のことではなく、あくまで生活のことの発言。小説も一度決めたことはやり遂げるっていう性格だったら今頃、ブックマークもつけられていたのに(-ω-)



そのような発現にルナも心を打たれ、顔を赤くする。


「う、うん、じゃあ、お言葉に甘えて」


「どうしたの?急にかしこまっちゃって」


「ううん! 何でもない!」


ちょと守の言葉にドキッとしたなんて言えないので全力でごまかした。


「詳しいことは明日話すから今日は、もう少ししたら寝よ」


「えっと、私はどこで寝ればいいかな?」


「ああ、俺のベッドで寝ていいよ俺は床で寝るから」


「それでいいの?」


「うん あ、でも、部屋の鍵閉めていい? 明日妹には風邪を引いたってごまかすから」


元気な姿を見られたら仮病で学校を休むってばれるから、という意味で言ったつもりなのに、ルナは鍵を閉めていいという言葉だけに反応した。


「え、えっちなことしないでね」


「いやいやしないって! というか、どんな想像してんだ……」


「守なら大丈夫ってわかってたけど、たまにそうやってムキになるところ可愛いよー」


「じゃ、おやすみ!」


「また明日、服ありがとね」


「お、おう」


こうして少し不思議な出会いをした守とルナ。この1日で二人の仲はかなり縮まっていたのだった。

守はハーレムバカだが、優しい一面もある。



ルナが家にいることを日菜に伝えたのは、翌日の夜であった。



毎日投稿二日目の伊月優です。三日坊主にならないよう……

えっと、今回は、早速新キャラ登場させました。ですが、ハーレム不足です……

明日も投稿する予定なので、是非見てくださいね。


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